家庭でガスはどこで使われている?ガスを効果的に使って料金節約しよう
私たちの暮らしに欠かせないのが「ガス」。生活のさまざまな場所で使用されていますが、実際にはどのように活用されているかご存知でしょうか?今回は、家庭におけるガスの効果的な使い方と、知っておくと役に立つ料金節約方法をご紹介します。
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■家庭でガスを使う場所
家庭で使われるガスの平均量は、子どもがいる3〜4人の家庭の場合、プロパンガスでは20㎥前後と言われています。これは年間平均使用量なので、夏は15㎥に減ったり、冬は28㎥くらいに増えたりすることもあります。一人暮らしでプロパンガスを使用する場合、年間の平均使用量は5㎥で、夏は3㎥、冬は7㎥。二人暮らしのプロパンガス利用では、年間平均は8㎥、夏は5㎥、冬は15㎥というイメージです。
また、プロパンガスと都市ガスでは、原料が異なるため熱量も異なり、同じ作業をする場合であっても必要なガス量は必然的に異なります。プロパンガスは都市ガスの2.18倍の熱量を持っているため、プロパンガスの利用量を都市ガスでの利用量に換算する場合は、プロパンガス利用量に2.18倍をかけた数になると考えておくと良いでしょう。
料金に関しては、都市ガスが規制料金となっているのに対し、プロパンガスは自由料金で設定されています。都市ガスとプロパンガスでは料金設定が異なるので、都市ガスの方が使用量が多いから料金も高くなってしまうということはありません。ただし、プロパンガスは自由料金であるため、利用量は同じであっても契約する会社によって費用が変わるケースも多々あります。
では、ガスは家庭の中では具体的にどのような場所で使用されているのでしょうか。
まず思い浮かぶのが、お風呂やキッチンです。お風呂を沸かす際に利用している給湯器や、調理の際に活躍してくれるガスコンロなど、生活に欠かせない大切なガス機器が挙げられます。その他、冬になるとガスのファンヒーターやガス温水床暖房など、暖房機器においても威力を発揮しています。冬になるとガスの使用量が増えるのは、こうした暖房機器の使用が増えることが要因と考えて良いでしょう。
これらのガス料金は毎月かかるものだからこそ、極力費用は抑えておきたいところです。次に、日常の中でできるガスの使いかたのコツと、すぐにできる節約のアイディアについて見てみましょう。
■お風呂での節約アイディア
お風呂でのガスの使い方というと、お風呂を沸かしたりシャワーを浴びたりすることが挙げられます。さらに詳しく見ていくと、ガスは追い炊きにも関わっていることがわかります。
実際に家庭でもっともガスの利用が多いのはお風呂で、使用量のうち75%を占めていると言われています。そのため、お風呂での節約を上手に行えば、ガス料金全体の節約につながると考えて良いでしょう。以下では、ムダをなくした効果的な使い方と、節約のポイントをご紹介します。
水から沸かすのではなく給湯でお湯を張ろう
お風呂を沸かすには、水からお湯を沸かす「風呂釜」と、給湯でお湯をためる「給湯式」があります。同じ200リットルの湯を沸かす場合でも、風呂釜式は給湯式の4倍ほどの時間がかかり、費用も10円ほど差があります。これが1年続くと3,600円以上の節約になるので、効率・費用の双方から考えても給湯式でお風呂を沸かしたいところです。
お湯は自動停止装置でムダを減らそう
お湯を張る時に、自動のお湯張り機能がない家の場合、「ちょっと目を離したらお湯が浴槽からあふれてしまっていた」ということも少なくないでしょう。お湯がムダになるだけでなく、ガス代のムダにもつながるので、もっとも気をつけたい場面です。
もし自動のお湯張り機能がついていないお風呂であっても、蛇口にとりつけるだけで自動停止してくれるアイテムもあります。気軽に使えるものなので、設置を検討してみるのもおすすめです。
こまめにフタをして、熱を逃さないようにしよう
せっかくお風呂を沸かしても、フタをせずにそのままにしていると、どんどん熱が逃げていってしまいます。しかし、フタをしておくと、その後追い炊きに要するエネルギーを少なくすることができ、節約につながります。
実際、40度に沸かした200リットルのお湯の温度は、フタの有無で4時間後には約2度の差が生じています。そこからそれぞれを40度まで追い炊きをすると約6円の差額が生じ、1年積み重なると1,900円もの差額になるという計算です。
また、追い炊きをするには多くのガスが必要になります。追い炊きを1回減らすだけで年間1,800円ほどの節約が可能になるという結果もあるので、家族がいる場合は、極力立て続けに入浴して追い炊きを回避したり、保温シートを活用してお湯の温度が下がるのを防いだりして、追い炊きの回数を減らすよう心がけましょう。
シャワーの時間を少し短くするだけでも節約に
出しっぱなしにしてしまいがちなシャワーですが、シャワーを出す時間に気を配るだけでも節約につながります。40度のシャワーでは、1分で3円もの差があるという結果もあります。1人1分シャワー時間を減らすだけで大きな節約になるでしょう。また、このことから、お湯をこまめに止めることが、節約のポイントになることもわかります。
お湯の温度を少し下げるだけで効果的
冬になるとガス料金が膨らみがちになりますが、その要因のひとつに、お湯の設定温度が上がることも影響しています。お湯の設定温度が高いほど、沸かすために必要なガス量も増えてしまいます。そのため、お風呂を沸かす際は、42度以上など熱めに沸かしたお湯に水を足して温度調整をするのではなく、はじめから適温で沸かすようにしましょう。
節水シャワーヘッドを活用しよう
シャワーヘッドを節水使用のものに変えることもおすすめです。節水シャワーヘッドは節水を目的に作られたものですが、シャワーヘッドの穴の数が少なく穴の大きさも小さくなっているので、結果的に使う湯量が減ってガス料金の削減にもなります。
人数が多いならシャワーよりお湯を張った方がお得
また、「一人暮らしだとついシャワーになってしまう」という方も少なくないでしょう。しかし、シャワーは17分出しっぱなしにすると、浴槽1杯分の湯量に匹敵すると言われます。そのため、シャワーの利用人数が増えるごとに、湯量は倍増していってしまいます。
人数が多い時はお風呂を張って、シャワーは体を洗う時だけにするなどの工夫をしましょう。
■キッチンでの節約アイディア
キッチンでもガスは大活躍。電気コンロに比べて火力が強く、飲食店の厨房などでもガスコンロは重宝されています。キッチンも毎日ガスを使うところなので、節約術を身につけて賢く利用しましょう。
お湯は必要量だけをコンロで沸かそう
お湯を沸かす際には、ガスコンロで沸かす方法と電気ポットで沸かす方法があります。コンロでその都度沸かすとエネルギーを消費するように思えますが、実はコンロの方が安く済ませることができるのです。
1リットルの水を3回ずつコンロで沸かしたとしても、1度に3リットルの水を沸かして保温するポットより3円ほど安くすなります。毎日行うことだと思うと、こうした節約も侮れません。
落とし蓋を活用しよう
調理の際にもちょっとした工夫をすれば節約につなげることができます。煮物などを作る際に木ぶたやアルミホイル、パラフィン紙などの落とし蓋をすると熱が逃げなくなるため、調理時間を半分以下に抑えることができてガスの節約にもなります。時短テクとしても有効なので、ぜひ覚えておきたい方法です。
火力を調整し、炎は鍋底からはみ出さないように
あまり知られていませんが、せっかく強火で調理をしても、炎が鍋底からはみ出ていると、熱が伝わりません。すると、火災の危険が増すだけでなくガスのムダ使いにもなってしまいます。
また、逆に弱火にしていると、時間がかかり放熱量が増えてしまいます。そのため大切なのは、鍋に合わせた火力調整を心がけることです。鍋底の広いものを利用するのも効率的に熱を届けるひとつの手なので、覚えておくと良いでしょう。
鍋底はしっかり拭いてから火にかけよう
洗ったばかりの鍋ややかんを再度使いたい場合でも、鍋底だけはしっかり水分を拭き取るようにしましょう。鍋底に水分がついていると、それを蒸発させるために余分な熱が必要になってしまうためです。拭いておけば、ガス量2%の削減になります。
食器洗い乾燥機は実は節約ポイント
食器洗い乾燥機も、うまく活用すると大幅な節約につながります。乾燥機はお湯をためて「洗い」と「すすぎ」をする仕組み。そのため、その都度お湯が必要になる手洗いと比較すると、少ない湯量で済ませることが可能となります。
使う湯の量は、手洗いに比べると9分の1。節水することによってガス量の削減にもなり、費用は5分の1になります。年間では8,000円以上の節約も見込めるので、導入を検討してみると良いでしょう。
また、乾燥機を利用する際に、設定温度を2度下げただけで年間1,000円以上の削減になったというデータもあります。数回分をまとめて洗ったりすれば、一層節約効果が高まるでしょう。
ごはんはコンロで炊けば、ふっくら&節約
ごはんは炊飯器で炊くのが主流ですが、鍋に入れて火にかける方法でも炊くことができます。実はコンロで炊く方が電気炊飯器に比べ20分ほど時間が短縮できて、仕上がりもふっくらツヤやか。費用は電気炊飯器の半分以下に抑えることができるなど、いいこと尽くしです。
調理の際は、水とお米を入れた鍋を火にかけるだけなので、簡単にできます。最近は「炊飯」ボタンがついたコンロもあるので自動に炊くことも可能になりました。
グリルを上手に使って節約上手を目指そう
調理の際、グリルが頼もしい節約アイテムとして活躍してくれます。オーブントースターに比べ、時間も費用も半分近くに抑えることができます。
また、グリルは魚を焼くだけでなく、冷凍食品の温めやトースト、肉や野菜の同時調理も可能な万能選手。食材の余分な脂を落としてくれ、味が凝縮されるというメリットもあるので、仕上がりもアップします。両面焼きグリルであれば途中で熱を逃すこともないので、さらなる時短と節約が期待できるでしょう。
■その他の場所での節約アイディア
上記では、主にガスを使うお風呂とキッチンのアイディアをご紹介しましたが、それ以外の場所においても私たちは日々ガスの力を借りています。他の場所でもちょっとした工夫でガスの節約ができるので、いくつかご紹介します。
設定温度を2度下げた暖房とガスファンヒーターを併用しよう
暖房の推奨設定温度は20度ですが、寒さが厳しくなるほどにどうしても温度を上げてしまいがちです。しかし、設定温度を2度下げるだけで年間2,000円近い節約にもなるので、低めに設定しておきたいところです。
ガスのファンヒーターの場合は、スイッチを入れてから暖まるまでの時間が短いという点がメリット。しかし一方では、温度調整がしにくいというデメリットもあります。そこで、はじめはガスファンヒーターで部屋を暖め、その後は暖房に切り替えるという方法が効果的です。ガスファンヒーターは切った後もしばらく暖かさが残るので、早めに切って余熱を活用することも大切です。
ガス温水式床暖房は、すぐに切らずに自動運転で
冷暖房はこまめにスイッチを切る方が良いと思っている方が多くいますが、ガス温水式床暖房の場合は一概にそうとも言えません。というのも、スイッチを入れてから立ち上がるまでにガス代がかかるので、こまめに切ったり入れたりすることで逆に費用がかさんでしまいます。長時間の外出などの際には切るようにして、それ以外はつけっぱなしにしておいても問題ないでしょう。また、外気の変化に合わせて適温にしてくれるので、自動運転に設定しておくのがおすすめ。ガスのムダ使いをしなくて済みます。
床暖房の場合、上にマットなどを敷いている方もいますが、せっかくの熱が伝わりづらくなってしまうので逆効果。余計なガス代がかかることになってしまいます。ガス温水式床暖房は温度にムラがなく、すぐに暖まるのが特徴なので、極力上には何も敷かずに利用するのがおすすめです。
■まとめ
いかがでしたか?今や、ガスは私たちの暮らしを支える大事なエネルギーです。しかし、うまく活用できていないと、ガスのムダ使いになるだけでなく余計な費用までかかってしまいます。上記でご紹介したアイディアを生かして、効果的で賢いガスの使い方を目指しましょう。
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