
童話の世界のよう! 美しいスウェーデンのクリスマス
少しずつ寒さが増し、いよいよ本格的な冬の始まり、そして12月はクリスマスの時期ですね。数年前、私はスウェーデン、ストックホルム郊外に少し長く滞在したことがあります。それは、大好きな秋から冬の季節でした。クリスマスを含め、北欧スウェーデンの人々が大切にしている暮らしをご紹介いたします。
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ストックホルムの旧市街で開かれる、伝統的なクリスマス市

こちらは、古い街並が美しいストックホルムのガムラスタン(旧市街)で、イブの1ヶ月前ほどから開かれる伝統的なクリスマス市。 1915年から毎年開催されるこのクリスマス市はヨーロッパでも歴史のあるものの1つで、リースや蜂蜜、民芸品にキャンドルと、クリスマスを迎えるためのものを揃えたさまざまなお店が立ち並びます。

広場にあるパン屋さんは、ウィンドウをグリーンだけで飾っていました。ベンチにさりげなく置かれたモミの枝、そして吊り下げられた看板もかわいい。

おしゃれな雑貨屋さんやアンティークのお店も多いガムラスタン。お店のディスプレイは、グリーンを中心にナチュラルで洗練されたものが多いように感じます。 植物と寄り添う暮らしをしている私にとっては、街の寄せ植えやグリーンの使い方も気になるところ。

お店の入り口に飾られた自転車もさりげなくクリスマス仕様。古い街並と石畳に美しく溶け込んだディスプレイが心地良い。 そして、どのお店の入口にも必ずと言って良いほど、キャンドルが灯されています。
キャンドルが優しく照らし出す、北欧の家族の風景
キャンドルといえば…。日本では安全上の問題で決して灯しっぱなしはできないと思うのですが、
暗くて寒い冬の長い北欧の人々の暮らしでは、光というものがとても大切なもの。それを暮らしの端々に感じました。
炎がゆらゆら揺らぐ姿が、日本に比べてゆったりと流れるスウェーデンの暮らしを象徴しているよう。
北欧の家庭では、イブの約1ヶ月前から、クリスマスをモチーフにした日めくりのアドベントカレンダーを用意します。子供達と一緒にめくったり、イヴの夜まで毎週末の夕食時に1本ずつ明りを灯してゆくアドベントキャンドルを飾ったり。12月はイヴが近づく喜びを家族で感じながら過ごします。このアドベントカレンダーがとても可愛くて、私もめくりたい~と思ったものでした。笑。

私が暮らしたエリアは、大きな一軒家が多くありました。窓辺に優しい光を灯すキャンドル型の照明が飾られて、日が沈む頃にはどの家にも灯されます。 このお家は私の大のお気に入り。暗くなった帰り道、この温かなオレンジ色の光が漏れて、まるでおとぎ話の中に佇んでいるよう。

窓辺には北欧独特のオーナメントが、そして玄関にはリースが飾られます。
そして、X'masツリー。
スウェーデンでは、フレッシュのもみの木を室内に飾ります。
私が滞在していた家庭でも「次の日曜日には、ツリーを買いに行こう!」と盛り上がりました。
車のなかったファミリーは家族総出でそりを引き、森を抜けて、1番近くのスーパーマーケットへ。
X'masシーズンになるとツリーを売るアルバイトの少年たちがスーパーなどの前でツリーを販売しているのです。
あっちがいいとかこっちがいいとか、熱心に話し合い、気に入ったもみの木をそりに乗せて、えっちらおっちら帰りました。
これが歩いて30分ほどのスーパーと言っても、結構な重労働。何せ2mは裕にあるフレッシュなもみの木は重いっ。笑。
でもこんな暮らしがあるのかぁ~。と感動もしました。楽しくて大切な思い出です。余りに必死でツリーを持ち帰ったので写真を撮れなかったのがとっても残念です。
清々しい森の香りが漂うフレッシュクリスマスツリー

こちらは私が滞在中何度も通った郊外にある大きな園芸店。そりゃあもう驚くほどのツリーとなる木が並んでいます。
どこまでも続くモミの木・・・。
訪れる人々が「どの枝がいい?やっぱりあっちかな〜」と真剣に選んでる姿が微笑ましかった。
それにしてもこのツリーの多さには驚きました。果てしなく続くツリーは、赤や青、黄色のテープで品種ごとに分けられていて、好きな品種をツリーとして選べるのはさすがだなぁと。
広げられたもみの木だけでも相当の量ですが、
下の写真の右奥にあるように、パックになったもみの木ちゃん達が山積みになって、広げてもらえるのを待っていました。
恐るべし!北欧のもみの木たち。実は近年はクリスマスが終わった後のツリーの処分が問題になっているようですが、
それでも伝統行事には欠かせないものなのですよね。

日本でも根付きのモミの木が、ホームセンターなどで買えるようになりました。北欧のモミの木は根元でカットされたものが売られていて、それを室内用のツリー立てなるものに挿して飾ります。フレッシュツリーはあの森のような清々しい香りも好き。今年は私もフレッシュを飾ろうかな。
次回は、大好きなローゼンダールガーデンとストックホルムのお花屋さんを中心にご紹介したいと思います。
PHOTO・取材・文:長谷川美菜(le jardin du hérisson)
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