聖ルチア祭って知ってる? 北欧のイベント&手作りクリスマス料理。

スウェーデンでは、クリスマスイブと同じくらいとても大切な行事があります。それは12月13日の聖ルチア祭。日本にはあまり馴染みがありませんが、北欧ではとても大切な行事。その思い出と、北欧のクリスマスの伝統的なお料理をじっくりとレポートします。お腹がすいてくるはずですよ。

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真っ白な衣装の女の子の歌声が響く、スウェーデンの聖ルチア祭

12月13日に行われる聖ルチア祭。スウェーデンでは、クリスマスイブと同じくらいとても大切な行事。学校でもその為の特別メニューが出されるくらい! 北欧では、国中のチャペルで光をもたらす聖ルシアに扮した真っ白な衣装を纏い、頭にキャンドルを飾った女の子たちが賛美歌を歌って光を讃えます。

私はスウェーデンで暮らしいる間、教会の手芸教室で刺繍や編み物を習っていたので、その教会でこの聖ルチア祭の賛美歌を聴きました。パイプルガンの音色と少女たちの透き通る歌声が素晴らしかった。あの有名な「サンタルチア」はこのルチア祭で歌われるのですね。町の小さな教会でしたがモダンなステンドグラスにも感動しました。さすが北欧!

特別なパンとクッキー、ルッセカットとペッパーカーカ

この日、スウェーデンの人々は、キャンドルを灯し、光を願い、感謝を込めながら、「ルッセカット」というサフランを入れた特別なパンと「ペッパーカーカ」というシナモンの入ったクッキーを食べます。

私の滞在していたお家は、完全なるオーガニック&マクロビオティックライフを実践していましたので、ルッセカットも天然酵母から自家製のものを作り、焼いていました。私が作ったのはちょっと形が崩れてる。苦笑。

そしてマクロビ仕様のペッパーカーカは子供達と一緒に焼き上げました。甘味料としてのお砂糖は使わないので、マルトと呼ばれる麦飴を使います。

右奥に見えるのは、オーガニックコーンで作ったポップコーン。

北欧といえば、やっぱり黒パン!

スウェーデンでは、スウェーデン独特の、コクがあって、ほのかに甘くの黒いパンがあります。ドイツパンのようにたくさんの穀類が入って薄くスライスして食べるものもありますし、写真の奥のような丸い黒パンも。

これは、前回ご紹介した「ローゼンダール」の黒パンとパウンドケーキ。どちらも美味しくてあっという間に食べちゃいます。

オーガニックの小麦で作られる、ローゼンダールの「BUTIKEN」のパンとケーキはどれも素朴。でも、とても美味しくて、毎日食べたいくらい。パンだけを買いにいらっしゃる人々もよく見かけました。

他には、カルダモン入りやサフラン入りのパンやケーキが多いかな。もちろんシナモンロールもあります。ケーキはつい厚めに切ってほしくなって、「もうちょっと、もうちょっと」と、どんどん厚くなっちゃう。グラム売りなのでお好きな厚みをオーダーして大丈夫です。笑。

オーガニックの材料で作られる美味しいカフェメニュー

ローゼンダールのカフェで、私のお気に入りだったスープ&パンのセット。食事メニューはいくつかあり、オープンサンドやサーモンのグリルなども。スープセットには黒パンや穀類がたっぷり入ったパンが2〜3枚ついてきて、どのパンも美味しい。焼き菓子もいつも注文。この時はカルダモンのケーキかな。

絵になる! スウェーデンの野菜事情

北欧では日本では見かけないお野菜もたくさん。例えば、セロリの香りがする人参を白く丸くしたようなセロリアックや、パセリの香りのするルートパセリ、ビーツは縞模様や黄色いものなどなど、たくさんの品種があります。

そして黄色いカブ、黒ダイコン、ケールなど、他にも色々。ルチア祭の夜のお料理は私にまかされていたので、「光」にちなんで、黄色いカブやお豆を使った黄金色のスープを作りました。

大好きになったルートパセリやセロリアックを日本に帰ってから自分の菜園で作ってみましたがなかなか上手くいかず。最近は珍しい野菜を作る方が日本にもいらっしゃるので、また北欧らしい料理をしたいなぁと思っています。

クリスマスイブとスウェーデンの伝統料理

クリスマスイブは、家族や親しい友人たちと食卓を囲み、ゆったりと遅くまで楽しい時間を過ごします。伝統のお料理というと、「ヤンソンさんの誘惑」。これは日本でも有名ですね。ジャガイモとアンチョビのグラタンのことです。それに、サーモンのマリネ、ニシンの酢漬け、茹でたジャガイモ、ソーセージなどが中心。

私の滞在先のお家では、これらのお料理を全て手作りするので、イブの数日前からお料理の仕込みで夜な夜な大忙し。

スウェーデンではスーパーや専門店でも今や養殖のお魚がほとんど。そこで我が家のママはワイルドフィッシュと言って、川から自然の鮭を一本釣りするフィッシャーマンから鮭を買って届けてもらっていました。すごい〜!

それを塩とマルトと山のようなディルで重ねて漬けていきます。ニシンの酢漬けも同じく。ノーマルな酢漬け、マスタード漬け、クリーム漬けの3種類を作りました。大きな鮭が3本もやってきたので、手間は大変でしたが、味はどれも絶品!

お魚本来の脂は、スッキリしているんだなぁとも実感。他の食材と同じですね。その食材の味と思っていたものが違う要素から来ている匂いだったり、食感だったりするのをオーガニックフードやマクロビオティックを学んで実践してから、よりくわしく知るようになりました。


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今回、3回にわたってご紹介したスウェーデンのクリスマス。書きながら、北欧での暮らしについてお話したいことがたくさん出てきました。北欧の暮らしと大好きな植物やアンティークも含めて、またお伝えできたら嬉しいです。

PHOTO・取材・文:長谷川美菜(le jardin du hérisson)

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