住んでみたら臭いが…中古マンション購入前に知っておきたい配管のこと

リノベーション済みの中古マンションなら、大体の設備は整っている!?表には見えにくい箇所が住み始めてからのトラブルや不満につながることは少なくありません。実は暮らしに密接に関わってくる配管について、交換や費用、事前チェックのポイントについて考えます。

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1. 意外と気にしていない配管のこと

C子:
私の周りには中古マンションに暮らすリノベ組家族が何組かいるんですが、実を言うととても喜んでいる家族と、後悔しているという家族がいるんです。

アドバイザー:
それは気になるお話ですね。原因が何かわかりますか?

C子:
「はいかん」がどうのこうのって……。「はいかん」って水道のあの配管のこと、ですよね?

アドバイザー:
なるほど! 中古マンションの配管は、注意したいポイントがたくさんあるんですがあまり気にしていない方も多いんですよ。

C子:
ぜひ教えてください! そもそもリノベーションする時って配管に関してはどういう扱いになっているものなんですか?

アドバイザー:
マンションの配管には、給水にかかわる給水管・給湯管と、排水にかかわる雑排水管・汚水管、そしてガス管があります。

C子:
そういう配管ってすべてマンション側が管理しているものじゃないんですか?

アドバイザー:
マンション内には所有者が単独で所有する専有部分と、それ以外の共用部分があるのですが、配管の中でも給湯管は専有部分、その他は共用部分と専有部分の両方に通っているとされています。専有部分は、自己負担になるのが基本ですが、売買契約の内容によってその中身は異なります。

C子:
それ、詳しく知りたいです。

2. ショック!住み始めたら配管が臭うなんて

アドバイザー:
「瑕疵担保責任」の意味はご存知ですか?購入者が引き渡し後に住み始めてから重大な欠陥があることが発覚した場合に、売主に損害賠償を請求できる制度です。

C子:
つまり、契約時にその項目をしっかり確認しておかなくてはということですね。

アドバイザー:
その通りです。対象期間が決まっているなど一定の条件がある場合もありますから、くわしく確認したいですね。

C子:
それにしても、トラブルのある、なしはどんなことが原因で生じてくるのでしょうか。住み始めたら配管の臭いが気になったという話も聞いたことがあるんです。

アドバイザー:
配管の腐食が原因でさびや漏水などを起こし悪臭につながる例もあるようです。マンションに使用されている主な管種を見てみましょう。

C子:
素材が金属と非金属があってさびの度合いが異なるんですね。

アドバイザー:
「水道用亜鉛めっき鋼管」はさびやすい素材のため、現在では上水道配管には使用できなくなっています。最も多く使用されているのが「硬質塩化ビニルライニング鋼管」です。耐久性の高い「ステンレス鋼管」を採用するマンションも増えています。

C子:
さびにくいより、さびない方がいいですよね…。

アドバイザー:
そうですね。リフォームやリノベーションで専有部分の配管を交換するなら、さびない樹脂製の管種、非金属管にすることがおすすめです。

3. 配管交換するならリノベーションのタイミングを逃すな

C子:
リノベーションの時に、配管も交換してください!とリクエストすれば安心と考えていいのかなぁ。そもそもリノベーション済みの物件はすべてリニューアルされている印象でした。

アドバイザー:
中古を買ってスケルトン・リノベーションする場合はリクエストで安心ですね。一方で、コストを抑えたリフォーム並みのリノベーションの場合は表面の見えるところだけを改修する工事が多いので確認が必要です。

また、リノベーション済み物件は、配管交換はされていないケースも少なくありません。販売会社や売主におたずねいただくことが大事ですが、マンションの配管構造によって難易度も異なります。下の図を見てください。

床スラブ(構造躯体コンクリート)の上に配管が通っている「床スラブ上配管」と、床スラブを貫通している「床スラブ貫通配管」があり、後者の場合、交換の工事が大掛かりになります。

C子:
配管が共用部分に掛かっているからということ?

アドバイザー:
その通りです。この場合、交換はせずに高圧洗浄のみでのメンテナンスというケースも多いです。

C子:
逆に「床スラブ上配管」なら自由に交換できるということか。

アドバイザー:
配管は必ず寿命が来ることを考え、リフォームやリノベーションのタイミングで交換するのがやはりおすすめです。

4. 後回しにすると高くつく!? 配管交換の費用

C子:
と、なると気になるのはやはり予算のことですね。配管交換にかかる費用ってどのくらいと考えればいいんでしょうか。

アドバイザー:
交換費用は30万円程度が目安です。また工事には、床や壁の解体、それを直すための大工工事、内装工事がかかりますので、トータルでは50万~100万円程度が目安です。

C子:
それなりにかかりますね……。でも問題が生じてから、例えばリノベーションした後に悪臭が気になって慌てて配管工事するとなったらもっと高くつくというわけだ。

アドバイザー:
そう考えるのが賢明です。だからこそ、リフォーム・リノベーション時に配管についての確認をしておくことが大事なのです。

5. 築年数より気にするべきポイントとは

C子:
そうか、リノベ組の評価の違いはこういう理由と違いがあったわけだ。なんだか当たりはずれがある賭けみたいにも思えちゃうけど……。やはり築年数の問題なのかな。

アドバイザー:
物件探しをするときに、築年数を参考にする方は多いですが、築浅が有利、古いマンションが古い配管とは限りませんので、冷静に見分けていきたいですね。

C子:
見分けるポイント、ぜひ教えてください。

アドバイザー:
ポイントは次の3つです。

1. 点検口があるorない
2. 修繕計画と修繕履歴があるorない
3. 管理状況に透明性があるorない
まずは点検口の有無です。点検イコール、チェックを怠らず長持ちする建物にするという意識の表れです。ない場合は、リノベーション時に配管交換を必須にしているなどの条件がある場合もありますので、よく確認してください。

次に修繕計画の有無です。建物は建てたら終わりではありません。長期・短期の修繕計画が開示されているかの確認が必要です。

C子:
修繕履歴というのは?

アドバイザー:
その名の通り、計画通り修繕が適切に行われたかどうかの確認です。計画書はあるのに、修繕した形跡がないようなら、適切なメンテナンスが行われていないことになります。

そして管理状況の確認です。適切なメンテナンスが行われていれば建物の寿命は延びることにつながり、逆にどれだけ最新のマンションであってもメンテナンスがしっかりしていなければマンション寿命を縮めてしまうかもしれません。管理状況を透明にしていることは、建物と売主への信頼につながります。

C子:
予算を考えると、すぐに必要じゃないことに対しては、その時が来たらでもいいなんて考えてしまいがちだけど、配管に関しては特に後回しにしないほうがいいですね。

アドバイザー:
そうですね。どうしても配管となると家作りでは見えない裏側の部分として意識が薄れがちになってしまうかもしれません。しかし、配管の不具合は毎日の暮らしにダイレクトに影響を及ぼす部分です。

C子:
本当に……。蛇口をひねるたびに臭いを気にするような生活は心にも体にも悪いし、まだまだ子どもも小さいので、安心安全な暮らしを最優先したいですから。

アドバイザー:
リノベ経験のある方々の感想が配管に注目するきっかけになってよかったですね。

C子:
はい、しっかりチェック項目に加えておきます。ありがとうございました。

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6. まとめ

中古マンションのリフォームやリノベーションを考える時、耐久性や耐震設備、防火設備など、建物について事前チェックするのは住まい手にとって当たり前のこと。しかし、その中で意外と見落とされがちなのが配管に関するチェックです。

専有部分については、リノベーションのタイミングで配管交換することで、不具合が起きてからの追加工事をするなどのトラブルを避けられます。また、建物全体の配管設備にも目を向けることが必要です。

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