映画『終わった人』黒木瞳さんLIMIA独占インタビュー

人気脚本家、内館牧子さんのベストセラー小説『終わった人』が、舘ひろしさん &黒木瞳さんの名優コンビでスクリーンに登場! 約20年ぶり、4度目の共演となるお二人が本作で演じるのは“こじれた夫婦”……!? 

今回は、主人公の妻を演じる黒木瞳さんに、気になる作品の見どころから、スタイル維持の秘訣や得意料理まで、たっぷりとお話を伺います。

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———— 原作は内館牧子さんのベストセラー小説ですが、初めて作品に触れたときの印象は?


まず、『終わった人』というタイトルが面白いと思いました。中には「ネガティブなタイトル」と捉える方もいるかもしれませんが、私は「ギャグ」だなって(笑)。最初にタイトルを見たときから、この映画はきっとコメディタッチの人間ドラマに仕上がるだろうなとイメージしていました。


———— 本作のメガホンをとったのが、ホラー作品で有名な中田秀夫監督ということで、(今回はホラーではなくコメディですが)定年を迎えた夫と、その妻のサバ イバルという点では、「これもれっきとした“夫婦のホラー話”かもしれない」と黒木さんはコメントされていました。実際に演じてみて、どのような部分でとくにそう感じましたか?


舘さん演じる壮介は、定年を迎えたあと、新たな自分の生き方探しに迷走するわけですが、やはり人生には落とし穴があって……。目の前にあるどの道を選ぶかによって、その人の運命はかなり変わってくると思います。そうした、人生の選択における「危うさ」がまるでホラーだなと感じました。

———— 中田監督は、壮介と千草のリアルな夫婦関係に重きをおいて撮影されたとい うことですが、どのような演出がありましたか?


あるシーンの撮影を終えて演技を振り返ってみたときに、壮介に対する千草の態度が冷たすぎたのではないかと気にかかりました。夫婦は喧嘩をすることもあるけれど、やはり目に見えない絆で繋がっているわけだから、もう少し優しくしてあげてもよかったのかなって。

それを監督に相談したら、「僕もちょうどそう思っていたんです! 」と意見がぴったりと合って、そのシーンをもう一度撮り直したことがありました。本当にちょっとしたことなのですが、細部にまでこだわって演出をすることによって、熟年夫婦の関係性がよりリアルに描けるのだと思います。

———— 壮介の定年後、心配なく暮らしていけるように貯金をして、今度は自分が養うくらいの気持ちをもって働く千草の姿勢は、スマートでかっこいいですよね。


きっと千草は、そうせざるを得なかったのだと私は捉えています。夫が会社勤めであれば、いつか必ず定年を迎える日がやってくる。そのときに、自分ができること、支えてあげられることをきちんと考え、行動している女性だと思います。

逆に言えば、彼女の中にどこか臆病な部分があるからこそ、堅実な計画を立てているのかも……。


———— 壮介に対する千草の言動に、思わず自らの姿を重ねてしまうという女性も多いのではないでしょうか。黒木さんは、千草という人物をどのように捉えていますか?


私自身、千草の人物像をイメージしたときに、彼女からなぜこういう台詞が出てくるのか、とても理解しやすかったんです。だから、結婚されている女性の方には受け入れやすい役柄と言えるかもしれませんね。面白いのが、舘さんは千草のことを「クール」とおっしゃるんです。男性的にはクールに見えるのかもしれませんが、女性からすると決してそうは見えないはず……。やはり、男と女は違う生き物で、それぞれの捉え方も違っているのだなと改めて感じました。

———— 千草を演じるうえで、工夫した部分を教えてください。


何より、壮介と千草が、長年連れ添った夫婦に見えれば良いなと思いました。本作では描かれていない、二人の出会い、結婚、出産……。これまで、田代夫妻が人生のさまざまな時間を共有してきたというイメージが自ずと湧くような、熟年夫婦の空気感を意識して演じました。


———— 舘さんとは本作が約20年ぶり、4度目の共演になりますが、今回、一筋縄で はいかない“こじれた夫婦”を演じてみていかがでしたか?


舘さんと初めて共演したのは私が20代の頃ですが、出会った頃から変わらず、とても愛らしい方ですね。千草としては、壮介に腹が立つこともいろいろありましたが(笑)、撮影現場の雰囲気もとても穏やかで、楽しく撮影することができました。

———— 撮影を終えたいま、改めて振り返ってみて『終わった人』というタイトルには、どのようなメッセージが込められていると思いますか?

やはり「人生は終わらない」というメッセージではないでしょうか。映画を観る方にも、そうしたポジティブなエネルギーを感じていただけると嬉しいです。

———— 年齢を重ねても、美しさをキープし続ける黒木さんは女性たちの憧れです。スタイル維持のために心がけていることはありますか?


仕事の合間やメイク時間に、バランスボールに乗って体幹を鍛えています。背筋がまっすぐに伸びて姿勢も良くなるんですよ。あとは、ときどきタップダンスやラジオ体操をしています。

———— 普段のリラックスタイムの過ごし方を教えてください。


なにも他のことを考えず、没頭することができるのは料理とゴルフかな。得意料理はタンシチューです。ポイントは、最初にタンを野菜と一緒に3時間ほどじっくり煮込んで柔らかくしてから、特製ソースと合わせてさらに煮込むこと。計4〜5時間煮込むので、その間に台本を読んだりしています。

———— 最近、作った中でとくに美味しかった料理は何ですか?


チーズタッカルビ! 韓国で食べてすっかりハマって、家でも作ってみたいと思っていたんです。鶏肉とキャベツにタレを絡めて焼いて、その上にチーズをのせるだけの簡単メニューですが、家族にも美味しいと好評でした。

———— 最後に、LIMIAユーザーにメッセージをお願いします!


なかなか複雑な夫婦関係を描いた作品なので、皆さんの目にどのように映るのか 逆に気になります……。LIMIAの女性ユーザーの皆さんにとって、夫の定年というのは、まだまだ先の未来の話に感じられるかもしれません。しかし、そのときはいつか必ずやってきます。この作品には、夫婦関係をはじめ、さまざまな人生のあり方が描かれているので、そこから将来の人生設計のヒントになるようなメッセージを受け取っていただけると嬉しいです。

映画『終わった人』作品詳細

【STORY】
趣味なし、夢なし、仕事なし!そして、わが家に居場所なし……。

定年を迎え、朝起きてから夜寝るまで何もやることがなく、世間から“終わった人”と思われるようになった主人公・田代壮介(舘ひろし)。妻・千草(黒木瞳)や娘からは「恋でもしたら?」とからかわれ、「このままではマズイ」と感じ、職探しをしたりジムに通ったりと奮闘するも、全く上手くいかない。しかし、ある時【人生の転機】が訪れ世界が一変!“終わった人”としての人生は、思いもよらぬ出来事の連続だった!?

【出演】
舘 ひろし 黒木 瞳
広末涼子 臼田あさ美 今井 翼
ベンガル 清水ミチコ 温水洋一 / 高畑淳子 岩崎加根子 渡辺 哲
田口トモロヲ  笹野高史

【監督】中田秀夫
【原作】内館牧子「終わった人」(講談社文庫)
【配給】東映

(C)2018「終わった人」製作委員会

インタビュー・文=中山理佐
撮影=細谷聡

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