プロパンガスの料金ってなぜこんなに高いの?その理由と値下げ交渉のコツを教えます

一般的に、都市ガスと比較するとプロパンガスの料金は高いと言われています。事実、都市ガス利用の集合住宅からプロパンガス利用の住宅に引っ越した方などは料金の違いに驚くかもしれません。ガスの品質や使い勝手に特に差がないにもかかわらず、都市ガスとプロパンガスではなぜこれほど料金に差があるのでしょうか。今回は、プロパンガス利用でかかる料金が都市ガスよりも高くなってしまうその理由と、プロパンガスの料金を安くするコツをご紹介します。

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プロパンガスが都市ガスより高い理由3つ

まず、なぜプロパンガスの料金は高くなるのかをご説明しましょう。プロパンガスが高くなる主な理由としては、以下の3つが挙げられます。

【1.ガス会社各社が自由に料金を設定している】
スーパーで食料品を購入するときには、同じメーカーの同じ商品であっても店舗によって価格が異なります。これは、それぞれのお店が価格の設定を独自で行えるためです。

その一方で、都市ガスの料金は電気料金や水道料金と同様の「公共料金」とみなされるため、業者単位で独自の価格設定が行えません。公共料金は価格の制定や改正に国や地方自治体の認可を経る必要があるため、業者の一存で大きく価格を変動させたり、他の業者と比較して著しい価格差を設けたりすることはできないのです。

また、1地域あたり1つの業者しかサービスを行えないため、市場間競争も発生しません。そのため、公共料金である都市ガスはその価格も低い水準に抑えられています。

プロパンガス料金の市場原理は、実は後者の公共料金ではなく前者のスーパーで販売される商品の価格設定の例に準じています。公共料金のような認可制ではないため業者も同じ地域に多数存在しています。その状況下で各ガス会社が自由に価格設定を行っているため、頻繁な価格変動が発生しやすく都市ガスよりも料金設定が高くなる傾向にあるのです。

【2.商品やサービスの特徴・性質を差別化できない】
ガスは食料品や日用品、工業製品などのようにメーカーや商品ごとにその性質や機能で差別化を行えません。一般の商品が流通する市場では価格競争を行って顧客の奪い合いが発生することは自明ですが、商品やサービス自体を差別化できないプロパンガス業界で価格競争が発生すれば各業者が共倒れしてしまう危険性もあります。そのため、業界全体で価格の維持に努めて共存を図ることが避けられないのです。

つまり、プロパンガス業界全体に「料金の高値維持」という暗黙のルールが存在するため、どの業者も積極的な価格競争に打って出られない市場構造が築かれていると考えていいでしょう。

【3.設備費用が料金に組み込まれている】
都市ガスの設備は住居を建築する人が支払って設置しますが、プロパンガスの場合はガス会社の負担で設置が行われるケースが大部分です。そのため、プロパンガスの毎月の料金にはその設備コストが実質含まれていると考えられます。

もちろん、設備を長年使用して修繕の必要が出た場合にもガス会社が修繕しますから、その費用も含めて消費者は毎月高額なガス料金を支払うことになるのです。とはいえ決して明朗会計とは言い難い料金の仕組みが長年横行しているとも言えますから、納得できない方が多いのも仕方ありませんね。

プロパンガスの料金を安くするにはどうしたらいいの?

ご自宅が一戸建て住宅でプロパンガスの料金の高さにお悩みであれば、以下の対策を段階的に試してみる方法がおすすめです。

【1.ガスを使用しない家内設備に切り替える】
長期的なコストを考えて、プロパンガスに依存していた家内設備のエネルギー源を思い切って転換することも考えてみましょう。たとえば、給湯や調理・冷暖房などを電化してさらに太陽光発電をプラスするなどすれば、初期コストはかかるものの何十年と暮らしていくことを考慮すればかなり光熱費をお得にできるかもしれません。

【2.ガス会社に料金の値下げ交渉を行う】
一戸建て住宅に暮らす方なら、ガス会社の選択は自由に行えます。ガス会社ごとの料金を比較してご自宅が契約している会社の料金が高いと感じたなら、他社への乗り換えを切り口に値下げ交渉を図るという手もあるでしょう。この場合は、現在備え付けられているガス機器などがガス会社の所有であれば乗り換え時に違約金が発生する可能性もあるため、事前に確認が必要です。

【3.ガス会社を切り替える】
値下げ交渉が上手くいかなければ、思い切ってガス会社を切り替えることも意外に難しくありません。もちろん契約手続きや工事などの手間はかかりますが、長期的に見てお得と考えられれば実行の余地はあるかもしれません。

アパートではプロパンガス料金を安くできないの?

「アパート住まいでプロパンガス利用だと、ガス会社の乗り換えができないため料金を安くできない」とはよく言われます。確かに、アパートの場合は大家さんが1軒単位でガス会社と契約しているケースが多く、入居者単位でのガス会社変更は難しいことが多いでしょう。アパート住まいでプロパンガス料金の高さにお悩みであれば、以下のような価格対策の方法があります。

【1.大家さんに相談してガス会社の変更を提案する】
もし、あなた以外にも複数の入居者さんがガス料金に関するお悩みを抱えているなら、アパート1軒単位でガス会社を変更してもらえるよう交渉を行ってみましょう。設備が古くなっているタイミングなどであれば、了承してもらえることも難しくないかもしれません。

【2.都市ガスなど安い料金でガスを利用できる物件に引っ越す】
単純に、ガス料金が今よりも安い部屋に転居してしまうという選択肢もあります。もちろんガス料金だけの理由ではなく、お住まいのアパートに他の不満点などもあるようなら引っ越しを計画することも一案でしょう。

まとめ

こちらの記事では、プロパンガスの料金が高い理由や今よりもガス料金を安くするコツについてご紹介しました。実は、プロパンガスの料金が高い理由として「消費者がプロパンガス料金も公共料金の一部だと思い込み、価格に無関心なため業者が強気に出られる」ことを挙げる人もいます。本来プロパンガスは都市ガスとは異なり、一般的な市場原理で業者が価格を決定できる商品なのです。これを契機にプロパンガスの価格に影響する複雑な事情をきちんと知り、ご自宅のガス料金についてよりシビアに考えてみるのもいいでしょう。

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