再生可能エネルギーはどちらが優秀?太陽発電と地熱発電を徹底比較!
太陽光発電と同じく「再生可能エネルギー」として注目されている地熱発電ですが、地熱発電自体の知名度はあまり高くありません。実際に地熱発電をおこなっている施設は少ないのが現状です。しかし地熱発電は、さまざまなメリットがある発電方法です。この記事では地熱発電について、身近な太陽光発電と比べながらわかりやすく解説しましょう。
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発電効率は地熱発電が有利
地熱発電は、太陽光発電と同じく「再生可能エネルギー」の1つに挙げられます。地熱は自然に存在するエネルギーのため、石油や石炭などの資源を必要とする燃料と違い、半永久的に利用することが可能です。また発電の際になにかを燃やすわけでもないため、環境にも優しいといえます。エネルギー供給も安定しており、発電効率が高いことも特徴です。
発電効率とは、どれくらい安定した発電がおこなえるかというものです。例えば太陽光発電は、太陽が出ている間は発電をおこなうことができますが、夜や天候が悪い日は発電がおこなえません。日本地熱学会の研究によると、太陽光発電の設備利用率は12%程度だといわれています。
一方、地熱発電は昼夜関係なく熱エネルギーを取り出すことが可能です。そのため設備利用率は約80%と非常に高く、効率的に電気を生み出すことができます。
導入は太陽光発電の方が手軽
地熱発電は発電効率の良さが魅力ですが、太陽光発電などほかの発電システムと比べる導入コストや設置場所の面でやや問題が残ります。
【導入コストの大きい地熱発電】
導入コストについては、地熱発電の場合あまり良くありません。地熱発電をおこなう場合、事前の調査と周辺住民への説明、発掘作業と準備が大変です。調査から稼働まではおよそ10年かかるといわれ、仮に稼働しても安定供給が得られる保証はありません。
【地熱発電は場所を選ぶ】
地熱発電をおこなうためには、地中に熱源が存在する必要があります。地球上であれば基本的にどこでも、深くなるにつれ温度が上がりますが、地中を掘るためにはコストがかかるのが実情です。したがって現実的に地熱発電がおこなえるのは、地中の比較的浅い場所に熱源のある場所となります。
しかも地熱地帯の候補地は、自然が豊かで温泉の多い観光地が中心です。そのため、大規模な発電所を建設しようとする場合、少なからず自然を破壊し景観を損ねることになります。また周辺の温泉施設への影響も懸念されるため、十分な説明が必要です。
このようなことから、地熱発電はコストパフォーマンスが悪いといわれています。コストパフォーマンス以外にも、システムの導入場所が限られるなど課題が多く、日本では新規立地がなかなか進んでいないのが現状です。
【個人レベルで設置できる太陽光発電がはるかに手軽】
一方太陽光発電は、個人レベルで設置ができます。導入コストはかかりますが、一般家庭にも普及してきていることを考えると、地熱発電に比べてかなり手軽といえるでしょう。また太陽光発電は地中を掘る必要もなく、設置場所も比較的自由です。場所を気にしなくて済むことも、一般家庭に広く普及した理由といえます。
【比較的導入しやすいバイナリー発電】
大規模な掘削が必要になる地熱発電と太陽光発電を比べると、太陽光発電が導入しやすいのは明白です。しかし近年ではより導入しやすい「バイナリー」という地熱発電の方法も出てきました。
バイナリー発電とは、沸点の低い媒体(アンモニアやペンタン)を利用することにより、比較的低い温度の熱源で発電する方法です。以前までは、温度の低い熱水は発電に利用することができませんでした。しかしバイナリー発電ならそれが可能となります。
バイナリ―発電はすでに地熱発電の2次利用にも使われており、掘削コストも抑えられ、比較的小規模な施設でも利用可能です。また、温泉施設への懸念もなくお互いにメリットがあるため、「温泉バイナリー」として導入が進められています。
地熱発電と太陽光発電の助成金
最後に、政府が実施しているそれぞれの補助金制度について紹介しましょう。
【地熱発電の補助金制度】
地熱発電に伴う調査や開発をおこなう事業者には、国からの助成金が出ます。現在は制度の統合がおこなわれ「地熱発電所調査井掘削費等補助事業」と「地熱発電開発費補助事業」の2つが実施されています。補助率は目的により異なりますが、地熱発電所調査井掘削費等補助事業では50%以内の補助、地熱発電開発費補助事業には20%以内(バイナリー発電は30%以内)の補助をおこなっています。
【太陽光発電の補助金制度】
太陽光発電を導入する場合、それぞれの自治体から助成金や補助金が出る可能性があります。補助率や条件は各自治体によって変わるため、自分が設置を検討している地方自治体のホームページなどを確認しましょう。こうした補助金の案内は販売施工会社でおこなってくれる場合もあります。
まとめ
地熱発電と太陽光発電では、発電効率の面で地熱発電、導入コストの面で太陽光発電が有利となっています。環境に優しく、輸入資源に頼らない発電は、今後増やしていくことが望ましいといえます。将来的には、技術の発展により導入コストの低下も期待できるため、地熱発電についてももっと身近な存在になっていくかもしれません。
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