厚生年金「平均14万円」の注意点3つ【年金受給額】収入による格差も確認を

この6月から支給される「年金」ですが、前年から0.4%の減額が決まっています。今回は、厚生年金について受給額や注意するべきポイントを確認することで、年金に対する不安を解消していきたいと思います。

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【年金】6月支払い分より0.4%減額へ

6月に入ると梅雨の季節となり、スッキリしない日が続くでしょう。

スッキリしないといえば、この6月から支給される「年金」ですが、前年度から0.4%の減額が決まっています。

ガソリンなど値上げのニュースが続く一方で、年金は減額されていると聞くとスッキリしないどころか、不安を感じる方が多いのではないでしょうか。

そこで今回は、厚生年金について受給額や注意するべきポイントを確認することで、年金に対する不安を解消していきたいと思います。

【関連記事】【年金一覧表】「60歳~90歳以上」みんなの受給額を1歳刻みで考察

【画像】厚生年金の月の受給額を1万円ごとに確認(出典:厚生労働省)

1. 日本の公的年金(国民年金・厚生年金)制度とは

まずは年金制度の基本から確認をします。

日本の公的年金は、国民年金と厚生年金の2階建ての制度となっています。

1階部分の国民年金は、国内に住む20歳から60歳までの方に加入義務があります。毎月の保険料は全員一律で「学生、自営業者、会社員や公務員の被扶養配偶者」などが国民年金に該当します。

国民年金は480月(40年)の支払いで満額支給となり、未納月はマイナス調整されます。そのため、少しでも多く受け取るためには加入月数が重要でしょう。

参考までに今年度の満額支給は、前年度と比べて0.4%引き下げのため「6万4816円」となっています。

続いて2階部分の厚生年金ですが、お勤めの形態と期間によって支払い義務が発生します。保険料は給料天引きされ、保険料は収入によって異なります。

支払った保険料が多いほど受け取り額が多くなるため、支払い期間だけではなく、收入も重要です。

2. 平均額の注意点1. 厚生年金には国民年金も含まれている

では実際に、厚生年金の平均月額がどの程度なのかを確認してみましょう。

厚生労働省の「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の平均月額は14万4366円です。このため、厚生年金の平均額は月約14万円と言われます。

厚生年金の平均額は14万円なのですが、注意するべきポイントがあります。

実はこの平均値の中には「国民年金」の金額も含まれています。国民年金の平均月額は5万6252円ですから、厚生年金単体では約8~9万円の支給といえます。

厚生年金の平均に国民年金が追加で支給されるわけではないので、注意が必要です。

3. 平均額の注意点2.受給額のバラつき

続いて、厚生年金の受給額について深掘りしていきます。厚生年金の受給額を人数ごとに確認すると以下の通りです。

出典:厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

3.1 厚生年金月額階級別の老齢年金受給者数

1万円未満:10万511人

1万円以上~2万円未満:1万8955人

2万円以上~3万円未満:6万6662人

3万円以上~4万円未満:11万9711人

4万円以上~5万円未満:12万5655人

5万円以上~6万円未満:17万627人

6万円以上~7万円未満:40万1175人

7万円以上~8万円未満:69万4015人

8万円以上~9万円未満:93万4792人

9万円以上~10万円未満:112万5260人

10万円以上~11万円未満:111万9158人

11万円以上~12万円未満:101万8423人

12万円以上~13万円未満:92万6094人

13万円以上~14万円未満:89万7027人

14万円以上~15万円未満:91万3347人

15万円以上~16万円未満:94万5950人

16万円以上~17万円未満:99万4107人

17万円以上~18万円未満:102万4472人

18万円以上~19万円未満:99万4193人

19万円以上~20万円未満:91万6505人

20万円以上~21万円未満:78万1979人

21万円以上~22万円未満:60万7141人

22万円以上~23万円未満:42万5171人

23万円以上~24万円未満:28万9599人

24万円以上~25万円未満:19万4014人

25万円以上~26万円未満:12万3614人

26万円以上~27万円未満:7万6292人

27万円以上~28万円未満:4万5063人

28万円以上~29万円未満:2万2949人

29万円以上~30万円未満:1万951人

30万円以上~:1万6721人

9万円以上~10万円未満を受け取っている方が最も多いことがわかります。全体の平均値では約14万円ですから平均よりも受給額の低い方が多いことが分かりますね。

このように、収入によって受給額に大きなバラつきが出るため注意が必要です。

4. 平均額の注意点3.男女の年金額の格差

さらに注意したいのが男女差です。

4.1 厚生年金の男女別・平均受給額

男性の平均年金月額:16万4742円

女性の平均年金月額:10万3808円

男女の平均額にも約6万円の差額が確認出来ます。月に6万円だと1年で72万円、20年で1440万円とかなり大きく差が出ます。これは結婚や育児など厚生年金の加入期間が大きく影響しています。

このように厚生年金は収入以外にも、勤務期間が大きく影響することに注意が必要です。

5. 公的年金だけで安心と言えない今、できること

厚生年金の平均額を参考に受給額の個人差について確認しました。平均月額では約14万円でしたが、男女差や収入格差などで実際の受給額には大きなバラつきがあります。

そのため平均額だけで判断するのではなく、ねんきん定期便などでご自身の受給額をしっかり把握することが重要でしょう。ご自身の受給予定額を見て、少ないと感じる場合には対策や準備をおすすめします。

低金利の時代ですから、資産運用などを検討するのが良いでしょう。もちろんリスクもあるため慎重な判断が必要になります。

話題の積立投資など、コツコツ積立てることでリスクを抑えるなどさまざまな方法が準備されています。ご自身にあった対策を選ぶことが重要ですから、現状把握や情報収集から始めてみましょう。

準備は早い方が選択肢も増えるため、今回がそのキッカケになれば幸いです。

参考資料

日本年金機構「令和4年4月分からの年金額等について」

厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

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