
【専門家監修】住宅ローンに火災保険は必須!金融機関も納得する火災保険の選び方
夢のマイホームやセカンドハウスを購入するのに、住宅ローンを利用する方は多いと思います。ここ十数年は低金利時代といわれ、ローンを利用しやすい環境が続いています。住宅ローンを組む場合、ほとんどの金融機関は「火災保険への加入」を義務付けています。この火災保険はローンを借りる金融機関から案内される商品を契約しなければいけないのでしょうか。実は、自分で好きな商品を選んで加入することが可能です。金融機関も満足する、住宅ローンを借りる場合に最適な火災保険の選び方について解説していきます。
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住宅ローンと火災保険の関係とは
前述の通り、住宅ローンを組む場合には、火災保険への加入が基本的に必須となります。火災保険に加入しない場合は、住宅ローンを融資することができません。
火災保険加入が融資条件になる理由は、火災による物件の焼失などトラブルが起きたとしても、住宅ローンが継続して返済されるようにするためです。
もし自宅が火事で焼けてなくなってしまったら、別の物件を借りなければなりません。また、焼けた物件や家財の後始末、必要な家財の再購入など、お金がとてもかかってしまいます。果たして、住宅ローンの返済にまで手が回るでしょうか?
金融機関は、貸したお金が返ってこないこと、いわゆる「貸し倒れ」を嫌います。そのため、火災保険への加入を義務付けて万が一の際には保険金を受け取ることで、ローンを借りた顧客の経済力を回復させるようにしているのです。
火災保険への質権設定とは
従来多かったのが、金融機関が火災保険に質権設定することです。この質権設定は、火災などで保険金が下りた際に、保険金を金融機関が貸した住宅ローンに優先して充当し、住宅ローンが優先的に返済されるために行われていました。
ただし最近は、住宅ローンを優先的に返済することにより利息の取りはぐれが発生することや、火災保険の保険金だけでは住宅ローンの完済が難しいことなどから、質権設定されることはほとんどなくなりました。
もし金融機関に質権設定を求められ、質権設定を避けたい場合は、他の金融機関でローンを借りれば良いでしょう。
銀行指定の火災保険は本当にお得?
住宅ローンを借りる際、金融機関から「この火災保険に加入してください」と火災保険を指定されることがあります。しかし、必ずしも指定の火災保険に入る義務はありません。
金融機関が指定する火災保険の中には、価格的にお得ではない商品もあります。なぜなら金融機関は、火災保険を斡旋することで、提携する保険会社から手数料を受け取っているからです。
とはいえ、金融機関の勧める火災保険が悪いわけではありません。自分で火災保険を探す手間を省けるというメリットもありますので、多忙で時間がない方は金融機関の指定するものを契約すれば良いでしょう。
ですが、もし「この火災保険は高額なのでは?」「補償内容を自分で選びたい」と思ったら、ご自分で火災保険を探して加入することをおすすめします。
火災保険で節約する方法
火災保険で節約するには、不要な補償内容を省ける商品に加入することです。火災保険で補償される代表的な内容は、以下の通りです。
火災保険で補償される代表的なもの
・火災・破裂・爆発・落雷(基本補償内容)
・風災・ひょう災・雪災
・水災
・盗難、盗難に伴う汚損
・水濡れ
・物体の落下、飛来、衝突など
・破壊・汚損
地震保険によって補償されるもの
・地震・噴火、これらによる津波
上記の補償内容をすべて包括している火災保険に加入すると、保険料は高くなります。しかし、基本補償内容である「火災・破裂・爆発・落雷」に加えて、必要な補償内容を選べる火災保険に入れば、保険料を抑えることが可能です。
金融機関から指定される火災保険の条件とは
自分で選んだ火災保険が金融機関に認められるためには、金融機関が必須としている条件に当てはまる必要があります。
金融機関が必須としている条件は以下のような内容です。金融機関はローンの融資日までに、火災保険申込書コピーや払い込んだ領収書などのコピーを提出してもらい、条件をクリアしているか確認します。条件の詳細は、ローンを組む金融機関に確認しましょう。
火災保険の加入時期
火災保険はその効果が有効になる日付を指定することができます。この保険有効日を住宅ローン融資前、もしくは融資時点にする必要があります。
ということは、保険加入手続きは、融資よりも前に行うことになります。一般的には、住宅ローンの融資契約(金消契約)をするタイミングで、火災保険の手続きも行っておくと良いでしょう。
火災保険の加入期間
加入期間は、住宅ローンの返済期間と同期間にするのが基本原則です。ただ、現在申し込める最長は10年間であるため、「10年間」かつ「自動更新」を選択します。自動更新は、1年ごと、10年ごとなどがありますので、好みのものを選択しましょう。
火災保険の補償対象と補償内容
「建物部分」が補償対象になっている必要があります。家財部分に対する補償は自由です。
補償内容は、基本補償内容の「火災・破裂・爆発・落雷」さえ抑えていれば問題ありません。それ以外の補償内容や地震保険への加入は、あなたの自由となります。
保険金額
トラブルが起きた際に下りる保険金額もカスタマイズできる保険があります。基本的には、保険金額は住宅の評価額と同額で設定してください。住宅ローンの金額は住宅の購入金額と同額とは限らないため、住宅ローンの金額と保険金額を同額にする必要はありません。
自分で火災保険を選ぶ際のポイント
金融機関の案内する火災保険ではなく、自分で火災保険を選ぶ際のポイントは2つあります。
1つ目は、前述の通り、金融機関が必須としている最低条件に当てはまるように保険を契約することです。もし不備がある場合は、内容を修正する手間が発生してしまいます。事前に、必要な条件を確認しておくと良いでしょう。
2つ目は、補償内容を削りすぎないことです。火災保険に加入する目的は、万が一の際に十分な保険金が下りるようにすることです。保険料を抑えることを優先しすぎて補償内容を薄くしてしまうと、いざトラブルが起きた際にほとんど保険金を受け取れず、経済的にダメージを受ける可能性があります。災害が起きやすいかどうかは、住宅のある地域や、住宅の構造によって異なります。
・地震や水害の起きやすい地域に住んでいたら、地震保険や水災補償をつける
・雪害がほとんど起きない地域に住んでいたら、風災・ひょう災・雪災は省く
など、必要に応じてご自身でカスタマイズすることをおすすめします。
金融機関も自分も納得できる火災保険を選ぼう
住宅ローンを借りる際には、火災保険への加入が必須といえます。ただし、どの火災保険に加入するかは自由に選ぶことができます。金融機関の求める必須条件と、あなたの住宅に必要な補償内容をクリアした火災保険に加入して、万が一の際に備えておきましょう。
このアイデアの監修者
金指 歩
法学部政治学科出身・元信託銀行勤務のフリーライター・ブックライター。神奈川県出身。FP3級を大学在学時に取得。金融系全般、女性のライフスタイルをテーマとした記事を中心に執筆している。
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