
生命保険を解約する方法は?保険料の抑え方も徹底解説
生命保険に加入したものの、家計の状況が変わって毎月の保険料が負担になってきた……。そんなときは、生命保険の解約を考えることもあるでしょう。確かに、万が一の事態に備えるのも大事ですが、現在の生活を楽しく豊かに送ることも大切です。生命保険の解約にデメリットはないのか、保険料支払いの負担を抑えながら必要な保障を得る方法はあるのか、将来のことも視野に入れながら考えていきましょう。
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生命保険解約のプロセスを確認しよう
まずは生命保険解約の具体的なプロセスについて確認しましょう。
1.必要な書類や印鑑を準備する
解約したい保険の保険証券を準備します。保険証券が見つからない場合は、契約内容の通知書などで「証券番号」だけでも確認できないか、調べてみましょう。あわせて本人確認書類、印鑑、銀行口座の通帳なども用意しておきます。
2.保険会社に連絡する
保険会社の担当者を通して解約の申し出をするのも1つの方法です。どうしても担当者に言いづらい事情があるなら、保険会社のコールセンターに相談する方法もあります。
「解約したい保険の証券番号」「解約したい理由」について聞かれますので、答えられるようにしておきましょう。解約返戻金がある商品の場合は、その概算金額を伝えてもらえる場合もあります。
3.保険会社から解約に必要な書類が届く
解約手続きに必要な書類に記入し、捺印して保険会社に提出します。
4.手続きが完了し、その旨の通知書が送付される
生命保険会社が解約手続きを行い、手続きが完了した旨の通知が届きます。解約返戻金がある場合は、銀行口座に振り込まれます。
以上が生命保険解約の具体的な流れです。
必要書類が届くタイミングや解約返戻金が振り込まれるまでの期間は生命保険会社ごとに異なりますので、担当者に確認しながら手続きを進めましょう。
生命保険解約のデメリットは?
生命保険を解約することの一番のデメリットは「万が一の場合の保障が受けられなくなる」ということです。生命保険を解約したとき、万一のことが起きてもご家族の生活は成り立つのかどうか、解約前に必ず検討しましょう。
解約返戻金がある商品は、契約をする時点で「保障を得られるだけでなく、解約返戻金もあるので貯蓄性も備えています」との説明を受けた人も多いでしょう。
しかし、払い込んだ保険料の総額に比べて、解約返戻金の額が下回る「元本割れ」の状態になることも多いものです。特に契約してから日が浅い時期に解約するときには、注意が必要です。
「別の保険契約を結びたくなった場合にもデメリットがある」ということも知っておきましょう。20歳の人と、30歳の人が同じ保障内容を希望した場合、30歳の人の保険料が割高になることがほとんどです。また、30歳になって健康状態が悪化していた場合には、保障範囲に制限が設けられたり、契約自体を結ぶことができなくなったりする可能性もあるのです。
生命保険を解約せず、なんとかして契約を続けることができた場合のメリットも確認しましょう。一番のメリットは「生命保険による保障が継続する」ということです。無保険の状態になって万が一のこと起こった場合、ご家族に残すことができるものは「現に所有する預貯金やその他の資産」のみになります。しかし生命保険に加入していることで、所有する資産より多くの生命保険金をご家族に残すこともできるのです。
年齢が高くなってから改めて保険に加入しようとする場合のリスク(保険料が高くなること、健康上の理由などで契約ができないことなど)も、保険契約を継続する場合には心配いりません。
もしも、
●家計が苦しく、保険料の支払いもままならない状態になっている
●自動車購入などのまとまった資金が必要だが、ローンを組むのはどうしても避けたい
などの理由があるなら、生命保険の解約もやむを得ないかもしれません。
その場合も、まずは「悩みごとを解決しながら必要な保障が得られる方法」を検討し、それでも必要がある場合なら解約に踏み切るようにしましょう。
生命保険を解約せず保障を継続する方法
生命保険を解約したいと考える理由はさまざまですが、理由によっては解約をせずに、保障を継続できる方法もあります。
●生命保険料の支払いが難しくなったとき
不要な特約をつけすぎていないか確認し、特約を解約することで保険料を抑えることができます。また払済保険に変更するという方法もあります。払済保険に変更すると、以後の保険料を支払うことなく、それまで保険会社に積み立ててきたお金をもとに保障を継続してもらうことができます(特約は解約となります)。
毎月の家計への負担感を抑えつつ保障は継続したいという場合には、特約の解約や払済保険への変更が良い方法です。
●現金が必要なとき
生命保険は継続したまま「契約者貸し付け制度」を利用する方法があります。解約返戻金がもらえるタイプの、貯蓄性がある保険に加入している人が利用できる制度です。借りられる金額は、その時点で生命保険を解約した場合に生じる解約返戻金の金額の一定割合までです。こちらは有利子での貸し付けとなります。「数カ月経てばお金が入ってくることが分かっているけれど、一時的に家計が苦しい」という場合に活用したい制度ですね。
●必要な保障そのものを見直したいとき
お子さんが経済的独立を果たしたり、家族構成に変化があった場合など、これまでのような手厚い保障が必要なくなる場合もあります。しかしこの場合、「生命保険をいったん解約して、別の生命保険に加入する」という方法が最良とは限りません。現在の契約内容を変更したり、特約を減らすという方法で対応できるかもしれないからです。
より有利な商品への契約変更をする場合でも、「解約→新規契約」という順番に手続きをしてしまうと保障が受けられない期間が生じたり、新規契約が結べないなどのリスクも考えられます。落ち着いて、リスクの少ない契約変更の手順を踏むことが大切です。
生命保険を解約する前に継続の検討も
さまざまな理由で生命保険を解約したいと思ったとき、いきなり行動を起こすのではなく、「なんとかして、保障を継続できる方法はないか?」を検討しましょう。
いったん解約をしてしまうと、後に改めて生命保険に加入したいと思ったとき、保険料が割高になったり、健康状態などを理由に契約そのものができないこともあるのです。解約せず保障を継続できる方法はないか、専門家に相談しながら検討しましょう。
プロフィール
河野陽炎
3級FP技能士資格を持つライター、コラムニストとして、生命保険や医療保険、金融、経済などの執筆実績が多い。次々と発売される商品や、改正の相次ぐ税制、法律が1人の生活者にどう影響を与えるかの視点を大切にする。
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