太陽光発電の発電量は低下することがある?その原因と対策をご紹介します

太陽光発電を導入したことがある方ならもうご存じかもしれませんが、発電量は常に一定量というわけではありません。季節や時間帯など、さまざまな要因により変動します。今回は太陽光発電の発電量が低下する原因と、その対策方法についてご紹介します。

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発電量が低下してしまう原因とは?

さまざまな影響を受け、太陽光発電の発電量は低下してしまうことがあります。今回は主な原因を6つ解説します。

【原因1】経年劣化
精密機械である太陽光発電システムは、高性能なものでも時間の流れとともに劣化します。劣化率はメーカーごとに異なり、1年で0.5%未満のパネルがある一方で、1%を超えるパネルもあるのが実情です。また、パネルの素材によっても経年劣化の度合いは異なります。

劣化率が悪くないパネルでも、15年ほど経過したときにガクンと発電量が下がることがあり、パネルの耐久性が問題です。日本の気候は移り変わりが激しく、猛暑、大雪、梅雨などに対応していくことも難しいようです。

【原因2】ガラスの破損
ガラスの破損も原因の1つです。強風や台風で物が飛んできて破損することがあります。自然災害補償が適用された太陽光発電であれば問題ありませんが、補償適用外となる場合は自己負担になるため注意が必要です。

【原因3】パネル表面の汚れ
パネルの表面は汚れやすい環境にあります。黄砂、鳥のフン、枯れ葉などでガラスの表面が汚れると、発電効率は大きく低下します。

【原因4】高温に弱い
太陽光発電は高温に弱い性質があります。8月は発電効率が低下しやすく、春先の発電量は上がります。発電効率はパネルの温度が25℃ぐらいで最大値となり、1℃上昇するごとに0.5%くらい発電量が低下するといわれています。気温が30℃以上になるとパネル内部の温度は70~80℃まで上がってしまいますから、真夏はあまり発電効率が良好とはいえないことがわかります。

【原因5】電圧上昇抑制
電圧上昇抑制がされた場合、発電効率は一気に低下します。これは、太陽光パネルが発電していてもパワーコンディショナーで発電が抑制されているために起こる現象です。電圧上昇抑制が起きているときは、モニターにその旨表示がされたり、パワーコンディショナーの抑制ランプが点灯したりします。

【原因6】パネルのセルの故障
パネルのセルが割れたり、セルを結ぶ線が切れたりする場合があります。1枚のパネルは複数のセルが集合してできており、それぞれのセルが発電を行っています。セルを結ぶ線が1ヶ所でも断線した場合、つながっているセルのすべての電気が運ばれない状態になってしまいます。

発電量を低下させたくない! その対策方法とは

太陽光発電の発電量を低下させないために行っておきたいことには、どのようなものがあるのでしょうか。ここでは、ご家庭でも実行しやすい具体的な対策を3つご紹介します。

【対策1】定期的なメンテナンス
セルを構成するシリコンは性質上劣化しにくく、20~30年は使用可能といわれていますが、そのほかの部分はもっと早くメンテナンス時期が訪れる場合があります。パネルを設置する架台、パワーコンディショナー、電力網などはメンテナンス時期がもっと早期になると考えられますから、定期的に専門業者へ点検を依頼しましょう。

【対策2】モニタリング
定期的に発電量のモニタリングで動きを把握しておくことが大切です。パネルだけでなく、パワーコンディショナー、接続箱の状態もチェックし、発電量の変化を確認しましょう。システムの仕組みも把握しておくと、モニタリングに役立ちます。

【対策3】こまめなパネルの掃除
パネルに付着した汚れは高圧洗浄で落とすことができます。屋根に上がって掃除をするのは危険なため、専門業者に依頼するのがよいでしょう。素人が清掃をすると、水あかが付着する場合があり、別の問題が生じてしまう可能性があります。高圧洗浄の清掃費用は1回につき2〜5万円程度が相場です。

発電量が低下した……その際チェックすべきこと

太陽光発電の発電量が低下したと気づいたとき、まずチェックすべきことを3つご紹介します。

【チェック1】売電明細
売電明細を過去にさかのぼってチェックしていくと、原因は特定できなくても、低下した時期や低下量は把握できます。季節や環境の変化が影響していない場合は、故障の可能性が考えられます。問題が深刻化する前に専門業者に依頼し、解決しましょう。

【チェック2】パネルの外観
チェックしやすいポイントといえば、パネルの外観です。雨が降った後、強い風が吹いた後などに、汚れや落ち葉が付着していないかチェックしてみてください。

【チェック3】バスバー
パネルのバスバー(セル上の配線)は断線することがあり、製造時に問題があり配線不良が起こるケースが一般的です。発電量が独特の変化をするため、比較的見極めやすいでしょう。断線の初期は発電量が多いときに温度が異常に高くなり、発電量が大きく低下します。逆に発電量が少ないときには温度が下がり、発電量は正常に近づきます。

まとめ

今回は太陽光発電の発電量が低下する原因とその対策法、チェックしたいポイントについて解説してきました。太陽光発電システムにはさまざまな部品があり、その1つでも不具合があると発電量が低下してしまうことがあります。定期的なメンテナンスや清掃、モニターのこまめなチェックなどを日頃からぜひ心がけてみてください。

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