外壁のスタッコ仕上げとは?塗装の種類や塗り替え時の注意点を解説

スタッコはモルタル外壁の仕上げ方法のひとつです。耐久性の良さと高級感が魅力的な仕上げ方法ですが、外観の美しさを保つには定期的な塗り替えが欠かせません。この記事では、スタッコ仕上げの種類や外壁塗装時の注意点を解説します。

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スタッコ仕上げとは

スタッコ仕上げとは、モルタル壁の外壁塗装でよく使われている定番の仕上げ方法です。

化粧漆喰(しっくい)とも呼ばれるスタッコは、石灰と水にセメント、砂などを混ぜ合わせたもの。乾くと硬くなり、外壁塗装することで外壁の耐久性や防水性を高められる特徴があります。

スタッコ仕上げの種類

スタッコ仕上げの施工方法は、「コテ塗り」と「吹き付け塗装」の2種類に分かれます。

コテ塗り

コテ塗りとは、左官職人と呼ばれる職人がコテを使って手作業で外壁塗装する工法のことをいいます。

金鏝(かなごて)やハケなどを駆使して塗装することによって、同じ模様がまったくない唯一無二の外壁に仕上がります。職人の技量や経験、センスによって完成度が大きく左右されるため、信頼できる左官職人を探すことが大切です。

吹き付け塗装

吹き付け塗装とは、「ガン」という噴射器具を使って外壁に塗料を吹き付ける工法のことをいいます。左官職人のような高い技術力が不要なため、スタッコ仕上げといえば吹き付け塗装を指すことが一般的です。

吹き付け塗装の中でも2種類があり、吹き付けた塗料をそのまま固める「吹き放し仕上げ」と、吹き付けた後にコテやローラーを使って押さえつける「ヘッドカット仕上げ」に分かれます。

スタッコ仕上げのメリットとデメリット

ここからは、スタッコ仕上げのメリットとデメリットについて解説します。

スタッコ仕上げのメリット

  • 重厚感や高級感のあるデザイン性
  • 耐久性が高く約10年は塗り替え不要

スタッコ仕上げはデザイン性が高く、重厚感や高級感のあるデザインが魅力的です。デザインや色、模様などを選ぶことができ、住宅の印象を大きく変えられます。

コンクリートを固めて作るため、耐久性に優れているのも特徴的。約10年ほどの耐用年数があるため、メンテナンスにかかるランニングコストを抑えられるのがうれしいメリットです。

スタッコ仕上げのデメリット

  • 表面の凹凸に汚れがたまりやすい
  • 仕上がりが職人の腕に左右される

スタッコ仕上げの表面は凹凸があり、ホコリや排気ガスなどの汚れが溜まりやすいのはデメリット。定期的な清掃が必要になります。

また、左官によるコテ塗りもしくは吹き付け塗装という手作業での塗装になるため、職人の技量で完成度が左右されるのは懸念点の一つになり得るでしょう。

スタッコとリシンやジョリパットなどの違い

種類

特徴

スタッコ

厚付け仕上げ塗材の仕上げ方法。リシンを厚くしたもので、表面には表面は重厚感のある凹凸が見られる。

リシン

薄付け仕上げ塗材の仕上げ方法。塗料と砂を混ぜて吹き付けているため、表面は砂壁のようにザラザラしている。

吹き付けタイル

3層構造で吹き付ける複層仕上げ方法。異なる種類の塗料を用いており、表面はなめらかな凹凸になる。

スタッコやリシンなどモルタル壁の仕上げ方法における違いは塗装の表面にあります。

いずれもモルタル外壁の外側で家の外観を作るものであり、仕上げ方法や塗材の性質によって表面に特徴が現れます。

また、モルタル壁の塗材にはジョリパットが人気です。ジョリパットはアイカ工業が製造・販売する意匠性塗材で、自由度の高いデザインから外装や内装を問わず幅広く使われています。

スタッコ仕上げに多い劣化症状

  • コケ・カビ・藻の発生
  • 凹凸のすき間汚れが定着
  • 塗膜の膨れ
  • 塗膜の剥がれ
  • 塗膜のひび割れ

スタッコ仕上げに起こる劣化症状は上記の通りです。

コケ・カビ・藻の発生

スタッコ仕上げは凹凸の多い外壁になるため、コケやカビ、藻などの根が凹みの部分に張りやすく、発生・繁殖しやすいです。

経年劣化するごとに蓄積しやすく、景観を損ねる以上に塗料の劣化を引き起こす原因となります。

凹凸のすき間汚れが定着

凹凸が多いスタッコ仕上げは凹みのすき間に汚れがつきやすく、洗浄してもなかなか取れずに溜まりやすいです。

コケやカビ、藻と同じように汚れも蓄積するため、細かい清掃メンテナンスが必要です。

塗膜の膨れ

スタッコ仕上げの際に空気を含んだまま閉じ込めてしまうと、時間の経過とともに空気が熱で膨らんで塗膜の膨れを発生させます。

また、外壁の高圧洗浄をした後、乾燥が足りないまま塗装すると塗膜が厚いまま水蒸気を含んで膨れになるケースもあります。

塗膜の剥がれ

スタッコ仕上げは経年によって塗膜が徐々に剥がれてきます。

雨風が侵入する経路になり、劣化を早めるため早急な対応が必要です。経年劣化以外でスタッコ仕上げが剥がれる原因は塗料の密着不足によるもので、下地処理の甘さなどが考えられます。

塗膜のひび割れ

経年劣化や地震などの外的な圧力によって、ひび割れが発生することがあります。

細いひび割れの場合は直ちに影響はありませんが、雨漏りや腐食によって悪化する可能性は否めません。スタッコ仕上げのひび割れはシーリング材を充填してひび割れの穴を埋める補修作業を行いましょう。

外壁をスタッコ仕上げにするときに補助金や火災保険は使える?

スタッコ仕上げを含む外壁塗装は、自治体の補助金や火災保険の対象になる場合があります。

住宅の省エネ化やバリアフリー化を目的としたリノベーションには補助金が、台風や地震など自然災害による破損からの修復を目的としたリフォームには火災保険が適用されるでしょう。

少しでもスタッコ仕上げの費用を安くできるならぜひ活用したいところですが、補助金や火災保険にはいずれも適用条件があります。住んでいる自治体や、加入している保険の内容などをチェックしてみてください。

スタッコ仕上げで塗り替えするなら外壁塗装業者に依頼

スタッコ仕上げで塗装するなら、外壁塗装業者へ依頼しましょう。

業者選びで失敗しないためには、いくつかの外壁塗装業者を比較しながら選定することが大切です。ここでは、外壁塗装業者や費用相場を算定するのにおすすめなサービスを紹介します。

外壁塗装プランナー

※ 事業者が運営するサイト全体の問い合わせ件数(2022年10月末時点)
※ 実査委託先:ゼネラルリサーチ(2018年度調査)

外壁塗装プランナー」は、顧客満足度・アフターフォロー・価格満足度でNo.1(※)を達成した外壁塗装業者探しをサポートしてくれるサービスです。

外壁塗装の依頼はもちろん、外壁の修理塗り替えといった外壁塗装に関する悩みを相談できます。希望する工事内容は、サイト内のフォームから簡単に申し込むことが可能です。電話相談も24時間365日受け付けているので、外壁に違和感を覚えたらその場で相談できるのも魅力的です。

ヌリカエ

出典:ヌリカエ

ヌリカエ」は外壁塗装の費用相場や助成金について調べられるサービスです。

質問に答えていくだけで、外壁塗装の助成金の有無や費用相場の算定ができます。厳選された全国の優良業者が登録されており、その場で依頼することも可能です。

選定された外壁塗装業者の口コミやリフォーム事例まで見られるため、外壁塗装を依頼したことがない初心者でも工事の流れや費用をイメージしやすいのが特徴です。外壁塗装の相場診断や問い合わせの通話などすべて無料で利用できます。

スタッコ外壁を塗り替える際の注意点

  • モルタルの外壁に使用する
  • 塗料は多めに必要
  • 念入りな下地補修が必要

モルタルの外壁に使用する

スタッコは、モルタル外壁の仕上げに使うものです。

サイディング外壁などの下地でスタッコ仕上げをすると、塗料が密着しないまま剥がれやすくなるなどの可能性があります。

塗料は多めに必要

スタッコ仕上げは凹凸が大きく、単純な外壁の面積以上に塗料が必要になります。

そのため、カタログ等に記載されている使用量よりも必要な塗料が増える可能性があります。塗料の使用量が増えると外壁塗装の費用も増えるため、現地調査の後の見積もりはしっかりと確認しましょう。

念入りな下地補修が必要

経年劣化によるチョーキングが発生していると、凹凸に粉が溜まりやすく、再塗装時の塗料の密着性に悪影響を与えます。

塗料の密着度を高めるためには、外壁の洗浄をしたり、下塗り(シーラー塗布)をしたりと念入りな作業が必要です。外壁を洗浄、下地処理した後は、下地を完全に乾燥させるまで時間を要するため、工期が長めにかかることを覚えておきましょう。

スタッコ仕上げに関するよくあるQ&A

ここからは、スタッコ仕上げに関する疑問をQ&A形式で答えます。

Q. スタッコ仕上げとは?

A. スタッコ仕上げとは、モルタル外壁の塗装における定番の塗装です

モルタルの外壁に石灰や水、セメント、砂などを混ぜた塗料を塗布することを指します。サイディング外壁が主流になった現在ではあまり使われなくなっていますが、築年数が古いマンションや戸建てではまだまだ現役の工法です

Q. スタッコ仕上げとリシン仕上げの違いは?

A. スタッコ仕上げとリシン仕上げの違いは塗膜にあります

スタッコ仕上げが重厚感のある凹凸の表面に対し、リシン仕上げは単調で薄い表面をしています。詳しくは以下の記事で解説しています。

※記載している情報は、LIMIA編集部の調査結果(2023年9月)に基づいたものです。
※画像は全てイメージです。

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