要注意!「ガス臭い」と感じたときにやってはいけないことと気をつけるべきポイント
「あれ? ガス臭い?」と感じたとき、あなたはどのような対応をしていますか? ガス漏れは、ひとつ対応を間違うと、火災の原因となったり、場合によっては爆発など大事故の引き金になったりしてしまうこともあります。ここでは、ガス漏れがどんな影響を及ぼすのかについて解説していきます。
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ガスは無臭! ガス臭さのもととなる付臭剤とは?
家庭用のガスには都市ガスとプロパンガスがあり、それぞれ成分が異なります。ですが、どちらのガスも無味無臭であるのが特徴です。
【都市ガスの成分】
都市ガスに多く含まれているのはメタンで、構成物質の89~90%を占めているといわれています。メタンは、燃焼しても二酸化炭素の排出量が少ないクリーンエネルギーで、青い炎を出して燃えるのが特徴です。続いて多く含まれているのがエタンです。構成物質の4~6%を占めており、引火性と爆発性を持つのが特徴です。ほかには、プロパンが3~5%、ブタンが1%未満となっています。ブタンは空気より軽く、漏れると上にたまります。
都市ガスは地域によって種類が異なり、そのため対応しているガス器具も変わることを覚えておきましょう。
【プロパンガスの成分】
プロパンガスは、おもにプロパン、ブタン、プロピレン、ブチレン、エタン、エチレン、ブタジエンなどが、法律と規格に合わせてさまざまな比率で混合しています。混合率の違いは、気候が影響しています。
【ガスの臭いは付臭剤によるもの】
先にも述べたとおり、都市ガスとプロパンガスはいずれも無味無臭です。私たちがイメージする「ガスの臭い」は、付臭剤によるものです。ほかの生活臭とは違うもの、そして人体に無害であることが条件となっていて、ガス漏れしていることをすぐに察知できるようになっています。また、地域によって臭いに差もあります。
ガス漏れが人体に与える影響とは?
ガス漏れによる一酸化炭素中毒の事故などがニュースで報道されることがありますが、実はガスそのものは安全性の高いものです。以前は都市ガスに一酸化炭素が含まれていたことがあり、それによる一酸化炭素中毒死の事故が相次いで起こった過去もありますが、現在使用されている都市ガスには一酸化炭素が含まれていません。
それにもかかわらず、現在でも、都市ガスおよびプロパンガスのガス漏れに起因する一酸化炭素中毒による事故は起きています。それは、ガスの燃焼中の換気不足から起きる一酸化炭素中毒です。
一酸化炭素は濃度が0.02%だと2~3時間ほどで頭痛を感じ、0.08%だと30分程度でめまいや吐き気を感じて、2時間で失神してしまいます。さらに、空気中の濃度が1.28%になると1~3分で死に至るガスです。しかし、一酸化炭素も無味無臭なので、発生しても感じ取ることはできません。
したがって、「ガス臭いかな?」と感じるときは、危険が迫っているサインかもしれません。窓を大きく開けて換気をし、元栓をしっかり閉めて、ガスホースなどに亀裂が入っていないかなどのチェックをしましょう。臭いが消えるまでは火気厳禁ですので注意してください。また、後述するとおり、明かりや換気扇についても、スイッチを入れた際に発火する危険性があるため、ガス臭いときには入れないようにしましょう。
そのほか、ガス漏れが引き起こす危険と予防方法
人体への影響以外にも、ガス漏れはさまざまな危険を引き起こします。以下で、予防方法とあわせて見ていきましょう。
【ガス漏れ発生時の爆発事故】
ガス漏れの際に電気スイッチをオン・オフにしたり、静電気が発生したり、ライターなどを使用したりすると、ガスに火が引火して、爆発や火災事故を起こす危険性があります。ただし、換気されていない密閉された部屋で、メタンなどのガスが一定量にならない限りは起きない事故です。窓を開けて換気をするなどで防げる対応ですので、ガス使用時には必ず換気をしながら使用してください。
【ガス漏れ警報器で危険を防ぐ】
付臭剤により、臭いでガス漏れに気づけるようになってはいますが、同時に、ガス漏れ警報器を設置して危険を防ぐのがおすすめです。
プロパンガスは空気より重いため、床面に近い台所のコンセントに、都市ガスは空気より軽いため、天井に近い台所のコンセントに設置するといいでしょう。警報器は、コンセントが抜けていないかこまめにチェックしましょう。また、5年に1回は交換するようにします。
ほかにも、ガスメーターの安全装置やコックの安全装置といった、不完全燃焼を防止させる装置があります。必要に応じて利用しましょう。
まとめ
食事を作ったり、入浴したりと、ガスは生活に欠かせないものです。そして、ガスそのものは正しい使い方をしていれば、人体にも環境にも悪い影響を与えません。問題になるのは、使い方を誤ったときだけです。万が一、「ガス臭い」と感じ、ガス漏れの危険を感じ取ったら、まずはしっかり換気をして、一酸化炭素中毒や爆発火災事故を起こさないよう対策を採りましょう。
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