
外壁塗装に足場や養生は必要?その必要性や費用についてご紹介
外壁塗装の工事中の家を見かけると、ほとんどの家が事前に養生の作業を行い、足場を組んでから塗装に入る工程となっているはずです。しかし、ご自分の家を塗装するとなれば、その設置は本当に必要なのかと考える方もいるかもしれません。また、設置にかかる費用についての疑問も発生するでしょう。そこで今回は、外壁塗装をする際の足場や養生の必要性、かかる費用についてご説明します。
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「足場」の必要性
「無足場工法」と言って、足場を組まずに外壁塗装をする施工方法があります。足場代がかからないため、一般的な外壁塗装の施工に比べ、費用を抑えられる傾向があります。「戸建ての住宅で高さもそれほどないし、足場はなくても良いのでは?」と思ってしまうかもしれませんが、やはり基本的にどのような住宅でも足場を組むことは必須と考えた方が良いでしょう。ではなぜ、足場は必要なのでしょうか?
【1.安全確保のため】
工事を安全に行うことは、何よりも重視しなければならない点です。足場を組むことによって足元が安定しますから、職人さんを怪我から守ることに繋がります。足場代を省くために作業中に事故が発生してしまうなどの事態は、絶対に避けなければならないことです。事故を未然に防ぐためにも、足場を組んで職人さんの安全を確保することは何より大切なのです。
【2.作業効率を上げて、仕上がりを綺麗にするため】
足場があることで足元が安定することにより、職人さんの作業効率も上がります。足元が不安定だと、どんなに経験豊富な職人さんであっても作業しにくくなることは当たり前です。作業が困難な状況で何とか施工したところで、せっかく綺麗に仕上がるはずの塗装面にムラが出来たり、雑になってしまったりすればとても残念でしょう。
足場を組むと、階段も一緒に組まれます。そのため、屋根近くの箇所から地上までの垂直方向の移動もスムーズになり、職人さんも作業がしやすくなります。職人さんもプライドを持って仕事をしています。綺麗に仕上げたいのにそれができなければ、ストレスにつながるかもしれません。気持ちよく仕事をしてもらえれば作業の効率も上がり、結果的に工事期間も短くなります。工期が短縮されることによって、最終的な工事費用も削減できることになるでしょう。
【3.耐久性が上がる】
外壁工事には劣化による表面の古い塗膜、汚れやカビ、藻などを高圧洗浄で除去する工程があります。足場を組んで外壁の汚れなどのチェックや高圧洗浄による除去を確実に行い、外壁の表面を綺麗にすれば新しい塗料をきっちりと接着させることができます。つまり、足場を設置しての施工は塗装自体の耐久性も向上させてくれると言えます。
【4.近所迷惑にならない】
足場を組むと、飛散防止シートを確実に取り付けることができます。高圧洗浄で汚れ等を除去する際には大量の水が使用されますから、飛散防止シートがあれば洗浄時の水や塗料が周囲に飛び散ることを防げます。
塗料や水が近隣に飛散することで、ご近所とのトラブルに発展する可能性もあります。長くお付き合いするご近所さんですから、トラブルは可能な限り回避したいもの。また、近隣だけではなく自宅の駐車場にあるご自身の車や、庭に置いてある草花・置物なども汚れから守ることができます。
足場設置にかかる費用の相場
足場を設置する際の費用相場は、住宅の大きさにもよりますが1㎡につき約700円~1,500円程度です。一般的な2階建ての戸建て住宅の場合では、約100,000円~200,000円が相場となります。
もう少し安くなればと思いがちですが、あまり足場費用が安すぎる場合も注意が必要です。足場は組むのに1日、解体に半日ほどかかります。しかし、この費用を安く見積もる業者は1日に多くの作業スケジュールを詰めこんでいる可能性があります。その分仕事が雑になることや、事故やトラブルを起こす確率が高くなることも想定できるでしょう。
なかには、「足場費用は無料」と言ってくる業者もあるかもしれません。しかしその場合はなんらかのカラクリがあって、最終的には通常とそう変わらない価格になったというケースも少なくありませんから注意しましょう。
足場の設置についての注意点
足場の設置については業者の方が行うことで、住人の方がすることは基本的に何もありませんが、現場で以下の状況が発生していないかには配慮する必要があるでしょう。
・作業者や職人の不注意によるトラブル
・足場の勝手な部分解体
・日が暮れてからなどの無理な作業
・足場材の不足
・足場の上での勝手な脚立使用
・家の外壁から30cm以上開いている場所での作業
これらの要因で、足場が倒壊して作業者・職人の墜落事故が起こったり、近隣の家に足場材が当たったり、ご自宅の外壁に傷が付いたりする事態を招くかもしれません。最悪の場合は、たまたま周囲にいた人を巻き込んでしまう事故が起こるようなケースもあり得ます。
大抵の人は足場について詳しい知識はありませんから、見てもよくわからないと思うかもしれません。しかし、足場の状態や作業している人の様子を見て何となく危なっかしいと感じた際には、遠慮せず職人さんのリーダーや現場監督さんに伝えましょう。
「養生」の必要性
まず養生とはどんなことを行うのかを具体的に説明すると、塗装しない部分や塗料の付着を避けたい箇所を透明のビニールや養生用のマスキングテープなどでカバーしていく作業です。ちなみに養生用のテープは、しっかり付着して簡単に剥がせることができ、剥がしても跡が残らないという優秀なテープです。こちらでは、養生が外壁塗装の際になぜ必要なのかについてご紹介します。
【1.塗料を飛散させないため】
塗料は液体ですから、職人さんが塗料を塗るときにはどうしても外部へ飛び散ってしまいます。外壁塗装用の塗料は一度付着してしまうとなかなか落とせない場合もあり、それによる物損を防ぐことが主な役割です。また、作業者が塗るべき以外のところまで塗ってしまうという失敗を避けるためのものでもあります。そのため、外壁の付属物のうちアルミサッシや窓など塗装しない部分をビニールやテープなどでカバーします。また、周囲にある植栽や車なども塗料の付着を防ぐためにビニールなどでカバーします。
【2.水を飛散させないため】
外壁塗装の作業時に飛び散るのは、塗料だけではありません。高圧洗浄で汚れ等を除去する際に使用される、大量の水も周囲に飛び散ってしまいます。それを防ぐためにも、飛散防止シートで住宅をカバーする必要があります。
【3.施設、設備の機能性を守るため】
外壁塗装の塗料が付着することによって、外壁や窓だけではなく家の周囲に設置されてあるエアコンの室外機やガス給湯器など、さまざまな設備の機能性が失われてしまう危険性があります。そのため、それらの設備類もビニールなどで覆って保護します。
【4.仕上がりを綺麗にするため】
外壁塗装の仕上がりは、塗料の品質や職人さんの腕が重要です。しかし、それらと同様に養生の技能も大切になります。外壁の表面は凹凸があるので、真っ直ぐに養生テープなどを貼ることは意外と難しい作業になるのです。塗料の付着を防ぎたい箇所や塗料を塗らない箇所の境界線通りに養生をしなければ、塗装する箇所とそうでない箇所の境目が曖昧になり、仕上がりが残念になってしまいます。綺麗な仕上がりを望むなら、高品質の塗料や職人さんの優れた腕に加え、確実に養生をすることが不可欠になります。
養生にかかる費用の相場
養生作業の費用の記載ですが、見積書などによって「養生」と記載してある場合もあれば、「副資材」と記載してあるものもあります。養生にかかる費用の相場としては、1㎡あたり300~500円が相場とされています。
住宅の大きさにもよりますが、一般的な2階建て住宅の場合で大体100㎡~150㎡の外壁面積と考えると、養生費用の目安はおよそ30,000円~75,000円と考えて良いでしょう。見積書には「養生一式」と記載されてあるケースが多いのですが、「テープ」「シート」「ネット」など、詳しく内訳を記載することもあります。これも業者によって異なりますが、詳しい項目を設けて記載されている方がわかりやすくて安心でしょう。「養生一式」とだけ記載している場合にも、その内訳を詳しく尋ねておくことがおすすめです。
養生をしている間の注意点
こちらでは、養生作業を行っている際に住人さんが注意しなければならない点についてご紹介します。
【1.換気ができない】
窓はもちろん、換気扇などもビニールで覆われることになりますので、室内の換気を行うことができません。また、吸排気設備が養生されているかも確認しましょう。養生を行っている間に、一酸化炭素中毒が起こってしまったという事故も起こっています。万一の事故を防ぐために養生中はお風呂やガス機器の使用は控え、塗装の施工が終わった後にも養生箇所のテープやビニールがきちんと剥がされているかを確認した方が良いでしょう。
【2.洗濯物が干せない】
お天気の良い日には洗濯物を外干ししたくなるものですが、養生・塗装作業中には水や塗料が飛散するため、洗濯物の外干しは控えた方が良いでしょう。庭の広いお家なら離れた箇所に干せば大丈夫と思うかもしれませんが、風に乗って塗料が付着する危険性もありますから注意しましょう。
【3.シンナーなど溶剤の匂いに注意】
昔よりは格段に低減されたとは言われていますが、溶剤の匂いは多くの方にとって不快に感じるものです。特に養生中は室内の換気ができないため、溶剤の匂いで体調を崩してしまう方もいるかもしれません。水性塗料を使用する場合は比較的匂いが少なくなりますが、油性塗料よりはいくらかマシというだけで、まったく不快感がなく無害というわけではありません。匂いが原因で気分が悪くなりがちな人は、専用のマスクも売っているので、ホームセンターなどで探してみても良いでしょう。
【4.植物や車の損害にも注意を払う】
養生されている住宅の庭先や植栽に長い時間カバーをかけていると、植物が呼吸できなくなって枯れてしまうという事態を引き起こすことも少なくありません。塗装の作業が終了したら、すぐにでも剥がしてもらうことが望ましいでしょう。
また車にも養生を行いますが、長時間カバーをしていることによって車体塗装が変色することもあると言われています。特に夏場は注意が必要ですので、業者の方にカバーの方法を工夫してもらいましょう。
まとめ
外壁塗装の際には、足場がまず何より重要であるとおわかりいただけましたでしょうか。計画の段階から複数の塗装業者に見積もりを依頼して、打ち合わせなどを行った際に安全への配慮を徹底していると感じられた業者を選定することから始めるのがおすすめです。
まれに、養生は外部に委託している業者があります。そのような場合は、現場の職人さんが養生についてどこまで把握しているかわからないこともあります。後々のトラブルを避けるためにも、養生作業前には施主さんが立ち合い、契約書などと照らし合わせて職人さんと養生を行う業者の三者で状況確認を行うようにしましょう。
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