景色とつながる桐生の家
周囲を山々が囲む自然豊かな場所に建つ住まいです。
施主は敷地近くに長く住みこの環境をとても気に入っていました。朝目覚めれば鳥や鹿の鳴き声が聞こえ、秋には仙人ヶ岳につづく里山の雑木林はとても紅葉が美しくて..と目を輝かせながらたくさんの魅力を打合せの度に聞かせていただきました。子育ても終わりに近づき、これからの落ち着いた暮らしを見据え、終の住処としてご夫婦が求めるものは「癒やしと安らぎ」でした。
南隣地にはソーラーファームが広がり、採光や通風はもちろん借景を取り込むには良好な立地でした。対して西隣地には住宅が建っておりプライバシーや熱負荷を考えると開口部は最小限に抑えたい、その代わりにライトウェル(=光や風を導く吹抜けの中庭の意味)を設けました。 LDKには木製の大きな窓を設け、景色を綺麗に切り取るため、建具も上下の框が見えないようスッキリとしたデザインとしました。入って正面の中庭には外階段を設け2階の眺望テラスへつながります。プライベートな中庭から階段をのぼれば壮大な景色が広がっています。それぞれの庭が内と外をつなぎ、まるで自然の中で生活しているような潤いと安らぎ生み出します。中庭はLDKからだけではなく、和室や浴室、2階の個室からも中庭を眺めることができ違った表情が愉しめます。それぞれの部屋同士の視線が重ならないよう窓の位置や高さにも工夫しています。
ご主人はプライベートな中庭でコーヒーやお酒を飲む時間、奥さまは中庭を眺めながら月明かりの下で入浴タイム、休日は子どもたちは南庭の大きなウッドデッキでバーベキューを楽しんだり、家族にはそれぞれお気に入りの場所と癒やしの時間が生まれ、この住まいが家族に寄り添う存在となっています。
TEKTON | テクトン建築設計事務所