緑を楽しむ平屋の家
なだらかな南斜面の丘を切り開き、石積みで土留めされた比較的新しい分譲地に建つ四人家族の家である。周囲には家が建ち並び、近隣の住宅が迫ってはいたが南東方向に公園があり、そこからさらに遠方を見通せる敷地だった。
まだ幼い二人の子供の成長を見守りながら穏やかに過ごせる家が欲しいとの要望から、建物は土に近い生活ができる平屋で計画をはじめた。周囲、そして庭との関係性を考えながらゾーニングしていき、居間棟と寝室棟のふたつに分け、書斎を兼ねた廊下でつなぐこととした。居間棟は公園に向かって開き、もう一方は南に接する隣家を隠すように角度をつけて配置した。囲われるようにできた雰囲気の違う二つの庭は、室内を移動するごとに様々な表情を見せ、植えられた樹木が四季の変化を感じさせてくれる。
松原正明建築設計室