金沢の町歩き-鈴木大拙館

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実家に帰ったついでに金沢に寄ることにしました。
まずはお目当ての一つ、谷口吉生さんの「鈴木大拙館」。鈴木大拙という哲学者の記念館です。
とてもきれいな建築として、我々、建築家仲間の間でも評判の建築でした。
この日ドカ雪になってしまい足元がおぼつかない状況でしたが、雪の中の谷口作品はとても楽しみでした。

右の格子のほうが入口ですが、アマノジャクなので、先に「水鏡の庭」の方に。
白い壁の建物は「思索空間」。やたら深い軒庇が特徴です。

「水鏡の庭」にアプローチする苑路。正面の打ち放しコンクリート壁と家が気が高さを揃えていることに気づき「ここまでやるんだ、、」でもよーく見ると、その外側をまわす生垣は1段高くなっています。「すごい、ここまで徹底するんだ。。」図面に生垣の剪定まで描いているのかも知れません。管理者へ明らかにメッセージしています。だからすごいんです。
「水鏡の庭」に訪問客の神経を向かわせる、“場”のつくり方なのだと思います。

思索空間の白壁は、低層部分が内断熱、上部が外断熱。外断熱の上に左官壁を施しています。建物と対峙している打ち放しのコンクリート塀、よく見るとセパ痕がありません。白の左官壁と相対する壁にポツポツしたものは違うと考えたのだと思います。

軒から下りている鎖樋がつらら状になっています。

鎖にまとわりついた氷に、北陸の厳しい冬を感じます。

中に入ると、展示空間まで静けさを感じさせる回廊を通ります。

回廊の途中にある光溜まりのスペース。庭が雪に埋もれて、ちょっと残念。

その先の展示空間、学習空間を通った後に、外部回廊に出ます。

双子の柱があることで、かえって気付く軒の深さ。通常はこんなに深い軒を左側の壁で持ち出すことは困難で、あまり見ない軒の深さです。それを双子の柱があることで定規ができ、スケールを感じさせてくれます。

思索空間。下の黒い壁のところは内断熱。上部の打ち放しコンクリートのところは外断熱。

天井は白く、上から、白→灰色→黒のグラデーションをつくっています。これをやりたかったから、外断熱と内断熱の併用をしたのだと思います。

雪の中、訪れる客もまばら。谷口さんの静かな空間を満喫することが出来ました。

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白崎泰弘・白崎治代のパートナーシップによる設計事務所。男女両方の視点から設計し、機能的でありながら、住み手の心に響くデザインを心がける一級建築士事務所です。

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