お中元にお返しって必要?知っておきたいお返しのマナーとおすすめギフト4選
日頃の感謝の気持ちを贈り物に託し、お世話になった人たちへと届ける年に一度のお中元。お歳暮とともに広く行われている日本の習慣ですが、お返しのマナーについては意外と知らないという人も多いのではないでしょうか? そこで今回は、お中元にお返しは必要なのか、必要ならどう贈るべきなのか、といった疑問にお答えします! 最後におすすめのお中元ギフトもご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
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そもそも「お中元」ってなに? 「お歳暮」とどう違うの?
お中元は、20代以上の年代では9割以上が贈っているといわれるほど、若い世代にも広く定着している習慣です。しかし、「社会人になって初めて自分でお中元を準備する」といった人の中には、お中元の知識があいまいになっている人もいるのではないでしょうか?そこでまずは、お中元の意味やマナーについて改めてまとめます。
【お中元とは?】
中国の思想の1つである「道教」には、3人の天神様それぞれの誕生日だとされている、上元(1月15日)、中元(7月15日)、下元(10月15日)に、お供えものをしてお祝いする習慣がありました。
一方で日本にも、古くから伝わる仏教の習慣に「盂蘭盆会(うらぼんえ)」、いわゆる「お盆」があります。お盆には、先祖の御霊を供養するためのお供えものを、家族や近所の人たちで分け合う「盆礼」という風習がありました。一方で日本にも、古くから伝わる仏教の習慣に「盂蘭盆会(うらぼんえ)」、いわゆる「お盆」があります。お盆には、先祖の御霊を供養するためのお供えものを、家族や近所の人たちで分け合う「盆礼」という風習がありました。
中国で行われていた中元のお祝いは、日本のお盆の頃とちょうど重なります。そこで、いつしか中国の中元のお祝いと、日本の盆礼の儀式が結びつけて考えられるようになったことが、「お中元」のはじまりだとされています。現在も、贈り物を贈り合うことで、日頃お世話になっている人たちへ感謝の気持ちを伝えたり、健康を願ったりする習慣として続けられています。
【お中元を贈る時期は?】
お中元を贈る時期は、中元の頃(7月15日)からお盆(8月15日)までの期間です。しかし、関東では7月初旬から7月15日頃、関西では7月下旬から8月15日頃と、地域によって違いがあるようです。
【お歳暮との違いは?】
お中元とよく似た習慣に「お歳暮」があります。お歳暮とは、1年の終わり、つまり「歳の暮れ」に、1年の感謝を伝えるとともに、「来年もよろしくお願いします」という思いを込めて、お世話になった人へ贈り物を贈る習慣です。昔は年中行事の1つである「歳暮周り」として、お世話になった人たちの家々を直接訪問し、贈り物をしていました。現在はこの習慣が簡略化されており、ほとんどの場合は郵送で品物を送ります。
お歳暮を贈る時期は基本的に12月上旬から年末までですが、年が明けても立春(2月4日)までは、お歳暮として贈り物をすることができます。時期が異なるだけで、お中元もお歳暮も、贈り物をする意味や考え方に大きな違いはありません。
お中元にお返しは必要?知っておきたいお返しのマナー
お中元をいただくと、「お返しをしたほうがいいのでは?」と毎年迷ってしまうという人も多いのではないでしょうか?続いては、お中元のお返しの必要性や、お返しをする際の正しいマナーをご紹介します。
【お中元にお返しは必要なの?】
基本的に、お中元にお返しは必要ありません。日本人には「何かもらったらお返しをする」という価値観があるので、違和感がある人も多いかもしれませんが、お中元はいつもお世話になっていることへの感謝に対する「お礼」として贈るものなので、お返しは必要ないのです。
ただし、お返しの必要はありませんが、お中元をいただいたら「お礼状」を送るのはマナーだといえます。家族や親戚、仲のよい友人などの場合は電話やメールなどで簡単に伝えてもかまいませんが、仕事関係の人などの場合は必ずお礼状をしたためて送るようにしましょう。
また、お礼状には品物がきちんと自分のもとに届いたことを知らせる意味もあるので、お中元が届いてからなるだけ日を空けずに送るように心がけます。遅くとも2~3日の間には投函しましょう。
もちろん、「こちらもお世話になっている人だから」「もらいっぱなしではなんとなく悪い気がする…」という場合は、お礼状とともにお返しの品を送ってもかまいません。その場合はお中元を受け取ってからすぐに送ると相手に気を遣わせてしまうこともあるので、少し日を空けます。1週間~10日後程度を目安にするとよいでしょう。
【お返しの価格の目安は?】
お中元の価格相場は、3,000~5,000円ほど。一般的にお中元のお返しはいただいたものと同程度の金額が目安だといわれていますが、できればいただいたものよりも低い金額で用意するのがベター。そのほうがお中元を贈った相手側も、気兼ねせずに受け取れます。いただいた品物のおよそ半額~同額以下で考えるとよいでしょう。
ちなみに、「せっかくいただいたから、感謝の気持ちも込めて奮発しよう!」と、いただいたものより明らかに高額だと分かる品を贈るのは、実は大変失礼な行為。いただいたものより高額の品をお返しすることは、「次回からお中元は結構です」という意味を含みます。今後もお付き合いを続けていきたい大切な方なら、くれぐれも注意してください。
お中元のお返しにふさわしいのは?いろいろ役立つ「のし」の知識
「のし」とは本来、薄く引き伸ばした干しアワビを、上側が広い六角形の形に折った色紙で包んだ、飾りもののことを指します。アワビはその昔、不老長寿をもたらす大変縁起がよい食べものだと考えられており、神様に捧げる供物には必ずのしを添えていました。これが後に、相手のことを大切に思っているしるしとして、贈答品にも添えられるようになったことが、現在にも風習として残っています。
古くは、贈答品を水引という飾り紐でくくり、のしと品物の目録を添えるのが贈り物の礼儀でした。これが現在では簡略化され、のしと水引はすでに紙に印字されており、目録の代わりに紙に直接、表書きと贈り主の名前を記します。そのため現在では一般的に、こののし紙やのしが印字されたご祝儀袋などを指して、「のし」と呼んでいます。
のしには、印字されている水引の結び目の形によって、いくつか種類があります。また、水引の色にも意味があり、紅白や金銀などの水引は慶事(お祝いごと)に、白黒や黒のみなどの水引は弔事(お悔やみごと)に用います。
【蝶結び(花結び)】
いわゆる「リボン結び」の形をした水引です。簡単に解け、何度でも結べることから、「何度繰り返してもよい」という意味で、主にお祝い事の贈り物に用いられます。弔事やお見舞いなどに用いると「不幸を重ねる」という意味になるので、注意が必要です。
【結び切り(真結び)】
結び目が固くしっかりとしている水引です。しっかりと結ばれていて簡単には解けないことから、「何度も繰り返さないほうがよい」「この一度きり」という意味で、主に弔事の品に用いられます。ただし、結婚に関わる贈り物には、結び切りを用います。結婚は慶事なので、色は紅白や金銀などになります。
ちなみに、のしは基本的に、おめでたいこと、喜ばしいことの贈り物に添える飾りものですから、弔事に用いるのし紙には、のしは印字されていません。しかしその場合も、便宜上は“のし”と呼ばれています。
【鮑結び(あわじ結び)】
結び目の輪っかがアワビの形に似ている水引です。結び切りと同じく解けにくい結び方で、両端を引っ張ることでさらにその結び目が固くなることから、「お付き合いが末永く続く」という意味で、結婚などの贈り物に用います。慶事と弔事のどちらにも使える種類ですが、主に関西より西の地域では、蝶結びの代わりとしてお祝いごとの贈り物全般に用いられているようです。
【お中元のお返しに用いるのしのマナーは?】
簡略化されているとはいえ、のしをつけることは現在でも贈り物の正式なマナーです。もちろん、お中元にも必ずのしをつけます。マナーとしては、お返しにものしをつけると考えていたほうが無難です。
「かえって気を遣わせるのでは?」と思う場合は、包装だけでのしはつけず、「お中元をいただきありがとうございました」と一言感謝の気持ちを添えて、手土産のように直接渡してもかまいません。郵送で送る場合や目上の人に贈る場合は、のしをつけることをおすすめします。
お中元のお返しは何度あってもよいことですから、基本的には紅白の蝶結びを用います。また、表書きの上段の文字は、お返しを贈る時期によって異なります。
・7月初旬~7月15日…「御中元」
・7月16日~立秋(8月7日頃)…「暑中御見舞」
・立秋~処暑(8月23日頃)…「残暑御見舞」
このほか、お中元をいただいたお礼としてお返しを贈るので、「御礼」の字を使ってもOK。目上の人に贈る場合は、暑中御見舞、残暑御見舞は使わず、「暑中御伺」「残暑御伺」とします。下段には上段の文字よりも少し小さめの字で、自分の名前を記載しましょう。
【内のしと外のし】
品物へののしのつけ方には、「内のし」と「外のし」の2種類があります。内のしとは、品物に直接のしをかけてその上から包装する方法、外のしとは、品物を包装紙で包んだ後にその上からのしをかける方法です。
どちらのほうが正しいという決まりはありませんが、のしは心を込めた贈り物であることの証明でもあるので、相手に見える形でつけるのがベスト。のしが傷ついたり破れたりする可能性があるときは、内のしを使うようにしましょう。郵送なら内のし、手渡しなら外のし、と覚えておくとよいですよ。
お中元のお返しにおすすめのギフト4選
最後に、定番の品からちょっと変わった商品まで、お中元ギフトにおすすめのものを4つご紹介します。お中元は毎年贈るものなので、「いつも同じようなものを贈ってしまっている…」という人も、ぜひ参考にしてみてください。
【お菓子詰め合わせ】
お中元のギフトとしては定番の品ですが、クッキーやパウンドケーキなどの洋菓子からどら焼きや最中といった和菓子まで豊富に種類があるので、相手の好みに合わせて選べるのがうれしいポイントです。
お中元の時期は本格的に夏の暑さが厳しくなってくる頃なので、冷たく冷やしてさっぱりと食べられる、フルーツゼリーや水ようかんなどもおすすめ。色とりどりの鮮やかな見た目も、夏の贈り物にはピッタリです。
【紅茶やハーブティーのティーバック詰め合わせ】
特に女性へのお中元ギフトとしておすすめなのが、紅茶やハーブティーのセット。ティーバックで手軽ながら、さまざまな味と香りのお茶が楽しめます。
ホットでのむイメージがある紅茶ですが、ハンディクーラーを使って時間をかけて抽出すれば、おいしいアイスティーも楽しむことができます。今年の夏は、さまざまなフレーバーのティーバックとハンディクーラーをセットにして贈ってみてはいかがでしょうか?
【今治タオルのギフトセット】
お中元のギフトには、相手の好みに合わせて選びやすく、もらった相手も消費しやすい食べものが選ばれがち。しかし、毎日の生活で使える実用的なアイテムもおすすめですよ。特に愛媛県今治市で生産されている今治タオルは、肌になじむやわらかな手ざわりと高い吸水性が人気で、さまざまなシーンの贈り物に選ばれています。
汗をたくさんかいてしまう夏場にも最適な贈り物です。さまざまなサイズやカラーの商品があるので、贈る相手や用途に合わせて選んでみてください。
【ハンドソープのギフトセット】
ボディソープや洗濯洗剤などは香りや質感で好みも分かれるので選びにくいものですが、ハンドソープならそれほどこだわりなく、家族みんなで使ってもらえるのがよいところ。無添加の製品や肌にやさしい天然成分を含むハンドソープなら、敏感な肌のお子さんや水仕事で手が荒れやすい主婦の方にも安心して使ってもらえます。
まとめ
お中元のマナーは社会人の常識、といっても過言ではありません。特に取引先など仕事関係の人からいただいたお中元では、お礼状やお返しの送り方によって、あなたが常識人かそうでないかを判断されている、と意識しておきましょう。
また、礼儀やマナーといったことを抜きにしても、お中元はお世話になった人たちへ感謝を伝えることができる、数少ないチャンスです。「いつもありがとうございます」といった感謝の気持ちは、普段思っていてもなかなか言葉や行動で表現することが難しいもの。ぜひこの機会に、大切な人へ心を込めたお中元のギフトを選んでみてください。
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