あなたの家は大丈夫?一戸建ての防犯対策を見直そう

警視庁の調べでは、平成27年度の住宅侵入窃盗被害は約46,000件でした。これは、1日あたり130件弱もの被害が発生している計算になります。被害にあった建物のうち最も多いのは一戸建て住宅であり、全体の41.6%を占めていました。では、狙われやすい家と狙われにくい家は何が違うのでしょうか?今回は最も被害件数の多い「一戸建て」に注目して、泥棒に狙われやすい家の特徴や防犯対策をご紹介します。

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狙われやすい家の特徴とは?

泥棒は高い確率で犯行前に住民や侵入経路などの下見をして、侵入しやすいかどうかを見極めています。では、泥棒に狙われやすい家とはどんな家でしょうか。まずはその特徴を知っておきましょう。


【特徴その1】家の周りに高い塀や生け垣がある
一見すると安全なようにも感じますが、高さのある塀や生け垣は見通しが悪く、泥棒にとっては身を隠すための恰好の目隠しとなる場合があります。

生け垣の場合は見通しが良くなるよう剪定できますが、塀の場合は高さを変えることが難しいので、ライトや防犯カメラを設置すると良いでしょう。


【特徴その2】ベランダの見通しが悪い
ベランダが2階にある場合でも、しゃがんで隠れることのできる高さの囲いがあれば人目を気にせずに侵入できるため、泥棒にとっては好都合です。

ベランダの洗濯物にも身を隠すことができるので、洗濯物は長時間干したままにせず、できるだけ外からの見通しを良くしておきましょう。


【特徴その3】隣家との間隔が狭い
隣の家との間隔が狭いと、屋根や塀、植木などを伝って2階から侵入される場合もあります。2階だからと油断せずに、隣家と近い窓は忘れずに施錠しましょう。


【特徴その4】足場になるものを置いている
隣家との間隔が広くても、庭に脚立や足台などを置いていると足場として使われる場合があります。使わない脚立などは鍵のある倉庫や家の中に入れておくと安心です。


【特徴その5】明かりが少なく、夜間は暗い
明かりが無く暗い家は、泥棒にとって動きやすい環境であるといえます。

表部分は明るくても、家の裏側に路地や駐車場がある場合はそこからの侵入も考えられるので、夜間に家の周囲をチェックしてライトの必要性を考えてみましょう。

人が近付くと点灯する人感センサーライトなど、ホームセンターで比較的安く手に入るものもあるので、購入の際はライトの大きさや明るさなどを比べながら選んでください。


【特徴その6】人目につきにくい場所にある
人通りの少ない道沿いや奥まった路地に建っている場合など、人目に付かない場所は狙われやすい傾向にあります。

見慣れない人がウロウロしていたり、庭先を覗きこむなどの怪しい動きを見せていたりする場合は、空き巣の下見に来ている場合もあるので警戒が必要です。
また、日中と夜間では町並みの印象が変わる場合もあるので、日中に人通りがあるからといって安心しすぎないようにしましょう。


【特徴その7】不在の時間がいつも決まっている
生活パターンが決まっていて毎日同じ時間に留守にしている場合は、辺りを物色している泥棒に把握されてしまう可能性があります。

タイマーを使って留守中にもテレビやライトが付くようにするなど、室内に人の気配を感じさせる工夫が効果的です。

ここまで泥棒に狙われやすい家の特徴をご紹介しましたが、反対に泥棒に狙われにくい家の特徴としては、

■見通しが良く死角が少ない
■家の前や車庫に車がある
■窓の位置が高く、数も少ない
■警備会社のシールが貼ってある
■人感センサーライトなど、夜間でも明かりがある

上記などが挙げられます。ダミーの警備会社のシールを貼っている方もおられますが、ダミーだと明らかに分かる場合には、「警備会社の監視がない」という目印にもなってしまうので注意しましょう。

防犯対策は「玄関」から!玄関の防犯対策を知ろう

侵入経路のうち、玄関からの侵入は全体の20%弱とされていますが、特殊な手口を使えば簡単に鍵を開けて侵入することができるので、玄関からの侵入を得意とする犯罪のプロがいるのも事実です。

最も人の出入りのある場所なので、安全面には特にこだわりたいところでしょう。

そこで次からは、玄関の防犯対策を見てみましょう。


【対策その1】ワンドア・ツーロックにする
1つのドアに2つ以上の鍵を付けることを「ワンドア・ツーロック」といいます。鍵を壊して侵入される場合が多いので、鍵を増やしておくのは防犯上とても重要だといえます。

また、侵入手口として「ピッキング」と呼ばれる方法があります。

ピッキングとは、細長い針金のようなものを鍵穴に差し込んで鍵を開ける方法であり、最近では鍵やドアそのものの防犯性が高まったことでピッキングによる侵入は減ってきているものの、未だ多くの被害が報告されています。

このようなピッキング手口には、次のタイプの鍵が効果的です。

いかがでしたか?泥棒に隙を見せないよう、日頃から家や周囲の防犯対策をしておくことが重要ですが、最も大切なのは住んでいる人の防犯意識です。「自分の家は大丈夫」と過信せず、泥棒の目線になって自宅を観察してみると今まで気付かなかった発見があるかもしれません。

今回ご紹介した対策方法を参考に、「泥棒に狙われにくい家」を目指してください。

■ディンプルシリンダー錠
表面に小さなくぼみが多数あるタイプの鍵です。表面にある複雑なくぼみと、シリンダー内部のピンが噛みあって開錠する仕組みになっています。

■マグネットシリンダー錠
「電子キー」とも呼ばれ、鍵に埋め込まれた磁石とシリンダー内部の磁石が反応することで開錠する仕組みです。ピッキング手口に強いといわれていますが、長期間の使用により磁石の磁力が弱まるというデメリットがあるので、使用の際には定期的なメンテナンスが必要です。


【対策その2】ドアのこじ開け防止グッズを活用する
しっかりと施錠をしていても、鍵を壊したりドアをこじ開けたりして侵入される可能性もあります。そのような場合に備えて、以下ではホームセンターなどで手に入る防犯グッズをご紹介します。

■サムターン回し防止カバー
サムターン回しとは鍵の近くにドリルで穴を開けたり、ドアに付いている新聞受けやドアポケットの隙間に針金などを差し込み、室内側の鍵のつまみを回したりして開錠する手口です。

そこでドアの内側の鍵部分に筒状のカバーを被せ、針金が触れるのを防ぎます。

市販のカバーもありますが、ペットボトルの上部と底を切って筒状にし、鍵部分に被せてガムテープで固定するなどの方法で簡単に作ることもできます。

■ガードプレート
ドアとドア枠の間の隙間を塞ぐためのプレートであり、隙間にバールを差し込んでドアをこじ開けるのを防ぎます。

商品によって差がありますが、ドアの上部から下部までを覆うサイズが主流です。また、ガードプレートは上記でご紹介したサムターン回しも防ぐことができます。


【対策その3】表札に家族全員の名前を出さない
表札に家族全員分の名前が出ていると、それを元に家族構成だけでなく生活パターンなど様々な情報を読み取ることができるので、詐欺や個人情報の悪用など空き巣以外の被害に遭うリスクも高まります。

そのため、表札には名字のみ出しておくのが良いでしょう。

最近では漢字表記の情報を与えないという目的で、ローマ字の表札を選ぶ方も増えているようです。

侵入経路の多くは「窓」!窓の防犯対策を知ろう

ご自分の家のどこにどのような窓が付いているか、しっかりと把握できていますか?一戸建て住宅が遭う侵入被害では窓からの侵入が約60%と、侵入口の半数以上の割合を占めています。

泥棒に狙われやすい窓としては、

■足場の近くにある窓
■トイレや浴室の高窓
■道路や隣家から遠く、見通しが悪い窓
■雨戸やシャッター、格子などがついていない窓
■塀や植木で死角になっている窓
■2階のベランダの窓

上記などが挙げられます。侵入手口は窓ガラスを割る方法が全体の40%近くを占めており、ほかにも格子のネジやボルトを外して侵入したり、施錠忘れの窓から侵入したりするなどその手口は様々です。

トイレや浴室、納戸などの高窓なら大丈夫だろうと施錠しない方も見られますが、これらの窓は道路や表から死角になっていることが多く、近くに足場となるものがあれば比較的簡単に侵入できるため狙われやすい窓であるといえます。外出時はもちろん、家の中に居る時でも長時間離れる場合は施錠しておくと安心です。

それでは、以下で窓の防犯対策を見てみましょう。


【対策その1】ワンドア・ツーロックにする
玄関と同じく、1つの窓に対して2つ以上の鍵をつける「ワンドア・ツーロック」は防犯の基本です。後付けタイプの簡易ロックを取り扱っているホームセンターも多いので、用意しておくと安心です。


【対策その2】カーテンを閉め切ったままにしない
カーテンをいつも閉め切ったままにしていると、留守だと思われて泥棒に狙われる可能性があります。

人の気配を感じさせるために時々カーテンを開けたり、目隠しになるレースカーテンなどを付けたりすると良いでしょう。

また、カーテンは外からの光を反射して室内を見えにくくするミラータイプのものや、室内の光や影を外にもらしにくい遮光タイプのものが効果的です。

【対策その3】窓の近くに足場になるものを置かない
植木、脚立など、侵入時の足場になりそうなものは置かないようにしましょう。

また、塀や電柱などが窓の近くにないか、今一度確認しておくも大切です。隣家の屋根の軒(のき)が近い場合も、屋根から飛び移って侵入される可能性があるので要注意です。


【対策その4】防犯フィルム、格子などを利用する
泥棒が犯行にかかる時間は、侵入から物色までわずか10分以内だといわれており、侵入時に時間がかかると犯行を諦める傾向にあります。

侵入にかかる時間は3分程度なので、防犯フィルムや格子によってその時間を稼げれば、侵入を防げる可能性も高まります。

長期間の不在時は、特に念入りに防犯対策を!

連休を利用した旅行や帰省など、長期間留守にする場合は特に念入りに防犯対策をしておきたいところです。

出発前の施錠確認はもちろんですが、ほかにもできる対策は多く見られます。

それでは、旅行中にしておきたい防犯対策を見てみましょう。


【対策その1】プログラムタイマーを使う
時間を設定しておけば留守中でも自動的にライトやテレビなど、電化製品のスイッチをオンにしてくれるプログラムタイマーを使うと、室内に人がいるように見えるので防犯になります。

今までは決まった時間に作動するタイプが主流でしたが、最近は時間を固定せずランダムに設定できる商品も見られます。


【対策その2】郵便物をポストにためない
ポストに新聞や郵便物がたまっていると、一目で不在だと分かってしまいます。

留守中は新聞の配達を止めてもらったり、信頼できる家族や知人に郵便物を保管してもらったりするなど、ポストの中に郵便物をためないよう気をつけましょう。

【対策その3】留守にする期間などをSNSに書き込まない
SNSで旅行の行き先やスケジュールを公開すると、その情報がきっかけで留守中に侵入される場合があります。

不在であると分かるような内容の投稿はしないことがベストですが、どうしても投稿したい場合にはロック付きの記事にしたり、特定の相手にしか表示されないよう設定したりするようにしましょう。

また、旅行の行き先を書いていなくても、投稿した写真から居場所やおよその不在期間が想像できる場合もあるので、SNSに書き込む際は十分に気をつけましょう。


【対策その4】家の周りを片付けておく
脚立など侵入に使われそうなもののほか、ゴミなども片付けておきましょう。

庭先など家の周りにゴミを置かないことで、侵入被害だけでなく留守中の放火や野鳥の被害なども防ぐことができます。植木が茂っている場合には、選定して見通しを良くしておくのも良いでしょう。


【対策その5】留守番電話の応答メッセージにひと工夫
留守番電話に「○○へ出かけています。○日に帰ります」などのメッセージを設定している方もおられますが、その期間は留守だということが明らかなのでとても危険です。

応答メッセージには行き先や日程を録音しないようにしましょう。

留守中にかかってきた電話は、携帯電話やスマートフォンに転送されるよう設定しておくと、外出先から応答ができるので便利です。


【対策その6】洗濯物は取り込んでおく
たとえ数日の旅行であっても洗濯物が干したままになっていると、侵入できそうな住宅を物色している泥棒に、留守だと悟られてしまう可能性があります。

また、急な天候の変化のためにも洗濯物は取り込んでおくのが良いでしょう。

まとめ

いかがでしたか?泥棒に隙を見せないよう、日頃から家や周囲の防犯対策をしておくことが重要ですが、最も大切なのは住んでいる人の防犯意識です。「自分の家は大丈夫」と過信せず、泥棒の目線になって自宅を観察してみると今まで気付かなかった発見があるかもしれません。

今回ご紹介した対策方法を参考に、「泥棒に狙われにくい家」を目指してください。

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