これでもう安心!通夜・葬儀に参列する際に絶対に押さえておきたいマナーを解説
日本の通夜や葬儀にはさまざまなマナーが存在しています。しかし、通夜や葬儀に参列する機会はそこまで多くないため、参列をする予定が決まってから急いでマナーを確認する方も多いのではないでしょうか?そこで今回は、通夜や葬儀に関するマナーをまとめました。今回ご紹介するマナーを身につけ、安心して通夜や葬儀に臨めるようにしましょう。
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■通夜や葬儀に参列する際の基本的なマナーを確認
まずは、通夜や葬儀に関する基本的なマナーを押さえておきましょう。
【着用するもの】
通夜や葬儀の服装に関しては、男性も女性も喪服が基本となります。ただし、通夜に限っては男性は黒系のスーツ、女性は地味な色合いのスーツやワンピースでも問題ありません。なお、黒であればどのような服でも良いというわけではなく、光沢のある派手な服は避ける必要があります。
アクセサリーについては、男性は結婚指輪と腕時計以外は着用を避けます。女性の場合も派手なアクセサリーはマナー違反となるので、イヤリングもしくはネックレスのいずれかを選びましょう。なお、デザインについては白のパールが使用されたものが望ましいとされています。
コートなどの防寒着では、殺生を連想させる革と毛皮を避けることが大切です。また、コートを着用する際には、会場に到着する前に脱いでおくようにしましょう。
【時間に関するマナー】
通夜も葬儀も、基本的に遅刻はマナー違反となります。特に故人との最後のお別れとなる葬儀は、遅くても20分前には会場に到着するようにしましょう。
通夜についても、一般的には開始10分前に到着することが望ましいとされています。ただし、通夜は故人が亡くなった当日に開かれることもあるので、「時間内に到着することがどうしても難しい」という場合には多少遅れても問題はありません。開始から30分ほどの遅刻であれば焼香をすることも可能なので、多少遅れても会場に向かうようにしましょう。
【遺族との関わり方】
故人と親しい間柄であった場合は、遺族の方々に対して軽く挨拶をします。ただし、故人の死因を尋ねたり、世間話を持ちかけたりするなどの言動は控えるようにしましょう。
故人と特に親しい間柄でなかった場合は、遺族の方々に挨拶をする必要はありません。通夜や葬儀に足を運び、受付においてお悔やみの言葉を簡潔に述べるだけで気持ちは伝わります。
【仕事関係の通夜や葬儀の場合】
取引先やお得意様の方など仕事関係の方が亡くなった場合には、受付で名刺(右上に「弔」の文字を記載したもの)を渡すことがマナーです。名刺に記載されている本人が参列をする場合には、本人が参列したことを伝えるために名刺の左下を手前側に折り込むようにしましょう。
なお、代理人が参列をする際には名刺を折り込む必要はありませんが、代理人の名刺の右上に「代」の文字を記載することがマナーです。
【宗教や宗派に合わせる】
これまで通夜や葬儀に参列した経験がある場合でも、それだけで安心してはいけません。通夜や葬儀の形式は、故人の宗教や宗派によって大きく異なるためです。
日本では仏式が一般的ですが、神式やキリスト教式の通夜や葬儀では、香典袋の書き方などのマナーが異なります。そのため、故人の宗教がわかっている場合には、その宗教に関するマナーをきちんと身につけておきましょう。
■通夜・葬儀での正しい作法を身につけよう
通夜や葬儀に参列をする際に、「焼香のやり方がわからない」「数珠の使い方がわからない」などの声は多く聞かれます。焼香と数珠は、通夜や葬儀で重要な意味合いを持つものなので、これらに関するマナーもきちんと身につけておきましょう。
【焼香の作法】
焼香をする際には、まず遺族と僧にゆっくりと一礼をしてから、遺影に合掌と一礼を行います。そして、右手の親指と人差し指、中指の3本の指で抹香をつまみます。
抹香をつまんだら右手を額の前まで上げた後に、指を静かに擦る要領で香炉へ抹香を落とします。この動作を1回~3回ほど行い、遺影に合掌をしてから一礼をする方法が一般的とされています。
焼香の際に特に注意が必要になるのは、焼香の「回数」です。同じ仏式の葬儀であっても、宗派によって適切な焼香の数は異なるので注意しておきましょう。故人の宗派がわかっている場合には、事前にその宗派の焼香のやり方を調べておくことが望ましいです。
【数珠の作法】
通夜や葬儀において、数珠は合掌をする際に使用します。左手にかけて右手を添える形で合掌をするか、もしくは両手にかけて合掌をする方法が一般的です。ただし、数珠の使い方も宗派によって細かい違いが見られるので、可能であれば事前に確認をしておくことが望ましいでしょう。
なお、焼香の際には数珠を左手の親指と人差し指の間にかけて、体の前に差し出す姿勢を取ることがマナーです。数珠を使用しない場合も、同じように左手の親指と人差し指の間に数珠をかけるようにしましょう。
■通夜・葬儀での挨拶におけるマナー
通夜と葬儀では、遺族への挨拶にも注意をする必要があります。挨拶をするタイミングによって遺族にかけるべき言葉は少し異なるので、以下では適切な挨拶を各シーンに分けてご紹介していきましょう。
【受付での挨拶】
会場の受付では、喪主や遺族の方に対して軽く一礼をするだけで問題ありません。挨拶をしたい場合には、「この度はご愁傷様です」のように軽く挨拶をする程度にとどめましょう。
なお、受付から開式までの間に挨拶をする際にも、簡潔にお悔やみの言葉を述べることが大切です。遺族の方々をできるだけ気遣いたい場合は、「何かお手伝いできることはございますか」のように声をかけましょう。
【故人と対面をする際の挨拶】
遺族に許可を得て故人と対面をする場合にも、きちんと挨拶をするようにしましょう。対面後に「ありがとうございました」とお礼を述べることはもちろん、遺族を思いやる言葉も忘れてはいけません。
具体的な言葉としては、「穏やかなお顔ですね」「安らかに眠っておりますね」などが挙げられるでしょう。
【通夜ぶるまいでの挨拶】
地域によっても異なりますが、基本的に通夜ぶるまいでは賑やかに会話をするべきではありません。遺族の方々と会話をする場合には、お悔やみの言葉など必要最小限の挨拶にとどめて、遺族の方の話を聞くように意識しましょう。
さらに通夜や葬儀の挨拶では、「忌み言葉」を避ける必要があります。下記の言葉は忌み言葉に該当する恐れがあるので、挨拶の際には使用を控えるようにしましょう。
・生死を連想させる言葉…「生」がつく言葉、「死」がつく言葉など
・同じ発音が連続する言葉…たびたび、重ね重ねなど
・続くことを連想させる言葉…再三、続いてなど
・不吉な数字…四や九が含まれる言葉
通夜や葬儀において忌み言葉はマナー違反とされるので、例えば「亡くなる」や「逝去」のように、普段とは少し異なる言葉を使用することが一般的です。遺族の方々への挨拶を予定している方は、上記でご紹介した忌み言葉が含まれないように一言一句確認しておきましょう。
■マナー違反に注意!通夜・葬儀のNG集
上記でご紹介した以外にも、通夜や葬儀ではするべきではない言動がいくつかあります。以下では、通夜や葬儀で特に注意したいNG言動をご紹介していきましょう。
【数珠の貸し借り】
数珠を忘れたからと言って、気軽に貸し借りをする行為は望ましくありません。数珠は各個人が持つものであり、持ち主の分身といった意味合いを持っているためです。
なお、数珠はもちろん持参することが望ましいですが、ないからと言って深刻なマナー違反にあたるわけではありません。数珠を忘れても焦らずに、故人を悼むこと以外は考えないようにしましょう。
【私語】
これは当然とも言えるマナーですが、通夜や葬儀において私語は厳禁です。故人との思い出や生前の様子など、故人に関する話も基本的にはNGとなるので注意しておきましょう。
喪主や遺族に対する挨拶と同じように、参列者同士の挨拶も軽くとどめることがマナーとされています。
【自分から挨拶に向かう】
挨拶の準備をしたからと言って、喪主や遺族の方々に自分から挨拶に向かうべきではありません。通夜や葬儀は故人を悼む場ですし、挨拶に向かうことで遺族の方に余計な負担をかけてしまう恐れがあるためです。
受付以外で挨拶をする際には、遺族の方との距離が偶然近くなったタイミングなど、自然な流れで行うようにしましょう。また、仮にそのようなケースであっても、黙礼をすれば挨拶をする必要は特にないとされています。
【焼香をしてすぐに退席をする】
通夜や葬儀は、基本的に終わるまで在席することが望ましいとされています。そのため、焼香が済んだからと言ってすぐに退席をするべきではありません。
やむを得ず退席をする場合には、遺族や受付の方々に「本日はこれで失礼いたします」と一言添えてから会場を後にします。退席をする具体的な理由については、特に相手方に伝える必要はありません。
■通夜・葬儀に参列する際に持っていくべき物
通夜や葬儀に参列する際には、いくつか持参するべき物があります。前述では適した服装について軽く触れましたが、「小物類」も忘れてはいけません。そこで以下では、通夜や葬儀で必要になる小物について解説していきましょう。
【香典】
香典とは、香の代わりに霊前に供えるお金のことです。故人との間柄や年齢によって適した金額は異なりますが、通夜や葬儀では3,000円~100,000円前後のお金を香典袋に入れて、受付で渡すことが一般的なマナーとされています。
また、宗教や宗派によって適した香典袋が異なる点にも注意が必要です。事前に宗教や宗派を調べておくことが望ましいですが、わからない場合には「御霊前」と記載された香典袋を用意しておきましょう。
【ふくさ】
ふくさとは、香典袋を入れて持ち運ぶための袋のことを指します。香典袋をそのまま鞄から出して渡す行為はマナー違反とみなされるので、必ず香典袋はふくさに入れるようにしましょう。
また、ふくさを用意する際には「色」に注意を払う必要があります。一般的に通夜や葬儀では、紫色や藍色、緑色、灰色などのふくさが望ましいとされています。
【ハンカチ】
必ず必要になる物ではありませんが、ハンカチも持参するべき物と言えるでしょう。通夜や葬儀では色物のハンカチはマナー違反とみなされるので、白もしくは黒のハンカチを用意します。また、派手なデザインのハンカチは避けて、基本的には無地などフォーマル用のハンカチを持参するようにしましょう。
【数珠】
前述でご紹介した数珠も忘れてはならない小物です。ただし、仏式以外の通夜や葬儀では数珠は必要がありません。
仏式の通夜や葬儀に参列をする際には、可能であれば宗派を事前に調べておき、各宗派に適した数珠を用意するようにしましょう。
【傘】
雨天の場合には傘が必要になりますが、傘に関しても派手なデザインは避けるべきです。黒や藍色、灰色など地味な色合いであり、余計な装飾が施されていない傘を選ぶようにしましょう。
このように、通夜や葬儀で持参するべき物は少なくありません。基本的には派手な色やデザインを避けて、殺生を連想させる素材が使用されていない小物を選べば問題ないでしょう。
また、上記の小物に加えて「鞄」の選び方にも注意を払いたいところです。鞄に関しては色が黒であり、布もしくは革で作られたものを選ぶようにしましょう。鞄の種類については男性はクラッチバッグ、女性はハンドバッグを選ぶことがマナーとされています。
「鞄が小さくて持ち物が収まりきらない」という場合には、コンパクトサイズのサブバッグを使用する方法がおすすめです。特に女性の方は荷物が多くなりがちなので、事前に全ての持ち物を確認しておき、ひとつのバッグに収まりきらない場合はサブバッグをきちんと用意しておきましょう。
■まとめ
通夜や葬儀は、あくまでも故人を悼むために設けられる場です。そのため、参列者自身が目立つ必要はなく、ふさわしい格好で適した振る舞いをしなくてはなりません。
不安を感じている方は今回ご紹介したマナーを参考にして、会場でどのような振る舞いをするべきかイメージしてみましょう。また、直前になって慌てないように、持ち物を細かくチェックしておくことも大切です。
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