【結婚式お呼ばれ】披露宴の食事で気をつけたいテーブルマナー

結婚式・披露宴の食事の席では、まず椅子の左から座ります。カトラリーは外側から順番に使うのがマナーです。ナプキンは食事が出る前に膝の上に広げ、口や指先をふくときだけに使いましょう。グラスで乾杯をするときにはグラスをぶつけないのがマナーです。和食についても、器や箸の扱い方、食べ方の順番など注意してください。2人の門出を気持ちよく祝うためにも、マナーを守っておいしく食事をしましょう。

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■席の座り方・立ち方

結婚式の披露宴など改まった食事の席では、席に座るときからマナーに気を配る必要があります。一般的な披露宴には多くの方が参加するので、いつ誰に見られているのかわかりません。そこで以下では、披露宴で特に押さえておきたいポイントをご紹介しましょう。

【基本の座り方・立ち方】

まず自分の席へ向かい、テーブルのそばに立ちます。するとスタッフが椅子を引いてくれますので、椅子が足に当たったら掛けましょう。

椅子に座るときには、椅子の左側から座ります。これは洋式では右側が上位であるため、右側を避けるためです。

また手持ちのバッグも左側に置きましょう。腰の隣か床の上に置きます。背もたれと背中のあいだには置かないのがマナーです。

中座するときや食事が終わったあと、席を立つときも左側から立ってください。

【きれいな座り方】

テーブルマナーとして、座り方もできるだけ美しい座り方を心がけましょう。椅子の真ん中あたりに腰掛け、テーブルと自分のあいだに握りこぶし2個分のスペースが開くようにします。腰掛けるのが深すぎても浅すぎてもよくありません。背筋は自然に伸ばし、背もたれにもたれかからないようにしましょう。足も上品にそろえて座ってください。

■カトラリーとは? カトラリーを使う順番

カトラリーとは、食事の際に使用するスプーンやフォーク、ナイフを総称した呼び方です。以下では、カトラリーの正しい使い方について解説していきましょう。

【カトラリーを使う順番】

テーブルにはカトラリーがずらりと並んでいますが、これらは外側から順番に使うのがマナーです。1皿でスプーン1本ずつ、あるいはナイフとフォーク1組ずつ使います。1皿食べ終わったら皿と一緒に下げてもらいましょう。ただし、ナイフレスト(ナイフ置き)が出ていたら「次の皿も同じカトラリーで食べてください」という合図です。前菜が2~3皿出るときなどにナイフレストがあることがありますので、心に留めておきましょう。

【カトラリーの使い方】

ナイフとフォークを使うときは、ナイフを右手に持ち、フォークを左手に持ちます。ナイフを持つときは包丁を持つときのように、人差し指を背に添え、親指も前を向くようにします。ひじを張ると力が入りすぎてしまうだけでなく見た目も美しくないため、自然に脇をしめるのがポイントです。フォークで食べ物を刺して支えながらナイフで切り、左手のフォークで口に運んで食べましょう。左手で食べにくい場合はフォークを右手に持ち替えてもOKです。

ナプキンで口をふくときや中座するときなど、食事を中断するときは、ナイフとフォークをハの字型に置きます。ナイフは刃を内側に、フォークは腹を下にしましょう。これが「食事中」のサインですので、料理を途中で下げられなくてすみます。

スプーンは右手で持ち、左手で軽く器を持って使います。スプーンの使い方はイギリス式でもフランス式でもかまいません。イギリス式は皿の手前側からスプーンを入れて、皿の外側に向かってスープをすくう日本人になじみのある方法です。フランス式の場合は、皿の奥、あるいは横からスプーンを入れて中央に向かってすくいます。なおいずれの場合も、スプーンを口に入れる際はスプーンの先を自分に向けて飲むのが正式です。

1つの皿の食事が終わったら、ナイフとフォークの柄が手前にくるように向きを変えて、右斜め下にそろえて置きます。ナイフは刃を内側に、フォークは腹を上にしましょう。スプーンは皿の上に、自分に対して平行な向きで、腹を上に向けて置くのが基本です。もしスープ皿が取っ手のついたタイプである場合は、カップの向こう側にスプーンを置きましょう。

【カトラリーを落としたときは】

もしカトラリーを落としてしまったときは、まず同じテーブルの人に「失礼しました」と一言言いましょう。そして軽く手を挙げてスタッフを呼び、新しいものと取り換えてもらってください。

■ナプキンの使用マナー、グラスの扱い方

普段使い慣れていないナプキンの使い方には迷う人も多いかと思います。またたくさん並んだグラスもどれを使えばいいのか悩むものです。以下で正しいマナーをご紹介しましょう。

【ナプキン】

着席したら食事が運ばれる前までにナプキンを広げて膝に置きましょう。広げたナプキンを折るときは、まず少しずらして2つ折りにしたあと、山になっているほうを手前にして置くときれいです。三角に折るなどしてもかまいません。

食事中は、口や指先だけをふくときだけにナプキンを使いましょう。中座するときは、ナプキンを軽くたたんで椅子の上に置きます。汚れがある場合は、外から見えないように折っておくようにしましょう。

ナプキンを落としてしまった場合もカトラリーの場合と同様に、自分で拾わずスタッフを呼びます。なお同席している人がナプキンを落としても、相手に恥をかかせないため、気づかないふりをするのがマナーです。

食事が終わったら、たたまずに椅子の上に置きましょう。汚れた部分は隠すようにしてください。

【グラス】

並べられたグラスのうちどれを使うかは飲み物によって変わるため、基本はスタッフに任せましょう。ちなみに、長めのグラスはシャンパングラス、足が短めでそこが大きいものはブランデーグラス、細く長い足をしたものがワイングラスです。ワイングラスは白用と赤用があり、小さいほうが白用になります。また赤用のワイングラスより一回り大きなものは水用です。

スタッフが飲み物を注いでいるときは、グラスを持ったりグラスに手を添えたりする必要はありません。テーブルの上に軽く手を置くなどして待っておきましょう。

グラスを持つときは足の上の部分を持つと、安定してきれいに持てます。また乾杯の際はグラスをぶつけず、グラスを目の高さあたりまで持ち上げて、一口だけ飲みましょう。

食事中に飲み物を飲む際は、グラスに汚れがつかないよう、飲む前にその都度ナプキンで口をふくのが美しい飲み方です。またもしグラスに口紅がついてしまったら、指で軽くふいてからさらにナプキンでふきましょう。

飲み物が少なくなったり空になったりしたら、こちらから何も言わなくてもスタッフがおかわりを注いでくれます。自分たちの手ではおかわりは注ぎません。なおおかわりを断る際には、グラスに軽く手をかざすのが合図です。

■和食のテーブルマナー

知っているようで知らない和食のマナーも心得ておきましょう。以下で詳しくご紹介します。

【器の扱い方】

和食は洋食と違い、器を手に持って食べるのがマナーです。右手に近い器は右手で、左手に近い器は左手で引き寄せましょう。そして器を持つときは、両手で包むようにして持ち上げます。器を持つたびに箸は休めてください。器を持つ高さは、胸元くらいまでが目安です。

お椀の蓋を開けるときは両手を使います。左手でお椀のふち、右手で蓋の糸底を持ち、蓋を手前から向こう側に向けて静かに開けましょう。このとき、蓋から蒸気のしずくを垂らさないよう注意が必要です。蓋をお椀の右ふちに立てかけて数秒待つ「露切り」を行うようにしてください。蓋を置くときは、蓋を裏返し、 両手で折敷の右側に置きましょう。なお、食べ終わったら、蓋は食事を出されたときのように戻します。

【箸の使い方】

食べ始める際、箸は両手で手に取りましょう。食べている途中に箸を休めるときは、皿に置かずに箸置きへ置きます。もし箸置きがない場合は箸袋を折って箸置きにしてかまいません。おみくじを折るときの折り方である千代折りや、山型折りなどにして箸置きを作りましょう。食べ終わったあとは、箸置きにそろえて置きます。箸袋がある場合は袋に戻しましょう。

【料理別の食べ方】

和食は、料理ごとに適切な食べ方があります。以下で詳しく見ていきましょう。

■刺身は味の淡白なものから食べます。わさびはしょうゆに溶かさず、刺身の上に少しだけのせて食べるのが風味を生かした食べ方です。大葉やつまも食べてかまいません。

■天ぷらも味の淡白なものから食べます。器の手前から奥に向かって、味の淡白なものから盛られているため、手前から順に食べ進めましょう。盛りつけを崩さずに食べられます。

■みそ田楽など串に刺さった料理は、串を外して食べます。左手で串を持ち、箸を持った右手で料理を取り外してください。

■煮物は、箸から汁がこぼれないようにしながら食べましょう。煮物のつゆは両手で器を持てば飲んでもかまいません。

なお、食事を残してもマナー違反にはなりません。見栄えの悪くないよう端に寄せておきましょう。

【懐紙の使い方】

懐紙とは、和紙を重ねて2つ折りにしたものです。食事の席で向こうから出されるわけではありませんが、マナー上級者として持っておくと重宝します。以下で具体的な使い方をご紹介しましょう。

・ナプキン代わりに使えます。口元や手元が汚れたときに使いましょう。なお洋式のナプキンとは違い、テーブルが汚れたときにも懐紙でふいてかまいません。

・取り皿代わりに使えます。水気の少ない料理を一時的に置いたり、汁がこぼれそうな料理を取る際に左手に添えたりして使いましょう。

・焼き魚を食べるとき、頭部分に懐紙を添えて押さえると食べる姿が美しく見えます。また皿に残った骨を懐紙で覆い隠すのもよいでしょう。

なお懐紙は席についてもテーブルの上には置きません。和服であれば胸元、洋服であればポケットのなかに入れておき、使う都度出すのがマナーです。

■厳禁! 披露宴の食事でのNGなふるまい

以下は、結婚式の披露宴における食事では特にやってはいけないふるまいです。気をつけてください。

【着席時】

・席を決まった席から変更するのはNGです。席次には、上座・下座などきちんとした意味があります。

・バッグをテーブルの上に置くのはマナー違反です。

・座ったときに足を投げ出したり、足を組んだりするのは行儀がよくありません。

・ひじをつく、頬杖を突く、腕組みをするなどといったふるまいは避けましょう。

【カトラリーの使い方】

・カトラリーを使う際は、ガチャガチャと音を立てないようにしましょう。

・ナイフとフォークを使う際に、先に料理のすべてを細かく切ってはいけません。料理は切り分けながら食べるようにしましょう。またフォークに刺した料理を一口で食べないでかじるのもマナー違反です。

・カトラリーを落としたときに自分で拾うのはマナーに反しています。先述したとおりスタッフに取り換えてもらいましょう。

【ナプキン・グラスの使い方】

・ナプキンを襟にかけるのは誤った使い方です。ナプキンは膝に置きましょう。

・ナプキンでカトラリーやテーブル、グラスの汚れを取るのはマナー違反です。

・ナプキンの代わりに自分のハンカチやティッシュを使うのは、「このナプキンは汚れていて使えない」という意志を表すのでNGです。

・食後にナプキンをきれいにたたむのは「料理がまずかった」という合図になるため失礼にあたります。

・乾杯の際にグラスをカチンとぶつけてはいけません。グラスが割れる恐れがあります。

【和食のマナー】

・盛りつけを崩して食べるのはお行儀がよくなく、料理を楽しんでいないとみなされるためNGです。

・手皿で受けながら食べるのは行儀がよくありません。先述したとおり懐紙を使いましょう。

・器に口を近づけたり、器から直接口にかきこんだりするのはマナー違反です。

・刺し箸、迷い箸、涙箸、持ち箸など、間違った箸の使い方をしないようにしましょう。使い慣れた箸ですが、正しい使い方を前もって復習しておいてください。

■まとめ

今回は、結婚式の披露宴における食事のマナーについてまとめて解説しました。いかがでしたか? 新郎新婦の晴れの門出を祝うため、テーブルマナーはきちんと守って食事をしたいものです。今回ご紹介した内容を参考に、失礼のないよう、マナーを守っておいしく披露宴の食事を楽しんでくださいね。

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