居宅訪問型保育を利用して復職!メリットデメリット、費用や1日のスケジュールは?

赤ちゃんのお世話をしながら仕事をすることは予想以上に大変!待機児童になった子と、仕事を諦めたくないママを救ったのは保育士が自宅に来てくれる保育事業「居宅保育」でした。居宅保育って何?条件はあるの?居宅保育を利用して復職した私の体験談です。

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コロナで仕事にも影響!保活をスタート

私は2020年9月に未子を出産をしましたが、個人事業主のため、企業や就業先の福利厚生であるいわゆる「育休」がありません。そのため、法律で取得が義務とされている産前休暇(出産予定日から6週間)と産後休暇(出産翌日から8週間)の期間のみ休業し、11月より保育園の入園が決まるまでは赤ちゃん同伴就業で復職をしました。

しかし復職した頃は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で緊急事態宣言が発動された時期。私も夫もリモートワークで在宅勤務となる場合、既に保育園に通っている1歳と4歳の2人の預け入れも不可になってしまいました。

まだ首も座っていない生後3カ月の赤ちゃんと未就学児2人の育児をしながらの在宅勤務は想像以上に大変。仕事は大幅に滞り、私の体調や仕事に影響が出てきてしまいました。

昨年度の年末、未子を「保育園0歳児クラス」の途中入園に申込みましたが「受け入れ人数に空きがない」という理由で待機児童になり、保育園の入園が決まるまで”保活”をすることになりました。

おうちが保育園になる居宅(きょたく)保育とは?

待機児童となり、ベビーシッターを頼もうと思って区役所に相談したところ、

「居宅訪問型保育」

を紹介されました。

居宅保育とは<待機児童となった家庭に保育士を派遣するサービス>で、自治体が待機児童対策として行う「居宅訪問型保育事業」です。東京都では新宿区・豊島区・練馬区・杉並区・千代田区などで導入し、居宅保育の申し込みは区役所の保育課です。

区役所が保育事業を行う運営会社に委託し、運営会社に所属する保育士が利用者の自宅の一室で、対象児童と1対1で過ごします。

完結に言うと、保育園の先生がおうちに来てくれて、保育をしてくれるサービスです。

居宅とベビーシッターとの違いは?

居宅保育は就業と通勤時間を保育時間として利用できるので、両親が勤務中、ほぼ1日子どもと一緒に過ごします。仕事がお休みのときや発熱や病後、登園許可が必要な感染症を発症している場合は保育園と同じで利用できません。

また、虐待防止のため、児童1人に対し複数名の先生が担当されます。未子の場合は5人の先生が日替わりで来てくださったのですが、まったく人見知りせず、どの先生が担当になっても楽しそうに笑い声を出して過ごしていました。

いっぽう、ベビーシッターは仕事以外にも子どもの送迎や、リフレッシュ休暇、夜間や数時間だけの利用と、勤務時間外や自宅以外での保育にも対応しています。比較的時間に融通が効き、単発で利用する方が多いそうです。また、シッターさんを指名できるので利用する際は、お子さんがお気に入りの先生に頼めるという安心感もありますね。

また、居宅で派遣される先生は保育士の資格を持っていますが、ベビーシッターの先生は保育士の有資格者もいれば、研修を行った無資格者の方、看護師の資格をお持ちの方もいます。

会社の福利厚生や行政の子育て支援としてベビーシッター利用券や割引券などを使用できる地域にお住まいのご家庭では、居宅保育の後に、ベビーシッターを併用するケースもあるそうです。

費用はどのぐらいかかるの?

居宅保育利用の費用は月額制で、保育料は認可保育園と同じ扱いになるので区役所より請求があります。第一子か第二子か、また、所得額や月齢によって保育料が異なります。保育料とは別に実費として、利用日数分の交通費が発生する場合もあるそうです。

ベビーシッターの費用は時給制で、利用した時間分や交通費を保育料として契約した運営会社に支払います。

居宅保育を利用するまでの流れ

区から発行される通知で居宅保育の利用が決まったら、区が委託(選定)した保育事業者と利用に向けてヒアリングの面談をします。なかには保育事業者を指定できる自治体もありますが、私の地域は指定ができないので、保育事業者からの連絡を受けて面接の日程を決めました。

面接の日は自宅に保育事業運営会社のコーディネーターさんが来てくださり、子どもの様子やペットの有無、諸注意などの説明を受けました。その際に、実際に保育する部屋を見学してもらったり、質問にも答えてくれ、利用にあたり契約書を結んだら翌月1日より居宅保育の開始です。

11月に居宅保育の利用を申し込みましたが、利用開始まで2カ月かかりました。利用人数の定員や、書類を一式揃える必要があったり、申請の締め切りもあります。すぐにサービスを開始したい人は、ご自身でベビーシッターサービスを手配したほうが区役所の承認が必要な居宅保育より早く利用できると思います。

利用してよかった!メリットとデメリット

メリット

居宅保育は慣らし保育がないので、初日からフルで仕事ができた点や、保育園の送迎がないため移動時間を仕事に使える点がメリットでした。そして先生と過ごす保育場所は普段生活している部屋。お気に入りのおもちゃがあるので、場所見知りの心配もなく子どもがリラックスした状態で預けられました。

雨や嵐の日の送迎もなく、また先生とのマンツーマン保育は、集団生活で風邪をもらう心配もなく、居宅保育中に一度も風邪をひかなかったことは本当に助かりました。

デメリット

管轄が区役所なので利用まで時間がかかる点、自宅が保育園なので、保育終了後に利用者が掃除をする点や暖房や電気代、ミルク代などの諸費用が発生する点はデメリットだと感じました。

また、保育園と違って給食の提供がないため、赤ちゃんの食事は利用者が用意します。出勤がある方は離乳食やお弁当を用意してから出発しないといけません。

散歩などで保育士さんが家を空ける場合もあるので、家の鍵をお預けしますが、鍵を渡すことや留守中に保育士さんを家に上げることへの抵抗感がある人は、居宅保育利用には向いていないかもしれません。

居宅利用に必要なアイテムは?

基本的には赤ちゃんのいる家庭にあるもので十分です。お散歩用におんぶ紐、手作りのおもちゃを持参する先生もいらっしゃいました。

紙オムツセット一式(おしりふき、新聞紙、ビニール袋)

着替え(スタイ・靴下・上着など)

口吹き用タオル

赤ちゃんのおもちゃ(絵本や歯固め、積み木など)

赤ちゃん用布団(ベビーラックでもOK)

ミルク一式(哺乳瓶、粉ミルク、消毒容器)

抱っこ紐・ベビーカー

ティッシュペーパー

オムツ用ゴミ箱

オムツ替えのときに使用する「ビニール手袋」、緊急時の「簡易版AED」、家庭との連絡手段の「保育園ノート」の3点は保育士さんが用意してくださいました。

居宅保育の1日のスケジュール

初めて対面する保育士さんには、保育する部屋に案内し、手洗い場所やオムツの処理、調乳や消毒の方法などをお伝えします。2回目以降は説明は不要なので、保育士さんの到着後、保育の準備が整ったら、子どもを預けることが可能です。

8:50

保育士到着

保育士は手を洗いエプロン装着

9:00

保育開始

連絡帳を渡し、体温測定。体調や時間に変わりがないか確認し預入れ

10:30

保育

     

天気のよい日は公園や児童館へ散歩

11:20

食事

ミルクを調乳して飲ませてくれます

11:30

入眠

布団やラックに寝付かせ

14:20

目覚め

体温測定・オムツ交換など

15:00

食事

ミルクを調乳して飲ませてくれます

16:00

散歩

町内散歩で気分転換

17:00

保育終了

保育ノートを受け取り先生とお別れ

保育内容は保育園とほぼ同じ。先生が持参したおもちゃや絵本の読み聞かせ、寝かしつけ・室内遊びから散歩や公園などの外遊びまで、月齢や成長によって保育計画をしてくれます。

天気の良い日はバギーで児童館や少し遠くの芝生のある公園に連れて行ってもらい、未子と先生でお散歩を楽しんでいました。

利用した感想

赤ちゃんのお世話をしながらの在宅勤務中は、仕事の対応が途切れず泣きっぱなしにさせてしまったり、お散歩や公園、児童館にも連れていけず、母の仕事に付き合わされていた末子でした。

また、私自身も仕事がスケジュール通りに進まず、焦りやイライラが募り気持ちに余裕がなくなることも。昼間できなかった分を睡眠時間を削って作業を行い、ほぼ徹夜で体を壊す日もありました。

しかし、居宅保育を利用してからは、抱っこでしか寝付かなかった末子がラックの上で一人で寝付いたり、日中にたくさん保育士さんに遊んでもらっているおかげで、夜もグッスリ。生後5カ月にも関わらず生活リズムが出来上がっていました。

そして無事に保育園の入園が決まり、4月より慣らし保育がスタート。既に居宅保育で複数の保育士に面識があった未子は場所見知りも人見知りもせずお昼寝も食事も問題なく過ごし、初日から慣らし保育終了までスケジュール通りに進みました。

居宅保育は働くママの「希望」。いいこと尽くしだった!

今回、待機児童になっても家で子どもを見ながら仕事を続けるという選択をした結果「居宅保育」という新しい保育の形を体験することができました。居宅保育を利用することで、仕事の効率も通常に戻りました。その後、新年度の保育園入園も決まり、未子は居宅保育の条件である「待機児童」ではなくなったため、3月末で居宅保育の利用は終了になりました。

居宅保育は「待機児童になっても働きたい!」という強い意思のあるママを救ってくれた希望の事業でした。

今まで子どもが小さい頃は「保育園」一択しかないと思い、待機児童になってしまったら仕事自体を辞めないといけないと悩んだ時期もありましたが、<子どもが待機児童になったから仕事を辞める>という状況は、育児も仕事もしたい女性にとっては不本意であり後悔が残ります。

現在は東京の限られた地域でしか実施されていない居宅保育。待機児童や出産の不安を解消するために、全国的に導入されて、子どもがいる家庭がどんな状況になっても安心して働ける社会になってほしいと心から願います。

この記事を書いたライター

meguさん

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