
熊本地震の教訓 ~全ての建物に構造計算を!~ その2
耐震等級2では足りないのか? 耐震化はどこまでやればいいのか。
その1からの続き
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(その1 から続く)
ここでは、ザックリと耐震等級2の住宅が倒壊した原因について指摘されていることを書いておきたい。
①軟弱地盤だった
②熊本県は地震が起きにくい地域に指定されていて、そもそも基準が低かった
③耐震等級2ではあるが、構造計算をしていなかった
①については、この地域が阿蘇山の火山灰地層でもともと軟弱な上に、この住宅の宅地は5mほど盛り土をしていたので、かなり軟弱な地盤だったのは間違いない。建築基準法では、軟弱地盤の場合は耐震壁を5割増しにせよ、となっているのに、この住宅ではしていなかった、というのが指摘されている。
ただ、杭は施工されているので、必ずしも設計ミスとは言えないし、また、地面の表層が軟弱だからといって家が壊れやすいとは限らない、という調査結果も出ている。なので、これが一番大きな原因だったとは考えにくい。
②については、火の国と言われる熊本がなんで地震がおきにくい地域に指定されているのか理解に苦しむが、国の規定でそうなっている。今回の震源地域は、普通の地域の90%の耐震強度でOKということになっている。
だから、25%増しの耐震等級2も、実際は1.25x0.9=1.125 で12.5%増しでしかなかった。
とは言え、12.5%は割り増ししていたのだから、これが主原因とは考えにくい。
③について。耐震等級2の認定には、構造計算をするやり方と、しない簡易のやり方がある。
この住宅は、簡易のやり方で認定をとっていたようだ。
日経ホームビルダーという専門誌で、この家の設計を正式の構造計算(許容応力度計算)にかけたらどうなるかいう検証をしたところ、なんと軒並みNGとなった。
細かい説明は専門的になりすぎるので省くけれども、構造計算無しでOKの建物でも、構造計算すると軒並みNGになり、そして本当に倒壊してしまった、というのが、この耐震等級2住宅の倒壊事件なのだ。
つまり、耐震等級2が弱いということではなく、構造計算を省略した等級2は、本当の等級2になっていなかったということ。
耐震は、どこまで求めるのかが本当に難しいけれど、震度7が2回来ても倒壊して圧死するのはイヤだ、というレベルであれば、正規の構造計算をして間違いない工事をすれば、まず大丈夫だということが、未曾有の震災だった熊本地震の教訓である。
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