天災で受けた車の損害は、自動車保険でカバーするべき?

最近は「異常気象」という言葉が当たり前に使われるようになりました。今までに経験したことがないような豪雨が短時間で降ったり、竜巻や雹(ひょう)といった天災による被害も増えています。何より、日本に住んでいる以上「地震」への備えは絶対的な課題といえます。このような天災に対して、私たちの生活に欠かせない自動車への損害を補償する自動車保険は大切な役割を担っています。天災による車の損害を自動車保険でしっかりカバーするポイントを解説します。

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天災の損害にはどのような種類があるのか?

天災にはいくつか種類がありますので、まずは天災による車の補償を考える上で、どのような種類の天災が対象になるのかみていきます。

天災の損害

・台風による損害
・大雨・集中豪雨・ゲリラ豪雨による損害
・洪水による損害
・竜巻や突風による損害
・雹(ひょう)による損害
・大雪による損害
・落雷による損害
・高潮による損害
・地震による損害
・噴火による損害
・津波による損害

※保険会社によって表現が異なる場合があります。

台風による大雨で車が道路で立ち往生しているシーンは、テレビのニュースなどでご覧になったことがあるかと思います。代表的な天災による損害をピックアップしましたが、これらの天災による損害を自動車保険の補償対象とするには、「車両保険」という特約が必要です。

また、一般的な「車両保険」では、地震・噴火・津波などの補償は対象となりませんので注意が必要です。

補償対応一覧表

※保険会社によって異なる場合もあります。

天災による車の損害を補償する「車両保険」について

そもそも車両保険にはどのような補償があるのでしょうか。車両保険とは、自分の車の修理費用等を補償する自動車保険の特約です。例えば自分で運転をしていて事故を起こし、車を修理する費用を自動車保険加入時に設定した金額を上限に、修理費用を補填してくれます。天災によって車が損害を受けた場合、この車両保険から保険金が支払われるのです。

ただし、繰り返しにはなりますが、一般的な車両保険では地震・噴火・津波などによる被害は補償の対象となりません。

なぜ、地震・噴火・津波は対象外なのか?

地震や噴火・津波などの天災は、発生時期や頻度を予測することが難しく、また一度に広範囲に被害が及ぶ可能性が高く、保険会社が補償できる金額の上限を超える可能性があることから、一般的には「対象外」としている保険会社が多くなっています。

地震・噴火・津波が対象となる特約も

一般的な車両保険では地震・噴火・津波は対象外ですが、地震の多い日本では「地震・津波」などへのニーズが高いのも事実です。このようなニーズに応える保険会社も増えており、「地震・噴火・津波車両全損時定額払い特約」を付加することで補償の対象とすることもできます。

主な補償内容は、自動車が「全損」状態になった場合、一時金を支払うものです。地震や津波によって車を失った場合、生活再建のために車が必要となる方も多いと思います。多くの保険会社が上限50万円の一時金としていますが、詳細については各保険会社に問い合わせるといいでしょう。

車両保険を付加するメリット・デメリット

天災に対する損害を補償するには、車両保険を付加する必要があることをご理解いただけたと思います。ここで改めて、車両保険を付加するメリット・デメリットを解説します。

車両保険を付加するメリット

メリットは補償です。天災に限らず事故等による車の損害を補償するのが車両保険。意外とちょっとした凹みやキズを修理するだけでも、10万以上の請求が発生するケースもありますので、修理時に必要な費用を受け取ることができるのがメリットです。

車両保険を付加するデメリット

デメリットは保険料が高くなることです。例えば下記条件で試算した場合、車両保険を付加するかしないかで下記のような保険料の違いがあります。

【試算条件】(ネット自動車保険)
・35歳ゴールド免許 
・新車ホンダNBOX 
・レジャー目的
・車両保険190万円
・免責0-10(※)
・対人対物、無制限補償
・人身傷害5,000万円
・搭乗者傷害1,000万円
・各種特約

※免責とは事故を起こして保険を利用する際、自己負担する金額です。「0-10」の場合、1回目の事故の自己負担は0(ゼロ)、2回目の場合は自己負担10万円という意味です。

今回の条件では、保険料に2倍以上の差があることがわかります。このように車両保険を付加すると保険料負担が重くなるのです。

車両保険を付加する際は免責金額の設定も考慮しておくことが必要です。私たちが自己負担する額が少ないほど保険料の負担は高くなりますので、天災による大きな損害への補償だけに絞って備える際は、あえて免責金額の設定を高くすることで保険料の負担を安くし、程度の低いキズは対象としない、という考え方もあります。全損などの大きな損害に備えて車両保険を利用するなど、目的にあわせて加入するといいでしょう。

天災で車が損害を受けて車両保険を利用する際の注意点

実際、天災で車が損害を受けて自動車保険を利用する際に注意したい点があります。それは等級ダウンによる次年度の保険料負担が増えることです。

自動車保険は「等級(ノンフリート等級)」というものが設定されていて、自動車保険を利用すると等級が下がるようになっています。天災時の損害に対して自動車保険を利用した場合は1等級ダウンします。天災による損害の請求を保険会社にする前に、等級ダウンによる次年度更新時の保険料負担を確認することも大切です。

天災への備えとして、自動車保険でどこまでカバーするか検討を

異常気象が毎年のように繰り返すようになり、私たちの天災に対する意識も変化が必要な時期なのかもしれません。天災による自動車の損害を補償するためには「車両保険」の付加が必要ですが、保険料の負担も増えることになります。自動車保険でどこまでの補償を確保するべきか? 家計の状況や考え方を整理して加入しましょう。

プロフィール

岩渕昇
FP2級。結婚を機にお金のやり繰りに直面。お金の知識の必要性を実感し、その勢いでFP会社へ転職。「"今"を賢く使って、家族の"未来"を豊かに」をモットーに、将来を見据えたライフデザインへのアドバイスを提供。現在は、個人相談のかたわら、低金利時代でも賢く資産を殖やすためのヒントを、企業研修やブログを通じて広く発信している。

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