生命保険は親が子どもの保険料を払うとお得?生命保険を活用した節税対策!

みなさんは何かしら生命保険に加入していると思います。生命保険に加入すると、保険の契約者は誰か、被保険者や保険金の受取人を誰にするのか、契約形態を検討しなければいけません。その契約形態によって、被保険者が死亡したときなどに誰が保険金を受け取るのか、そしてその保険金の課税対象はどの形態になるのかが変わってきます。

保険金を受け取ると何かしらの税金がかかるものですよね。しかし、生命保険の支払い方によっては節税対策ができるということをご存知でしょうか? 実は、子どもの生命保険を親が払うことで節税対策ができるのです。今回は、なぜ親が生命保険料を払うと節税対策になるのか、ご説明していきます。

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生命保険の契約形態と課税の関係

まずは生命保険の基本となる契約形態と課税の関係について確認しておきましょう。
生命保険の保険金は入院や手術をしたとき、被保険者が満期に達したときや死亡したときに、保険金受取人に支払われる仕組みです。入院給付金などは非課税ですが、受け取った保険金は基本的に課税対象です。

税金の種類は、所得税・住民税、贈与税、相続税です。そして、どの税金が課税されるかは保険金の種類と契約形態によって異なります。

●死亡保険金
・契約者と受取人が同一人:所得税
・契約者と被保険者が同一人:相続税が課税
・契約者、被保険者、受取人が同一人:贈与税

●満期保険金
・契約者と受取人が同一人:所得税または源泉分離課税
・契約者と受取人が異なる:贈与税

子どもの生命保険の保険料を親が支払う。これってどうなの?

生命保険は契約するときに、契約者・被保険者・保険金受取人をそれぞれ決めます。契約者が未成年だと同一でない場合がありますが、基本的にはこの契約者がこの加入する保険の保険料を支払うことが多いです。

ただ、本来なら子どもが支払うべき保険料を親が子どもの保険料を支払うと節税効果が見込めることをご存知でしょうか? まず契約形態を確認しましょう。

・契約者:子ども
・被保険者:親
・保険金受取人:子ども
・節税対策をとるには、まずこのような契約形態にします。

そして親がまず子どもに現金で贈与します。贈与された現金を子どもは生命保険料を支払います。これをすることで生前贈与として扱われるため、相続にはなりません。

生前贈与とは? 相続とは何が違うの?

そもそも生前贈与とは何でしょうか? 生前贈与についておさらいしていきましょう。生前贈与とは、生きているあいだに財産を誰かに譲ることです。亡くなってから譲る相続とは異なります。相続すると相続税がかかり、生前贈与には贈与税がかかります。どちらも税金はとられますが、贈与税は年間110万円の基礎控除があります。

生前贈与をする目的は相続財産を生前に譲っておくことで、相続税よりも税金の負担を軽減できます。

基礎控除枠で節税対策に

前述したように生前贈与であれば、年間110万円の贈与税の基礎控除枠を利用できます。
親が生命保険料として子どもに現金を贈与することで、この基礎控除枠が適用されます。

この枠内で保険料として現金を渡していくことで、相続税よりも税金が課税されることなく節税対策になる点が、親が支払うと得になる理由です。

生命保険を用いた節税対策。どの点が有益?

生命保険を活用した生前贈与が節税対策として、どの点がメリットなのかご紹介していきます。

【メリット① 贈与税の基礎控除枠を活用できる】
仮に5年間この控除枠の中で毎年贈与していくとします。
贈与税には基礎控除枠があるので、110万円×5年間で合計550万円が非課税枠です。現金で財産として持っている場合は、550万円を非課税で贈与できるため、税金の負担を軽減できます。

【メリット② トラブルを避けて遺産分割ができる】
ドラマなどでよく相続に関する家族の相続争いを見ますが、あれはドラマの中の話ではなく、実際にトラブルは存在します。相続する財産が多ければ多いほど、トラブルのもとにもなりますし、絶縁までも起きることもあります。
しかし、生前贈与で生命保険を活用することでこのトラブルを避けられます。生命保険金は受取人の権利なので、相続財産ではありません。そのため、遺留分として相続財産の計算をされずに済みます。

【メリット③ 受取時に一時所得として課税されることも】
前述したように、保険の契約形態で契約者と保険金受取人が同じ人だと、被保険者が亡くなったときに支払われる保険金には所得税が課税されます。
今回の契約形態のケースだと、被保険者の親が亡くなった場合に、子どもが受け取る保険金は所得税の対象です。そしてそれは一時所得として扱われます。そのときの計算式を見てみましょう。

一時所得の課税対象額=(死亡保険金ー支払った保険料の総額ー特別控除額の50万円)×1/2

この計算をすることで、相続税よりも税金の負担が軽減されることもあります。ご自身の相続遺産でどちらが得になるか計算しておきましょう。

親が保険料を支払う上での注意点も覚えておこう!

生前贈与で生命保険を活用することは多くのメリットがあることがわかりました。しかし、注意するべきポイントもあります。

毎年110万円を贈与していると、相続税が多くかかるため計画的に贈与しているのではないか? と疑われてしまう可能性があるのです。贈与として認められないと、基礎控除枠の110万円が使えず、定期贈与とみなされ税金を課せられるかもしれません。

そのように指摘されないためにも、毎年、贈与契約書を贈与する際に交わしておくなどしておくといいです。

生前贈与に適した生命保険とは?


生前贈与に適した生命保険をいくつかご紹介します。

●終身保険
終身保険とは、保険期間がなく一生涯保障が続く保険です。

●養老保険
保険期間の満期までに死亡すると死亡保険金、満期完了すると満期保険金が支払われる保険です。
ただし、満期以降は現金になってしまうため、生命保険の非課税枠を利用できません。


節税対策、生前贈与など、生命保険を賢く活用しよう

生命保険を活用しての節税対策はとても魅力的ですね。本来なら相続税としてかかってしまう税金も生命保険で生前贈与をすれば税金の負担を軽減させられます。
ただし、気を付けなければいけないこともあるので、生命保険の仕組みや生前贈与についてしっかりと理解しておく必要があります。定期贈与として扱われると、節税対策のつもりがかえって税金がかかってしまうこともあります。

贈与する側も贈与される側もしっかりと話し合い、お互いが理解しておくことも大切です。自分たちだけでは不安だ、ということであれば税理士など専門家の先生に相談するといいでしょう。うまく活用できれば、節税対策が見込めるかもしれません。病気や死亡した際などに保障される保険ですが、生前贈与としての活用もご検討してみてはいかがでしょうか。

プロフィール

川添典子
元ハウスメーカーの営業職として、5年間勤務。前職の経験を活かして、暮らしやお金、不動産に関するライターとして役立つ知識をお届けしています。
得意分野は、不動産・住宅ローン・税金・住宅に関することです。
ファイナンシャルプランナー2級と住宅ローンアドバイザーの資格を保有。

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