温度が低い方が発電効率が良いのは本当?太陽光発電のパフォーマンスを高める方法とは

太陽光発電システムを備えていると、太陽のぎらぎら照りつける暑い日であればあるほど、発電量がより多くなるように感じられます。ところが実際は、ソーラーパネルの温度が低い方が発電効率は良いのだそうです。どうしてパネルが熱くなると発電量が落ちてしまうのでしょうか? 今回は、発電効率の良し悪しを左右するさまざまな条件や、パネルの温度が高くなってしまったときの対策などを紹介します。

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太陽光発電では温度と発電効率はどう関係している?

【25℃から1℃上がるごとに発電効率は下がる】

ソーラーパネルには業界で統一されている基準の温度が存在し、25℃に設定されています。カタログに記載されている性能は、パネルの温度が25℃のときに計測した発電量です。

住宅用太陽光発電に使用されているパネルの多くは、比較的高温に弱いシリコン結晶型です。そのため、基準の温度から1℃上がるごとに0.4〜0.5%ほど出力が低下していきます。この低下率は「最大出力温度係数」としてカタログに載っているので、目を通しておくと良いでしょう。

【気温が下がる冬は発電パフォーマンスが向上】

日中の気温が30〜45℃まで上昇すると、温められたパネルはそれをはるかに上回る60〜80℃もの熱さになります。このとき、発電量の効率は14〜22%も低下しているのです。

逆に、気温が低くなる冬場には発電効率が上がり、出力より多い発電量が得られることもあります。たとえば、100Wのパネルが毎時120Wh発電するようなイメージに近いでしょう。

1日の中で発電量の多い時間帯は?

【発電量のピークは正午頃】

1日の発電量の推移をグラフにすると、よく晴れた日の場合、グラフの形は左右対称の釣鐘形を描きます。発電量のピークとなるのは正午です。

12ヶ月の中でももっとも発電量が多くなる初夏、東京で発電するケースを考えてみると、発電がおこなわれるのは午前5時から午後7時頃までです。冬はさらに短く、午前7時から午後5時頃まで稼働します。さらに、1日の発電量の約4割は午前11時〜午後1時頃の発電によるものです。いかに昼間の時間帯の日射量が重要か、おわかりいただけるでしょう。

【天気によっても1日の発電量は変わる】

快晴の場合、発電量は正午をピークとしてじょじょに落ちていきます。では、曇りや雨の日の場合はどうでしょうか。

結論から言えば、曇りの日は晴天時と同じような推移のグラフを描くものの、全体の発電量は半分ほどに落ち込みます。雨天の際は、さらに大きく発電量が減少します。1年の中でもっとも発電量が少なくなりがちな12月〜1月の雨・雪の日には、1kWあたりの発電量が1kWhに届かないことさえあるのです。

なお、なぜ曇りなのに太陽光発電が可能なのかというと、大気中に満ちている間接的な日射によって発電しているからです。よく「曇りの日も日焼け対策を怠ってはいけない」と言われるのは、この間接日射があるためなのです。

したがって、快晴の日に比べて日射量は落ちてしまうものの、半分程度の量を発電することができるというわけです。

パネルの温度を下げるには?

パネルの温度が上昇し、思うように発電できなくなってしまったら、パネルの温度を下げる、もしくは温度が上がらないようにするための対策が必要となります。挙げられる主な方法は以下の通りです。

・熱に強いHIT(ヘテロ接合型ソーラーパネル)を使用する
・シリコンを用いないパネル「ソーラーフロンティア」を使用する
・パネルに散水する装置を自作する
・ミストタイプの放水装置を設置する

中でもおすすめなのは、ミストタイプの放水装置です。

HITやソーラーフロンティアといった高熱耐性のパネルは、その性能ゆえに費用がかさんでしまったり、年間発電量で見るとシリコン製パネルと大差がなかったりする場合もあります。そのため、放水装置をDIYして屋根に備えつける人もいますが、これには大変なコストがかかります。

自作放水装置には、ホースを使用し、パネルに水を流すタイプのものが見られます。しかし、作る手間はもちろんのこと、水道代などが高くついてしまうのです。おまけに、屋根の上にのぼっての作業となるため、素人にはとても危険です。特に傾斜した屋根の上で、足場なしで作業にすることは控えましょう。

その点、ミストタイプの装置であれば水の量も少なく、手軽にパネルの温度を下げることができます。パネルの洗浄自体は、積もったホコリも取れる上、発電量が増加する見込みもあるなど、メリットが盛りだくさんです。

まとめ

「太陽光発電の発電効率は、パネルが低温である方が上がる」という事実は、意外と知られていません。あらかじめこのことを知っておけば、ソーラーパネルを設置する際の位置や角度といった条件もまた、変わってくるのではないでしょうか。パネルの特性を踏まえ、もっともパフォーマンスを発揮することができる環境で設置するようにしましょう。

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