30~50代「おひとりさま」の貯蓄事情をチェック【2021/9 編集部セレクション】

国立社会保障・人口問題研究所の「人口統計資料集 2021年版」によると、2015年の50歳時の未婚割合は男性約23.4%、女性約14.1%。50歳時の離別割合は男性で約6.3%、女性で約10.2%です。50歳時におひとりさまの割合は男性で約3割、女性でも約2~3割。今後は結婚しない人も増え、「おひとりさま」が増えていくことも考えられます。おひとりさまとなれば、いまの日常生活はもちろん、老後もひとりで過ごしていくことになります。何かと話題になる老後資金ですが、現代の30~50代のおひとりさま世帯は、みんなどれくらい貯蓄を保有しているのでしょうか。その分布図をみていきましょう。

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国立社会保障・人口問題研究所の「人口統計資料集 2021年版」によると、2015年の50歳時の未婚割合は男性約23.4%、女性約14.1%。50歳時の離別割合は男性で約6.3%、女性で約10.2%です。

50歳時におひとりさまの割合は男性で約3割、女性で約2~3割。今後は結婚しない人も増え、「おひとりさま」が増えていくことも考えられますね。

おひとりさまとなれば、いまの日常生活はもちろん、老後もひとりで過ごしていくことになります。何かと話題になる老後資金ですが、現代の30~50代のおひとりさま世帯は、みんなどれくらい貯蓄を保有しているのでしょうか。その分布図をみていきましょう。

【注目記事】 60歳代の平均貯蓄額、円グラフでわかる格差も。定年後も働きたい人は多いのか

1. 30代、みんないくら貯蓄してる?

まずは30代の貯蓄分布から、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和2年)」を参考に見ていきましょう。

1.1 30歳代・単身世帯の貯蓄(金融資産を保有していない世帯を含む)

金融資産非保有:31.1%

200万円未満:29.3%

200~400万円未満:10.0%

400~700万円未満:11.0%

700~1000万円未満:5.7%

1000~1500万円未満:4.3%

1500~2000万円未満:1.6%

2000~3000万円未満:2.1%

3000万円以上:1.1%

無回答:3.0%

平均値:327万円 中央値:70万円

※平均値は一部の大きな数字に引っ張られるので、中央値を参考にして下さい。

30代の場合、まだ明確におひとりさまと決めたわけではなく、今後結婚される方も他の年代に比べて多く含まれているでしょう。

まだ若い世代のせいか、金融資産非保有も含めて貯蓄200万円未満が約6割。一方で、1000万円以上貯蓄をしている人は9.1%と約1割います。

2. 40~50代、みんないくら貯蓄してる?

次に40代の貯蓄事情を見ていきましょう。

2.1 40歳代・単身世帯の貯蓄(金融資産を保有していない世帯を含む)

金融資産非保有:35.5%
200万円未満:21.1%
200~400万円未満:7.9%
400~700万円未満:8.2%
700~1000万円未満:4.3%
1000~1500万円未満:5.5%
1500~2000万円未満:3.6%
2000~3000万円未満:2.5%
3000万円以上:5.7%
無回答:5.7%

平均値:666万円 中央値:40万円

40代においても、貯蓄200万円未満の方は約半分を占めます。一方で1000万円以上保有している方は17.3%と、30代よりも増えていますね。

40代になるとおひとりさまでいこうと決められる方や、離婚をしておひとりさまとなった方も増えてくるでしょう。

次に50代の貯蓄分布です。

2.2 50歳代・単身世帯の貯蓄(金融資産を保有していない世帯を含む)

金融資産非保有:41.0%

200万円未満:15.2%

200~400万円未満:6.8%

400~700万円未満:8.1%

700~1000万円未満:5.6%

1000~1500万円未満:5.3%

1500~2000万円未満:3.0%

2000~3000万円未満:4.3%

3000万円以上:7.6%

無回答:3.0%

平均値:924万円 中央値:30万円

50代でも200万円未満の方が約56%。一方で1000万円以上の方は約2割です。

それぞれ比較してみると、金融資産非保有の割合は年代が上がるにつれて増える傾向にあります。一方で、貯蓄1000万円以上の割合も増えています。

30~50代の単身世帯では、貯蓄が二極化していると言えるでしょう。

3. 30~50代、おひとりさまの借入金はいくら?

これまで貯蓄を見てきましたが、それぞれの年代の借入金についても見ていきましょう。

3.1 30代の借入金

借入金がある世帯:18.5%

借入金がない世帯:81.5%

借入金がある世帯の中央値:150万円

3.2 40代の借入金

借入金がある世帯:21.6%

借入金がない世帯:78.4%

借入金がある世帯の中央値:155万円

3.3 50代の借入金

借入金がある世帯:19.7%

借入金がない世帯:80.3%

借入金がある世帯の中央値:100万円

上記を見てみると、どの年代も借入金がある世帯は約2割。40代が最も多くなっています。借入金の中央値は約100~150万円。返済が進むせいか、50代が最も少ないようです。

4. どこでどう暮らす? 老後の生活をイメージしよう

今の生活も大切ですが、同時並行で早いうちから考え始めたいのが老後の生活費用です。

2019年には老後に2000万円が必要と話題になりました。この計算は夫婦2人を例にしていたため、「1人なら半分で済むかも」と思われるかもしれません。しかしたとえば住居費が約1万円で計算されていたり、介護費用は入れずに計算されていたりと、単純に半分とは言い切れません。

老後の生活は居住形態や住んでいる地域、生活水準により異なるもの。ご自身の老後の生活費も、だいたい予想がついているという方も多いかもしれませんね。

ただ、老後は年金生活になります。いま30~50代の人が老後を迎えることには、現代よりも年金が減る可能性もあるでしょう。

また、歳を重ねるほど持病を抱えて医療費が増えたり、介護費用が必要になる可能性は誰しもあります。たとえば介護費用は、「LIFULL介護」の老人ホームの費用相場(2021年8月31日時点)をみると以下の通り。

有料老人ホーム:入居時費用の相場540万円、月額費用の相場23万円(入居時費用あり)・20.1万円(入居時費用0円)

サービス付高齢者向け住宅:入居時費用の相場19.7万円、月額費用の相場16.5万円(入居時費用あり)・15.4万円(入居時費用0円)

できればこのような資金も視野に入れて、早めに老後資金の用意をはじめたいですね。

5. 早い内からコツコツ貯まる仕組みを作ろう

老後資金は一気に用意しようとするのではなく、毎月コツコツと準備していくと良いでしょう。たとえば公的年金の他に、個人年金保険やiDeco(個人型確定拠出年金)などに加入して、私的年金で老後の月々の生活費を用意しましょう。

節約をして、貯金を増やすことも大切です。収入を増やすという選択肢もありますが、今のコロナ禍では難しいところもありますよね。「貯金だけでは老後資金に間に合わない」と不安を感じられる方も少なくないと思います。

貯金がある程度貯まったら、資産運用でお金を育てるのも一つ。近年ではつみたてNISAをはじめる人が増えていますが、長期的な視点をもって毎月積み立てて投資をすることで、リスクを抑えた運用も可能です。

今は無料動画やオンラインセミナーなど、投資の勉強も気軽にできる時代。ステイホームの今だからこそ、時間のあるときに見てみてはいかがでしょうか。

資産運用の大きなメリットが、定年後でも続けられること。仕事を辞めてもお金を増やすスキルを持っておくと、安心感もありますよね。まずはオンラインセミナーなどで情報を集めてみてはいかがでしょうか。。

参考資料

国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集 2021年版」

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和2年)」

LIFULL介護「老人ホームの費用相場」

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