太陽光発電を効率的に使う!売電収入を上げるコツを伝授

太陽光発電は家庭で使用する電気をまかない、うまくすれば売電をして、収入を得ることができる、とても便利なシステムです。しかしこれはあくまで、太陽光発電を効率的に利用できている場合の話です。太陽光発電は、屋外に取り付けるソーラーパネルの設置方法やメンテナンスによって効率が大きく違ってきます。この記事では発電効率を低下させる要因や、効率低下による損害額、発電効率を維持するための対策、売電収入を上げるコツを伝授します。

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太陽光発電の効率の低下による損害って金額にしてどのくらい?

一般的な家庭の屋根に取り付けるソーラーパネルは、2kWから5kWのものが主流です。1kWの発電量は年間1,000kWhといわれているため、仮に容量4kWで100%稼働させた場合、単純計算で年間約4,000kWhの発電量になります。

もしこの状態で発電効率が10%減少したとすると、発電量は計算上では400kWh少なくなります。これを一般家庭用の売電価格30円(10kW未満で出力制御対応機器の設置義務あり)に換算すると、年間で12,000円損をすることになります。

売電の対象となる太陽光発電は、生活用の電気使用量で余った分であるため、実際の売電比率はもっと少なくなります。しかしどのくらい金額的に損をするかを数字にして表すことで、効率低下による損害を察知することができます。数値が明確になっていれば、発電量の変動をチェックしながら、メンテナンスなどの改善策を実施できるでしょう。

太陽光発電の効率を低下させてしまう条件とは?

ではそもそも太陽光発電の効率を下げてしまう条件とはなんなのでしょうか? 基本的に太陽光発電の法定耐用年数は17年となっていますが、条件によって効率の劣化度合いや寿命はさまざまです。

【シリコン系ソーラーパネルは東や西では発電効率が悪い】
現在もっとも主流となっているシリコン系ソーラーパネルは、東や西の方位では発電効率が低下する傾向があります。その理由は、太陽光の中でも波長の短い光の変換に適しているためです。東や西に設置すると、太陽光の波長が比較的長くなるため、うまく太陽光を電気に変換できず、発電効率が低下してしまいます。

【発電効率と設置方角・傾斜角度・気温の関係】
シリコン系のソーラーパネル設置は、真南で傾斜角度30度がベストといわれています。これを100%として、傾斜角度・方位による発電量を比較すると、同じ方位で傾斜を緩やかにした場合、およそ5%の減少、方位を変えて傾斜を緩やかにした場合、およそ10%の減少が見られました。

前述したようにシリコン系ソーラーパネルは、波長の長い太陽光では発電効率が低下します。またシリコン系のソーラーパネルに最適の気温は25℃であり、気温が1℃上昇すると、約0.5%効率が落ちるといわれています。真夏に気温が30℃を超すような環境では、3割近くも発電効率が低下します。

【パワーコンディショナーの劣化】
太陽光発電システムでは、ソーラーパネル自体は電子反応による摩耗はなく、パネル表面の汚れも雨によって流れやすいため、パネル自体の劣化の心配はほとんどありません。発電システムの劣化を招く大きな要因は、電気を利用するために直流から交流に変換するパワーコンディショナーの劣化です。

パワーコンディショナーは、太陽光で作り出した電気を自宅で使えるように変換する装置です。これがなければいくらパネルを設置しても、太陽光による恩恵を受けられません。そのためパワーコンディショナーが劣化したり、故障したりすると、発電効率が落ちる可能性があります。

【影による発電量低下】
ソーラーパネルに差す影も発電量低下を引き起こします。シリコン系ソーラーパネルは、約10cm前後の半導体のセルが並ぶ構成になっているため、1つのセルに影が差すと、連動してパネル全体の出力が低下します。電信柱や木立、ビルなどの影がかからないよう、設置場所は十分検討しましょう。

ソーラーパネルの発電効率を低下させないための条件

ソーラーパネルの発電効率を低下させないためには、基本的に前述した条件を避けることです。パネルの適切な設置方角・角度を選ぶこと、パワーコンディショナーの定期的なチェックをおこなうこと、さらに高温に強いソーラーパネルを選ぶことの3つを守っていれば、発電効率が大きく落ち込むことはないでしょう。

現在各メーカーでは、太陽光発電の発電効率を上げるため、研究に取り組んでいます。ソーラーパネルの問題点を改善するため、複数の半導体を用いた「化合物系ソーラーパネル」の開発や「量子ドット型太陽光パネル」などの新たな研究も進行中です。将来的には火力発電と同等の40%水準の太陽光発電も期待されています。

簡単、手軽に売電収入を増やす方法

売電収入とは、売却する電力量と売電単価で決まります。つまり、売電収入を上げるには、「発電量を増やすこと」と「売電単価を上げること」が肝心です。それぞれにコツがありますから見てみましょう。

【売電収入を増やすコツその1】
売却する電力量を増やすには、
・太陽電池モジュールを増設する
・消費電力を減らす
・設備・機器のメンテナンスを適切に行う
などの方法が考えられます。

上記の中でも最も簡単で効果的なのは「太陽電池モジュールを増設する」です。もちろん費用がかかりますが、一番手っ取り早い方法でしょう。通常の太陽光発電システムでは屋根の南側に太陽電池モジュールを設置しますが、日当たりが良ければ西側や東側にも増設することで発電量増を期待できます。

次に考えられるのが「消費電力を減らす」方法です。売電できるのは、住宅用の場合、使用しなかった電力です。つまり発電量を増やさなくても消費する電力を減らせば、売却できる電力量は増えます。太陽電池モジュールの増設に比べて、手軽に今日から始められるのも利点です。

消費電力を減らすため手法の一番手は待機電力の抑制です。待機電力とは、使用していない電化製品が使う電力のことです。例えば、テレビやパソコン、ビデオデッキ、ポット、炊飯器、ドライヤーなどは使用していなくても、コンセントを指しただけで電気を消費しています。ですから使っていないときはコンセントを外し、待機電力をなるべく減らす習慣を付けましょう。

もちろん省エネ性能に優れた機器に買い替えるのもいいでしょう。買い替えは費用もかかりますが、売電収入が増えることですぐに元を取れる可能性もあります。

また照明をLEDに替えるのも効果的です。LED照明の消費電力は白熱電球の20%程度です。つまり照明による消費電力は5分の1になります。もちろん使っていない部屋の電気を消灯するなど、節電意識も持ちましょう。

さらに、「設備・機器のメンテナンスを適切に行う」ことも発電量を増加させる方法として有効です。太陽光発電システムには太陽電池モジュールの他、コンディショナーやモニターなどを用います。例えば太陽電池モジュールに枯れ葉が乗っていた、雪が積もったといったケースでは発電量が落ちてしまいます。適切に処理してすぐに発電量を回復しましょう。

また、機器が故障した際には保証期間内であれば無償で修理をしてもらうことができます。しかし修理期間中に発電することはできません。ですから適切にメンテナンスをしていくことがトラブルを未然に防ぐ最善策と覚えておきましょう。

【売電収入を増やすコツその2】
前述した方法の他に、売電収入を増やすには「売電単価を上げること」も考えられます。同じ電力量を売却しても、単価が高ければ売電収入が高くなるのは当然です。
その方法として考えられるのは、
・売電単価の高い時期に契約する
・売電先を変更する
などです。

住宅用の場合、「余剰電力買取制度」によって、電力会社が余った電力を固定の価格で10年間買い取る仕組みになっています。しかしこの買取価格が年度によって違います。つまり買取価格が高い年に買い取りを申請することで、同じ電力量を売却しても売電収入は高くなるのです。

ただし、実はこの売電価格は年々下がっているのが現状です。2016年度は31円/kWh(10kW未満、出力制御対象外)、2017年度は28円/kWh(同)、2018年度は26円/kWh(同)、2019年度は24円/kWh(同)となっています。この後上昇するかも知れませんが、現状で言えばなるべく早く太陽光発電システムを設置し、売電を申請するのが有益と言えるのです。

しかし売電価格は減少傾向にありますが、新電力事業者が行っているのが「プレミアム価格」での買い取りです。これは電力会社の売電価格に独自のプレミアム価格を上乗せして電力を買い取る仕組みです。プレミアム価格は1円から高いところでは10円という事業所もあります。

1円でも高く買ってくれる事業者と契約することで、追加で投資をすることも、手間をかけることもなく売電収入を上げることができるのですから、ぜひ覚えておきましょう。

売電収入は簡単に計算できる!

売電収入を計算するには、下記の計算式でできます。

・売電収入=売電価格×売電量

例えば、売電価格が30円/kWhで、1年間で4,000kWhを売電できれば年間120,000円の収入が得られる計算になります。ちなみに売電量は、発電量−消費量という計算式で算出できます。

ただし、これはあくまでも一般的な推定売電収入です。設置を検討する際は専門業者に相談し、土地の広さや設置条件などから推定売電収入を算出してもらいましょう。

まとめ

太陽光発電は比較的メンテナンスの手間がかからず、長期にわたって稼働できるシステムです。しかし発電効率はソーラーパネルの素材や、パネル設置の方角・角度、季節による温度変化といった設置環境によっても大きく左右されます。利用する太陽光発電の特徴をよく理解し、定期的なメンテナンスをおこなうことで、効率の良い安定的な太陽光発電を目指しましょう。コツを知っていれば売電収入をアップさせ、収入を大幅に増やすことも可能です。

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