災害時でも太陽光発電は利用できるの?自立運転システムの仕組み

災害時に、長期間電気や水道が絶たれてしまい不便だったという体験談を聞いたことはありませんか?災害のような予測不能な事態が突然起きても、自家発電システムがあれば安心ですし、他の人を助けてあげることも可能になります。では、太陽光発電は災害時でも利用できるのでしょうか?今回は、災害時の太陽光発電利用方法や、注意点などをご紹介します。

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被災時でも太陽光発電は利用できる?

被災時でも、太陽光発電は利用可能です。災害など何らかの原因で電力会社からの電力供給がストップした場合、通常の設定のままでは、太陽光発電も運転を休止します。しかし、大半の太陽光発電には「自立運転機能」が備わっているため、通常の設定から自立運転の設定に変更することで、被災時でも電力を利用することが可能です。

電力が使えれば、テレビやラジオを使用したり、携帯電話を充電したりすることが可能になります。災害や救援に関する正確な情報をいち早く入手したり、安否確認も含め外部との連絡を取り合ったりできることは、被災時には大いに役立つでしょう。

また、冷蔵庫が使用できれば、食品や薬品などを保存することが可能になりますし、電気ポットや炊飯器が使用できれば、温かい食事を食べることも可能です。小さいお子さんがいる場合は、哺乳瓶などの消毒もできます。

さらに、場合によっては、洗濯機や井戸水用のポンプも動かせるかもしれません。電力があれば、自分や自分の家族だけに限らず、地域全体の助け合いや災害対応能力の向上にも貢献できるのです。

ただし、被災時でも太陽光発電が利用できるのは、自立運転の機能が備わっている場合のみ。これから太陽光発電システムを導入しようとお考えの方は、必ず自立運転システムの有無についても確認してください。

自立運転システムの利用法

通常時、電力の発電量に応じて足りない電力を補ってもらったり、余分な電力を買い取ってもらったりするため、各家庭の太陽光発電システムは電力会社とつながっています。このつながりを切り離し、各家庭で太陽光発電システムを独立させて使用する設定のことを、「自立運転」といいます。

自立運転の設定に切り替える際はまず、安全のため、主電源と太陽光発電用のブレーカーをオフにします。これは、電気系統の事故や、そこから派生する大火災などの思わぬ事態が起こることを防ぐためです。

その後、付属の取扱説明書に従って自立運転モードに切り替え、接続したい電気機器を自立運転用のコンセントにつなぎます。このとき、接続する電気機器のほうも主電源が切れていることを確認したうえで行いましょう。特に、大きな電化製品は自立運転コンセントから離れた場所にあることも多いため、災害時に備えて、日頃から長めの延長コードを用意しておくといいです。

また、自立運転機能を使用中は、こまめに発電状況を確認することも大切です。天候や発電出力の変化に合わせて、接続機器を調整しましょう。

電力会社からの電力供給が回復したら、自立運転モードのままにしておくと売電ができなくなってしまうので、忘れずに通常の運転モードへ切り替えましょう。通常の運転へ戻すには、まず自立運転モードを解除し、太陽光発電用のブレーカー、主電源の順にオンにしてください。

太陽光発電の自立運転モードは、いざというときに備えて、試運転や練習をしておくことをおすすめします。その際は、電気機器を自立運転コンセントに問題なくつなげるか、延長コードなどの長さは十分か、自立運転システムそのものが正常に作動するか、などをチェックしてください。もし、自立運転システムに関してわからないことがあれば、早めにメーカーや施工会社へ問い合わせておきましょう。

自立運転システム利用する際の注意点

太陽光発電を自立運転システムに切り替えて使用する場合、注意しておきたいことが3つあります。緊急時でも冷静に対処するために、事前に注意すべきポイントを把握しておきましょう。

1つ目の注意点は、自立運転システムの非常電源には、一般的なパワーコンディショナー1台で1,500W(1.5kW)までの上限があることです。そのため、接続する電気機器の合計電力使用量に注意してください。また、限度内であっても、大電力が必要な電気機器は、起動しなかったり動作が不安定になったりする場合もあることを知っておきましょう。

2つ目は、自立運転であっても太陽光発電であることに変わりはないため、夜間の電力使用ができないことです。また、雨天・曇天時には、発電量が不安定になり、使用できる電力量が急に低下したり、使用できなくなったりする場合があります。そのため、途中で電源が切れると生命に危険をもたらす恐れのある医療機器や、故障・破損する可能性が高いパソコンなどは、自立運転の非常電源には接続しないでください。

3つ目は、自立運転では通常のコンセントや普段使用している照明器具を使えないことです。システム利用時は必ず、自立運転コンセント(非常用コンセント)への接続が必要になるので、前もって自立運転コンセントの有無や位置を把握しておきましょう。

まとめ

太陽光発電の自立運転機能を使えば、災害時や停電中でも電気機器を使用することが可能です。事前にしっかりと準備をしておけば、いざというときにもあわてず、太陽光発電のよさを最大限に活かすことができるでしょう。この機会に太陽光発電の「自立運転システム」について、一度確認しておくのはいかがでしょうか。

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