ソーラーパネルって?発電の仕組みから事前準備、メーカーの選び方まで解説!

昨今の電気料金の値上がりや、震災時に起こるかもしれない電力不足のことを考えて、ソーラーパネルを設置する家庭が増えています。でも、ソーラーパネルってそもそもどういうものなのでしょう?ソーラーパネルの仕組み、設置の際の確認事項、メーカー選びのポイントなど、わかりやすくご紹介します。

本サービス内ではアフィリエイト広告を利用しています

  • 4970
  • 8
  • 0
  • いいね
  • クリップ

ソーラーパネルとは?

ソーラーパネルとは、日光が持つ光のエネルギーを電気のエネルギーに変換して発電するためのパネルのことです。太陽電池パネルなどと呼ばれることもあります。

ソーラーパネルは、1枚でもバッテリーなどと接続して使用できます。パネルの大きさはまちまちですが、1辺が50cm程度の片手で持ち運べるソーラーパネルなら、10~50Wくらいの電力を得られます。単体のソーラーパネルとして市販もされているので、車や小型船のバッテリー補充電用といった使い方もできるのです。

もちろん、ソーラーパネルを何枚も使えばもっと多くの電力を得られます。普通の家庭で屋根に取りつけるソーラーパネルの大きさは、1枚当たり約1.2㎡、重さは約15kg。一家庭当たり15~25枚のソーラーパネルで稼働させるのが一般的であり、およそ3~5kWの発電量と、最大200W程度の出力が望めます。

また、ソーラーパネルには、さらに大規模な使い道もあります。遊休地などの広い土地に、多数のソーラーパネルが設置されているのを見かけたことはないでしょうか? たくさんのソーラーパネルを連ねることで 1MW(=1,000kW)以上の出力が得られる場合、その太陽光発電システムは、「メガソーラー」と呼ばれます。

1MWのメガソーラーで見込める発電量は、夜間やくもりの日も計算に入れて、1年で100万kWh以上。これは、約200世帯の一般家庭が1年間で消費するのと同等の電力量です。ただし、メガソーラーを設置するには非常に広大な土地が必要であり、1MWのメガソーラーであれば、およそ2ヘクタール(サッカー場2つ分)の敷地が目安であるといわれています。

ソーラーパネルの仕組み

ソーラーパネルは、小さな太陽電池をいくつもつなげて作られるもので、単体の太陽電池のことを「セル」、セルを数十枚まとめたものを「モジュール」と呼びます。そして、太陽電池モジュールを電圧・電流が生じるように配列して接続したものが、ソーラーパネルです。

太陽電池は、“電池”という名前がついているものの、電力を蓄える機能を備えていません。代わりに、太陽の光から得られる光エネルギーを、直接、電力に変換する“発電機”としての役割を担っています。つまり、太陽電池は、太陽光発電の中心的な役割を果たしているといえるのです。

太陽光発電の仕組みをもっと具体的に説明しましょう。太陽電池は、薄いn型半導体とp型半導体を貼り合わせた構造が特徴です。日光が太陽電池に当たると、マイナスの電気を帯びた電子とプラスの電気を帯びた正孔(せいこう)が生じ、電子はn型半導体に、正孔はp型半導体に集まります。このとき、2つの半導体に電極をつけると、n型からp型へと電流が流れます。これが、光エネルギーを電気エネルギーとして取り出す仕組みです。

ソーラーパネルの種類

ソーラーパネルは大きく、「シリコン系」「化合物系」「有機系」の3つに分けられます。これらの違いは、ソーラーパネル内の太陽電池に使用されている、半導体基板の原材料によるものです。

シリコン系は現在のところ最も広く普及し、使用されているソーラーパネルです。中でも主流はコストと性能のバランスが取れた「多結晶シリコン」ですが、よりコストカットが望める「アモルファスシリコン」などもあります。また、最近では、発電力が高い「単結晶シリコン」と、高温になっても発電力が落ちにくいアモルファスシリコンの、2つのメリットを効果的に組み合わせた「HITシリコン」なども登場しています。

化合物系はシリコンを使わず、発電層に銅、インジウム、セレンなどを原材料とした化合物半導体を用いるソーラーパネルです。シリコンを使用しない分、省資源で製造でき、コストを抑えられる点が大きな特徴です。しかし、シリコン系と比較すると、変換効率が劣ることは弱点だといえます。

有機系はその名のとおり、有機物を原材料とするソーラーパネルです。まだ完全な実用化には至っていませんが、低コスト、高柔軟性、軽量といった特徴を持っており、変換効率が低いという問題が解消されれば、次世代の太陽電池・ソーラーパネルとして普及すると考えられています。

ソーラーパネルの設置場所

ソーラーパネルは太陽の光をもとに発電する装置ですから、当然どこに置いても良いわけではありません。設置場所や設置方法を誤ると、太陽光発電の性能を上手く発揮できず、発電量が低下する恐れもあります。

太陽光発電システムを有効活用するために、ソーラーパネルの設置場所について確認しておきたいポイントに注意しましょう。

【周辺の環境】
そもそもの話になってしまいますが、太陽光発電システムを導入予定の住宅が置かれている環境によっては、導入自体を考え直した方が良いこともあります。例えば豪雪地帯では、雪によって太陽光を遮ってしまうため、冬はあまり効果を発揮できません。また海に近い場所では、塩害により機器がすぐ故障してしまう可能性が高いのです。

もちろん雪や塩害に対応したソーラーパネルも存在しますが、その分費用もかさみます。周辺の環境次第では、太陽光発電を設置しない方がお得ということもあり得るでしょう。

【設置場所の広さ】
ソーラーパネルの設置には、設置する場所を確保できるかどうかも重要です。単純に屋根に設置予定であれば、屋根に設置面積があるかどうかを確認しておきましょう。

少量の発電でも良いなら問題ありませんが、太陽光発電でどんどん電力を売っていきたい場合は、より多くのパネルを設置する必要があります。目安として、発電量の目標を10kWとするならば60㎡以上の面積は欲しいところです。

ちなみにパネルの設置場所は、屋根に限ったことではありません。家庭用においても、設置に適した土地であれば可能です。ただ地面への設置は条例などクリアすべき条件もあり、工程が多くなるためコストも増大します。屋根以外の設置を考えるなら、問題ないかどうか事前に確認しておく必要があるでしょう。

【屋根の耐久性】
ソーラーパネルの重さは、3kWで200kg~300kgにもなります。つまり、設置する屋根がこの重さに耐えられなければなりません。

特に昔ながらの日本家屋に使われている瓦屋根の場合、そのままでは設置できないこともあるので注意が必要です。もちろんあらゆる屋根に対応した設置方法が存在しますが、余分な工程が増す分設置費用が高くなる可能性もあります。

【日光の当たり具合】
ソーラーパネルは、直射日光が当たる場所に設置する必要があります。もし家の前に大きな樹木や建造物があって太陽光を遮られているのであれば、設置に向いていないと言えるでしょう。

ソーラーパネルの設置に必要な費用は?

ソーラーパネルの設置にはどれくらいの費用が必要なのでしょうか。次は、設置にかかる費用をご紹介しましょう。

【設置には工事が必要】
ソーラーパネルは、ただ置けばいいというものではありません。落ちないようにしっかり固定しなければいけませんし、ケーブルを通じてパワーコンディショナーなどにつながっています。配線工事なども必要になりますから、設置には専門技術が必要です。

【設置費用の目安】
太陽光発電システム全体の導入経費としては、1,000,000円~2,000,000円ほどが一般的です。実際にいくらかかるのかを確認したい場合は、見積もりを出してもらいましょう。また、自治体によっては補助金が出る場合もありますので、事前に確認しておくと経費が安く抑えられる可能性があります。

設置の際に確認しておきたいこと

【設置する方角】
太陽は東から登り、南側を通って西へ沈みます。従ってソーラーパネルは、基本的に南向きで設置しなければなりません。もちろん真南ではなくても設置可能ですが、ズレればズレるほど発電効率は低下します。特に北側は効率が悪すぎるので設置に向きません。

【設置する角度】
実際にソーラーパネルを設置する際、角度も重要です。理想的な角度は、実は地域によって異なります。これは、緯度が下がるほど南中高度が高くなるためです。最適とされる傾斜角は、北海道の札幌で34.8度、沖縄県の那覇で17.6度となっています。

尚、これらは真南を向けた場合です。方位によって最適傾斜角が異なるということも覚えておきましょう。

太陽光発電メーカーを選ぶポイント

売り上げランキング1位の製品であっても、自分の家には適応しない場合があります。
メーカーを選ぶポイントは「変換効率と発電量」「パネルの形」「価格」「保証内容」の4つです。

【1:変換効率と発電量】
太陽光発電と聞いて誰もが思い浮かべるのが、屋根の上に並んだ「太陽電池パネル」でしょう。この1メートル四方のパネルは「太陽電池モジュール」とも呼ばれます。パネルとモジュールは基本的に同じものと考えて差し支えありません。

太陽光発電パネルは、太陽の光エネルギーを集めて電気エネルギーの変換する装置です。設置したからにはできるだけ多く発電したいですよね。発電量が多ければ、あまった電気を電力会社へ売ることができます。これを「売電制度」と言います。ここで重要になるのが「変換効率」です。

変換効率とは、太陽電池パネルの「面積あたりの発電量」の値です。パネルに受けた太陽光から何%を電気に交換するかを示しています。理論的な限界値は30%と言われていますが、現在販売されているパネルの変換効率は15~20%です。つまり変換効率20%前後であれば発電量が高い製品と言えます。

【2:パネルの形状】
大きい屋根ほどたくさんのパネルを置けます。小さい屋根でも発電量の高いパネルを選べば十分な電力を得ることが可能です。

しかしそう単純にいかないのが日本の住宅で、複雑な形状になっていることが多いのです。長方形の切妻屋根、台形や三角形が組み合わさった寄棟などの他、水平な屋根もあります。
そこで多くのメーカーは、サイズの異なるパネルを組み合わせるなど、様々な屋根に対応するシステムを開発しています。設置する屋根の形状を把握した上で、柔軟に対応できるメーカーを選びましょう。

【3:保証内容】
太陽光発電は長い年月使用するものなので、保証の内容が充実しているかどうかは重要なポイントです。太陽光発電の保証には「機器保証」「出力保証」「自然災害保証」があります。メーカーによって保証の範囲や期間が異なりますので、しっかり確認しておきましょう。

【4:価格】
太陽光発電の導入は大きな買い物です。やはり気になるのは「価格」ですね。以前に比べて安くなっており、平均300,000~400,000円での導入が可能になっています。人気があるのは200,000円台で、なおかつ高性能なものです。海外メーカーの方が価格を抑えられる傾向がありますが、国内メーカーでも比較的低コストの製品もあります。

各メーカーを徹底比較

〔東芝〕
世界No.1の変換効率を誇るのが東芝の太陽光発電です。わずかな光から、たくさんのエネルギーを生み出せる技術をもっています。高い発電力があるからこそ、スペースが限られた日本の屋根でもパワフルな発電が可能になっています。

〔パナソニック〕
実は太陽電池パネルは暑さに弱い面があります。パナソニックは暑さに強いパネルを使用することで、真夏でも安定した発電量を確保できます。国際的な賞も受けるなど、世界での実績も多数あります。

〔京セラ〕
京セラは業界で初めて「長期連続試験認証」を獲得したメーカーです。自然災害保証も通常の10年保証とあわせて対応している点も特徴的です。パネルはサイズの異なるものを組み合わせることが可能で、寄棟の屋根にも隙間なく設置することができます。

〔ソーラーフロンティア〕
国内メーカーですが、比較的低コストで導入できます。実発電量を重視したパネルは、影に強いことに定評があり、安定した発電量が望めるます。出力保証20年と保証面も整っています。

〔シャープ〕
様々な自然環境に対応できる高品質パネルを使用しています。さらに独自の厳しい品質試験を実施しており、「15年保証」によって長く安心して使用できる制度も整っています。屋根の大きさによって効率よくなるよう設置できるルーフィット設計も特長です。

〔三菱電機〕
三菱電機はパワーコンディショナー(インバーター)に変換効率の高さに定評があります。パワーコンディショナーとは、太陽電池パネルで生み出した直流電力を、家庭用の交流電力に変換できる装置です。つまり少ない発電量でも、パワフルな電流を生み出すことがきるのです。少ない枚数で設置可能になり、限られたスペースを有効活用できます。

この他にも、カナダ生まれの〔カナディアンソーラー〕や、中国生まれの〔サンテックパワー〕。国内では住宅メーカーとして知られる〔ダイキン〕や、もともと太陽熱温水器を製造していた〔長州産業〕などがあります。

まとめ

ソーラーパネルをお家に設置する場合も、夜間やくもりの日など電力が足りなくなったときは、これまでどおり電力会社から電力の供給を受けることができます。反対に、日中など多く発電して電力が余ったときは、電気会社に送電し、購入してもらえます。

まずは、ソーラーパネルがどういうものなのかを知っておくことで、太陽光発電を暮らしの中にとり入れるイメージも湧きやすくなるでしょう。ソーラーパネルは以前と比べて性能が格段にアップし、価格も下がっているので、ぜひ設置を検討してみてはいかがでしょうか。

素人では判断が難しいので、中立な立場にある専門家に相談することをおすすめします。インターネットの見積もりサイトなどを利用すると便利ですよ。

  • 4970
  • 8
  • いいね
  • クリップ
コンテンツを違反報告する

あなたにおすすめ

関連キーワード

関連アイデア

カテゴリ

このアイデアを投稿したユーザー

LIMIAおすすめのリフォームやリノベーション、住宅設備に関する記事を中心にご紹介。施工事例や費用相場、リフォーム会社の選び方など、住まいに関する情報満載でお届…

LIMIA 住まい部さんの他のアイデア

住宅設備・リフォームのデイリーランキング

おすすめのアイデア