【子育て世帯】共働きは7割以上で平均年収は600万円台。貯蓄や負債額はいくらか

教育費にマイホームのローン返済やマイカーの購入などもあり、子育て世帯はなかなか家計にゆとりを感じる暇がないのが現実でしょう。子育て世帯の母親の仕事状況や年収、貯蓄・負債状況をみていきます。

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厚生労働省や国税庁のデータをもとに確認

子育てには、想像以上にお金がかかるもの。子どもが小さいうちは手がかかりますが、手がかからなくなってきたと思えば、今度は習い事や塾代などの教育費にお金がかかりはじめます。

あわせて、マイホームのローン返済やマイカーの購入などもあり、子育て世帯では、なかなか家計にゆとりを感じる暇がないのが現実でしょう。

厚生労働省の「2019年国民生活基礎調査」には、子どもがいる世帯の収入や貯蓄額などの調査結果があります。子育て世帯の母親の仕事状況も合わせて、どのような内容になっているのか見てみましょう。

【画像】子育て世帯の「年収・貯蓄・負債」の平均と分布はどれくらい?(出典:厚生労働省)

【子育て世帯】7割以上の母親が働いている

年々、共働き世帯が増加しており、内閣府男女共同参画局の「結婚と家族をめぐる基礎データ」によると、2020年における共働き世帯は1240万世帯で、専業主婦世帯は571万世帯。

出典:内閣府男女共同参画局「結婚と家族をめぐる基礎データ」

全体の3分の2が共働き世帯となっています。

厚生労働省の「2019年国民生活基礎調査」より、児童※がいる世帯の母親の仕事状況を見てみると、「仕事あり」が72.4%、「仕事なし」が27.6%です。

出典:厚生労働省「2019年国民生活基礎調査」

子育て世帯の母親の7割以上が働いており、児童がいる世帯の女性の就業率が高くなっていることが分かります。

「仕事あり」のうち、「正規の職員・従業員」が26.2%、「非正規職員・従業員」が37.8%、「その他」が8.5%。

正社員よりパートなどで働く母親の方が多いとわかります。

※「児童」とは、18歳未満の未婚の者をいう。

子育て世帯の雇用者所得は651.8万円

子育て世帯の収入はどうなっているかというと、「2019年国民生活基礎調査」にある児童がいる世帯の総所得は745万9000円でした。

出典:厚生労働省「2019年国民生活基礎調査」

ただ、この数字には、児童手当などの社会保障給付金や不動産からの収入、預貯金・株式などによって生じた利子・配当なども含まれています。

そのため、社会保険料・税金を含んだ給料・賃金・賞与の合計金額にあたる「雇用者所得」でみると、1世帯当たりの平均所得金額は651万8000円です。

ちなみに、国税庁の「令和2年分民間給与実態統計調査」にある男性の年齢階層別平均給与は以下の通り。子育て世帯の平均雇用者所得651万8000円を上回っているのは、50~54歳と55~59歳です。

出典:国税庁「令和2年分民間給与実態統計調査」

【男性の年齢階層別平均給与】

25~29歳…393万円

30~34歳…458万円

35~39歳…518万円

40~44歳…571万円

45~49歳…621万円

50~54歳…656万円

55~59歳…668万円

ただ、前出の調査結果で、7割以上の女性がパートないし、正社員として働いていることですから、子育て世帯の収入651万8000円という金額は、夫だけの収入と言うより、妻の収入も含まれていると考えた方が良さそうです。

子育て世帯の平均貯蓄額は「723.8万円」負債額はいくら?

先ほどの厚生労働省の調査によれば、子育て世帯のうち「貯蓄がある」世帯は84.4%、「貯蓄がない」世帯は11.6%、「わからない」世帯は4.0%でした。

そのうち、「貯蓄がある」と回答した世帯の平均貯蓄額は723万8000円です。

厚生労働省「2019年国民生活基礎調査」を元に筆者作成

※「1世帯当たり平均貯蓄額」には、不詳及び貯蓄あり額不詳の世帯は含まない。 子育て世帯の平均借入額は1119.7万円

貯蓄額を階級別にみると、最も割合が高かったのは「500~700万円未満」で10.6%、次いで「100~200万円未満」が10.1%、「1000~1500万円未満」が8.7%、「200~300万円未満」「700~1000万円未満」が同率で8.1%でした。

平均貯蓄額は723万8000円ではありますが、半数以上の世帯が貯蓄額700万円未満ですから、実際にはそれほど高くないのかもしれません。また、子育て世代といっても年齢にバラツキもあり、貯蓄額に差が生じている要因の1つになっているといえそうです。

次に借入額を見ていきましょう。子育て世帯で、「借入金がある」世帯は55.8%、「借入金がない」世帯は38.9%、「わからない」世帯が5.2%でした。

厚生労働省「2019年国民生活基礎調査」を元に筆者作成

※「1世帯当たり平均借入金額」には、不詳及び借入金あり額不詳の世帯は含まない。

借入金がある世帯の平均借入金額は1119万7000円。借入金額を階級別に見てみると、最も割合が高かったのは「2000万円~3000万円未満」で15.2%、次いで「3000万円以上」10.1%、「1500~2000万円未満」7.7%、「1000~1500万円未満」7.1%と続きました。

この調査は、18歳未満の未婚の子どもがいる世帯が対象となっています。40歳前後でマイホームを購入している場合、住宅ローンの残債はまだ多く残っている時期だと考えられます。

しかも、住宅ローン減税が受けられる時期とも重なりますから、慌てて繰り上げ返済する世帯は、それほど多くはないと言えるでしょう。

子育て世帯だからこそマネープランを考えよう

日本政策金融公庫の「令和3年度教育費負担の実態調査結果」によると、高校入学から大学卒業までにかける教育費用は、子ども1人あたり約942万円となっています。

子どもの進路によってかかる教育費は異なるとはいえ、まとまった資金が必要になることに変わりはありません。

子育て時期は目の前のことに精一杯で、なかなか将来を見据えたマネープランを考える余裕がないと思います。

しかし、子育て世帯は住宅ローンの返済と子どもの教育費の準備を同時にしていかなければならない分、綿密なマネープランを立てる必要があるのではないでしょうか。

参考資料

内閣府男女共同参画局「結婚と家族をめぐる基礎データ」

国税庁「令和2年分民間給与実態統計調査」

日本政策金融公庫「令和3年度教育費負担の実態調査結果」

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