『野良猫』への禁止行為とは?思わぬトラブルに繋がる3つのタブー行動
野良猫を見つけると放っておけない…猫好きなら、気になりますよね。かわいいから、かわいそうだから…理由は色々あるでしょうが、その行為がもしかしたらトラブルになってしまうかも。野良猫に対してしてはいけないこととは、何でしょうか?
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1.餌を与える
野良猫への行為で、近隣トラブルにも発展しやすいのが餌付けではないでしょうか。お腹がすいているだろうからと、餌を与えたくなりますね。しかし、野良猫への餌付けは、食べ残しやその近隣にされる糞尿が周辺の環境を悪化させますし、その結果、周辺住民から苦情が出る可能性がもあります。
また、ただ単に餌を与えるだけでは、結果的に殺処分される野良猫を増やしてしまうかもしれません。
自治体によっては、野良猫への餌付けを禁止する条例がありますので、注意が必要です。
2.撫でる・触る
野良猫であっても、人懐こい猫がいます。寄ってきたら撫でたくなりますね。でも、むやみに触ると感染症をもらったりひろげてしまうリスクがあります。猫から人間に移る病気もあるのです。
また、猫同士で感染する病原体を手や身体につけたまま帰宅し、愛猫に移してしまう危険性もあります。
もちろん、すべての野良猫が病気を持っているわけではありませんが、必要以上に触れ合うのは避けた方がいいでしょう。
野良猫に触れた場合は、石鹼やハンドソープでよく手を洗って下さいね。
3.人間のにおいをつける
野良猫を撫でることは、自分が感染症のリスクを負うだけでなく、猫を危険にさらしてしまうことになりかねません。
子育て中の母猫は、子猫に人間のにおいがついた場合、警戒してしまうことがあるのです。母猫に警戒された子猫は、育児放棄してしまう可能性があります。そうなったら、子猫が生きていくことはかなり難しいでしょう。
可愛いからとむやみに触ることは、子猫の命の危険にもつながってしまうのです。野良猫が産んだ子猫を見かけた場合、保護してあげられればベストですが、もし保護できないのであればむやみに触って母猫が育児放棄してしまうかもしれない原因を作らないようにしましょう。
野良猫と地域猫
野良猫に、むやみに手出しをすることは、人間と猫両方のトラブルにつながりかねません。では、野良猫は放っておくしかないのでしょうか。
近年周知されるようになってきた「地域猫活動」というものがあります。これは、地域で野良猫を管理し殺処分される野良猫、ひいては飼い主のいない猫を減らすための活動です。住民や行政、ボランティアなどが共同で行っています。
その活動の主な内容の一つには、野良猫を捕まえる(Trap)、去勢・避妊手術を受けさせる(Neuter)、元の場所に放す(Return)という「TNR活動」と呼ばれるものがあります。そして、TNRされた猫やTNRをしようとしている猫に対して、決まった場所で餌をやり、食べ残しを片付け、排泄物の管理まで行うのが地域猫活動です。
地域猫となった猫は、多くの場合耳をVの字にカットされています。一度去勢・避妊手術をされた猫が、再度捕まって手術をされないための目印です。その形が桜の花びらに似ていることから「さくら猫」と呼ばれています。
地域猫はいつでも誰でも餌をあげていいわけではありません。地域猫は、きちんと管理されており、食事の時間や場所が決められています。野良猫に餌を与えたい場合は、地域猫活動に参加してみてはいかがでしょうか。
まとめ
外で猫に出会えると、嬉しくなりますね。人懐こい猫であれば、触れ合いたくなります。でも、野良猫に必要以上に手出しをすることは、思わぬトラブルに繋がることも。野良猫と関わる時は、よく考えて、責任を持たなければいけません。
のんびりと自由に生きているように見える野良猫ですが、その寿命は家猫と比べてずっと短く、長くて5年と言われています。それほど、外で生きるということは過酷なのです。それでも、猫は繁殖力が高い動物なので、どんどん増えていきます。増えてしまえば、それだけ殺処分されてしまう命も多くなる可能性があるということです。
近年、野良猫を増やさないための取り組みが盛んになってきました。一見、野良猫はかわいそうに見えるかもしれませんが、本当のところ、猫にとって何が幸せかは誰にもわからないかもしれません。
しかし、猫は本来人間社会の中で生きる動物ですので、飼い主のいない猫をなくしていくことは必要です。TNR活動をしたり、不妊手術をした猫を地域猫として世話をしたり、人懐こい猫であれば家に迎え入れて飼い猫としたり、新たに産まれた子猫を保護したり、飼い主のいない猫を減らすための活動はいくつもあります。
多くの人が、それらの活動について知り、野良猫についてもっと考えるようになれば、野良猫を減らしていけるでしょう。そして、現在いる野良猫に対しては、ここで説明したタブー行動を行わないようにしましょう。
(獣医師監修:木下 明紀子)
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