厚生年金や国民年金からも「天引きされるお金」がある事実を解説
年金が2年連続で引き下げになることが発表されました。そんな年金からも天引きされるお金があることをご存知でしょうか。年金でも手取り額は異なります。今回は年金から天引きされるお金について解説していきます。
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老後を支えることになる年金。この年金が、2年連続で引き下げになることが発表されました。
そんな年金からも、「天引きされるお金」があることをご存知でしょうか。給与でも額面と手取りが違うように、年金でも手取り額は異なります。
今回は、年金から天引きされるお金について解説していきます。
公的年金には2種類ある
まずは年金の種類を整理しましょう。年金には国民年金と厚生年金があります。
1階部分:国民年金
国民年金(老齢基礎年金)には、日本に住む20~60歳未満のすべての人が加入します。一律の保険料を、納付書や口座振替にて毎月納めます。
ちなみに2年度分の保険料をまとめて納付する場合、2年間で約1万5000円の割引になります。 自営業の方で年金保険料を負担に感じている場合などは、利用を検討してみてもいいですね。
2階部分:厚生年金
2階部分の厚生年金には、主に会社員や公務員などが加入します。保険料は報酬に応じた等級で決まり、納めた保険料や加入期間によって年金額が決まります。
上記に加え、3階部分には私的年金も存在します。法律で定められた1、2階以外に、自分で備えるタイプの年金です。確定拠出年金や個人年金保険などが該当します。
では、実際にこれらの年金保険料を納めることで、いくらぐらいの年金が受け取れるのでしょうか。受給額の実態を見ていきます。
「国民年金」みんなの受給額とは
実際に受給されている金額について、厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考に見てみましょう。
国民年金の年金月額
全体平均月額:5万6252円
男子平均月額:5万9040円
女子平均月額:5万4112円
【出典】厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
1万円レンジごとの受給者数は以下のとおりです。
1万円未満:7万4554人
1万円以上~2万円未満:29万3600人
2万円以上~3万円未満:92万8755人
3万円以上~4万円未満:284万2021人
4万円以上~5万円未満:466万3638人
5万円以上~6万円未満:776万979人
6万円以上~7万円未満:1483万5773人
7万円以上~:188万2274人
平均は5万円台で、ボリュームゾーンは「6万~7万円未満」。また男女に大きな差は見られません。
「厚生年金」みんなの受給額とは
同資料から、厚生年金についても見ていきます。以下の金額には国民年金の金額も含まれています。
厚生年金保険(第1号)の年金月額
全体平均月額:14万4366円
男子平均月額:16万4742円
女子平均月額:10万3808円
厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
同様に1万円レンジごとの受給者数も見ていきましょう。
1万円未満:10万511人
1万円以上~2万円未満:1万8955人
2万円以上~3万円未満:6万6662人
3万円以上~4万円未満:11万9711人
4万円以上~5万円未満:12万5655人
5万円以上~6万円未満:17万627人
6万円以上~7万円未満:40万1175人
7万円以上~8万円未満:69万4015人
8万円以上~9万円未満:93万4792人
9万円以上~10万円未満:112万5260人
10万円以上~11万円未満:111万9158人
11万円以上~12万円未満:101万8423人
12万円以上~13万円未満:92万6094人
13万円以上~14万円未満:89万7027人
14万円以上~15万円未満:91万3347人
15万円以上~16万円未満:94万5950人
16万円以上~17万円未満:99万4107人
17万円以上~18万円未満:102万4472人
18万円以上~19万円未満:99万4193人
19万円以上~20万円未満:91万6505人
20万円以上~21万円未満:78万1979人
21万円以上~22万円未満:60万7141人
22万円以上~23万円未満:42万5171人
23万円以上~24万円未満:28万9599人
24万円以上~25万円未満:19万4014人
25万円以上~26万円未満:12万3614人
26万円以上~27万円未満:7万6292人
27万円以上~28万円未満:4万5063人
28万円以上~29万円未満:2万2949人
29万円以上~30万円未満:1万951人
30万円以上~:1万6721人
平均の14万4366円に対し、ボリュームゾーンは9万円から10万円です。また平均ベースでみても、男女で差が約6万円あります。
平均値は一部の高額受給者に押し上げられていると言えますね。先に解説したとおり、厚生年金は現役時代の収入や加入期間で決まります。つまり現役時代にどのような働き方をしていたかによって、年金の個人差は大きく開くということです。
女性が育児と仕事を両立しやすい環境が整えば、今後男女差は埋まると考えられます。しかし働き方が多用している現代、個人差はますます開くと考えられるでしょう。
年金から天引きされるお金
ここまで年金受給額の実情について見てきましたが、実は年金からも天引きされるお金があります。
総務省の「家計調査年報(家計収支編)2020年(令和2年)Ⅱ総世帯及び単身世帯の家計収支」によると、65歳以上の高齢単身無職世帯の「直接税」は平均で6430円、「社会保険料」は平均で5082円かかっています。
これらは基本的に、年金から天引きされます。仮に自営業者が平均どおりの年金5万6252円を受給しても、手取りでは4万4740円になる計算です。
引かれるお金の中身は、主に次の項目になります。
市区町村民税(個人住民税)
各市区町村に納めている住民税などが該当します。
介護保険料
40歳から健康保険料に上乗せして納付していた介護保険料を、65歳以降は単独で支払います。年金の年額が18万円以上の場合は、納付書等ではなく年金からの天引きで納めることとなります。
健康保険料
自営業者が加入する国民健康保険料(税)や、75歳になると全ての人が加入する後期高齢者医療保険料なども、年金から天引きされます。ただし介護保険料も天引きされていることや、「老齢もしくは退職を支給事由とする年金受給者で、年間の年金支給額が18万円以上」などの条件があります。
まとめにかえて
いかがでしたでしょうか。年金の受給額が少ないと感じられる上に、年金から天引きされるお金に衝撃を受けた方もいるかもしれません。
これからは将来に向けた自助努力が必要となる時代です。先に解説した「年金の3階部分」を備え始めるなど、自分なりの方法を検討してみてはいかがでしょうか。
どんな方法にもメリットとデメリットは存在します。情報収集をすることで、マネープランを安定させましょう。
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