【専門家監修】【比較】中古戸建てフルリノベーションと新築戸建て、どっちがお得?

今までの日本は新築を購入するのが一般的でしたが、現在は中古の物件を手に入れてフルリノベーションするという流れも多くなってきています。どういったところにメリットがあるのでしょうか?費用面や機能面、将来性もふまえてご紹介します!

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このアイデアの監修者

森住宅コンサルタント株式会社 代表取締役 森雅樹

名古屋生まれ。法政大学卒業後、大手ハウスメーカーに就職し戸建て住宅営業を経験。
退職後は都内の零細工務店において戸建て営業とリフォーム営業に従事。その後、森住
宅コンサルタント㈱を興して独立。現在は住宅会社と消費者向けの講演、執筆、コンサ
ルティング活動を行う。買う側、売る側双方の立場を熟知したうえでのアドバイスを行
っている。住宅購入者向け、住宅販売者向けの単行本20冊以上。

森住宅コンサルタント(株)
http://mori-consultant.com/

中古戸建てのフルリノベーション物件が流行!?

以前、練馬区にある築47年の中古一戸建てを購入してフルリノベーションした方から住宅相談を受けたことがあります。

30代の若いご夫婦でしたが、ご夫婦ともにスタイリッシュな方だったことを今でもはっきりと覚えています。新築住宅の値段と中古一戸建てを比較検討した結果、中古住宅をフルリノベーションした方が自分たちの希望に合致した暮らしを手に入れられるとの結論にいたったとのことでした。

「予想より少し予算がオーバーしましたが(笑)」とのことでしたが、フルリノベーションゆえに見た目はまるで新築そのもの。事情を知らない人が見れば「これが中古住宅なの?」と驚くことは必至です。

良質な中古住宅が大量に出回っているという事情に加え、古い家を再生させて大事に使うという欧米式の考え方がかなり浸透してきているのが今の状況です。

【費用】戸建てフルリノベーションor新築戸建て

大まかな話にはなりますが、結論からお話しすると新築戸建てにかかる費用を100とすると、中古一戸建てを購入してフルリノベーションした場合は60~80といった数字で収まるはずです。

もちろんドイツ製の高級キッチンを入れ、ドアは無垢材の1枚物を全室に入れ……と、贅沢をいえば予算は高騰します。でも、一般的なものを選んでいけば値段が大きくなることはあまりないと思います。

もちろんおしゃれ感の演出は絶対条件ですよ。このポイントをしっかり押さえても上記の値段感におさまるということです。

住宅ローン

新築同様に戸建てリノベーションでも住宅ローンが使えます。とくに小規模のリフォームとは違いますので、なかなか全額を現金でまかなうのは難しいでしょう。

ただ、金利に関しては新築ローンの方が安く設定されています。また、返済期間も新築よりリノベーションは短期の設定となっていますので各金融機関に確認をしてください。

助成金

政府が行っている『住宅ストック循環支援事業』という補助金制度があるのでご紹介しておきましょう。

あなたが良質な中古住宅を購入する前提としてですが、住宅の劣化状況や欠陥の程度を診断するインスペクション費用として5万円の支給制度があります。

良質な中古一戸建てが増えてきたとはいえ、なかには粗悪な一戸建てがあるのも事実です。ですから、購入する前の段階でプロに住宅を診断してもらうのを私はおすすめします。その時の費用の一部が補助金として支給されるのです。

断熱、エコ設備、バリアフリー、耐震改修など現状よりも良質な住宅にリフォームすると補助金の対象となり、が該当しますが、30万円を上限として支給されます。ただし、耐震改修に関しては上限は45万円となります。

【機能性】フルリノベーションマンションor新築戸建て

防犯性

防犯も機能の一部。重要ですよね。特に女性として関心事の高い事柄の一つですが、防犯に関してはマンションが有利。

新築一戸建てではドアのみならず、すべての窓に防犯機能を付けなければ、侵入されるリスクは消えません。それに比べてマンションの3階以上であれば、入り口と廊下に面する窓だけ防犯機能を持たせれば安全性は飛躍的に高まります。

家事動線

これは新築一戸建てに軍配があがるでしょう。新築一戸建てはフリー設計であるかぎりすべてが自由になります。それに比べてマンションは枠が決まっているだけに制約がかかります。

とくに水回りは配管の関係があるので、自分好みの家事動線が構造上無理なケースが出てきます。

【将来性】フルリノベーションマンションor新築戸建て

売却時の有利性

マイホームを取得した時はまったく想定していなくても、事情が変わってそれを売却することもありえます。その際には1円でも高く売りたいのは当然ですよね。

一戸建ても建ててすぐは新築という冠がついているのですが、10年も経過すれば新築一戸建ては中古一戸建てになってしまいます。これに比べてリノベーションしたマンションも中古には変わりませんが、リノベーションをしている分有利な扱いになります。

マンションフルリノベーション物件と新築一戸建て物件の資産価値比較はとても難しいのですが、比較的好立地に建っているマンションであれば、売却時の有利性は高いと判断できます。

こう考えると、条件付きながらもリノベーションマンションが売却時には有利だと私は判断します。

【まとめ】フルリノベーションマンションor新築戸建て

基準とする軸を何にするかで大きく判断は異なりますが、やはり立地条件だけは最低限押さえてください。この立地によってすべては大きく変わるといえるでしょう。もちろん、そこに永住することを決めているならば話は別です。

しかし、これから20年、30年という永いスパンを考えると、立地によって判定は大きく異なるとしか言いようがありませんね。

立地条件を考慮しない場合ですが、庭があるライフスタイルを良しとするか否かも重要でしょう。犬を飼いたいという絶対的な希望があるならば庭が欲しいところですし、そもそもマンションでは犬を飼うことができないかもしれませんので。

フルリノマンションorフルリノベ戸建て

マンション好きか一戸建て好きかはさておき、フルリノベマンションで注意してほしいのは、マンション自室内は綺麗に生まれ変わるものの、マンションの外観は古いままだということでしょう。これが意外な盲点で、マンションをフルリノベーションした人から聞かれる後悔ポイントの1つです。

ただ、この手のことが一切気にならないのであれば、マンションのフルリノベーションはすべてがワンフロアーにコンパクトに収まり、使い勝手の良い住まいとなるでしょう。

その反対のフルリノベーション戸建てですが、建て替えが不可能な地域の物件を所有している、あるいはそのような土地を購入したケースにおいては極めて有効な手法となるでしょう。また、一戸建てはマンションと違いお隣や上下階との接点がないので騒音などのトラブルが少なく快適な暮らしができます。
 
ところで、よく言われるように、日本は欧米と比べると極端な新築信仰文化でここまで来ました。

これに対してヨーロッパなどは築400年、500年というとんでもない物件がたくさんあり、新築よりもその古さを競い合う傾向があります。建物の構造が違うことや地震の多さが影響してはいるのですが、とにかく日本は異常なほどの新築信仰が跋扈(ばっこ)してきたのです。

しかし、一戸建てフルリノベーションやマンションフルリノベーションは、その中身は全くの新築と同様。構造部分だけが古いままなのですが、その構造が耐震性などに対して全く問題ないと判断されれば、ヨーロッパなどのようにリノベーションを積極的にするのも現代の流れにはあっているといえるでしょう!

フルリノベーションはお得か?

「お得か?」というのは軸にする価値基準を定めなければ答えは出しようがありません。

ただ、確実に言えるのは、費用面を軸にすれば新築戸建てよりもフルリノベーションが間違いなくお得と言えるでしょう。 

既述したように工事費用が30%程度は安くなると思われますので、浮いたお金を他のことに回すことができるからです。

あとは、それぞれの優先事項や価値判断に基づいてじっくりと検討してみてください。

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