
車を買い替えるとき、自動車保険はどうすればいい?選び方のポイント
自動車雑誌やサイトを見ながら希望の車種を絞り込み、ディーラーで条件交渉をして購入。納車の日を指折り待つ日々は車好きにとって至福のひとときですよね。完璧なつもりの新しい車の受け入れ準備でも、意外と忘れがちなのが「自動車保険の買い替え手続き」です。ディーラーに全ておまかせの場合は心配ありませんが、最近のダイレクト系保険を利用している場合では自分で手続きをしなければなりません。「そのうちやろう」と思っているうちに、納車の日が来てしまったなんてこともあるかもしれません。そこで今回の記事では、車を買い替えるときに注意しておきたい自動車保険のポイントを解説します。買い替えを検討している人はぜひ参考にしてください。
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- 車を買い替えたら、自動車保険も切り替えが必要!
- 自動車保険の補償対象は保険証券に登録された車のみ
- 車両入替とは?
- 等級や事故履歴はリセットされる?
- 車両入替をしなかったらどうなる?
- 買い替えによって保険料が高くなる場合、安くなる場合
- 買い替え手続きができる条件
- 入換前の車を譲渡・廃車・リース返還などの理由で手放していること
- 契約者の名義に変更がないこと
- 新たに取得する車が自家用8種に含まれていること
- 買い替え手続きの方法・必要書類等
- 新しい車の納車日より前に保険会社に連絡する
- 保険会社への連絡後準備しておくもの
- 中古車の場合は?
- 買い替え手続きの注意点
- 車の買い替えは、自動車保険見直しのチャンス
- プロフィール
車を買い替えたら、自動車保険も切り替えが必要!
自動車保険の補償対象は保険証券に登録された車のみ
自動車保険で補償されるのは、保険証券に登録された車だけです。
考えてみてください。極端な例ですが、軽自動車に乗っていた人がフェラーリに乗り換えたら、事故率も修理代金もまったく違うものになりますよね。そのため、車を買い替えた場合は自動車保険の「車両入替」という手続きが必要になるのです。
車両入替とは?
車両入替とは、保険会社に対し車を買い替えたということを伝え、補償内容を変更してもらうことです。保険会社は新しい車の車種や金額などから事故リスクなどを計算し、補償内容や保険料を調整。契約を継続させます。
等級や事故履歴はリセットされる?
無事故割引である等級や事故履歴は「車」ではなく、「運転する人」の行動履歴です。そのため車両入替があってもリセットされることはなく、新しい車に引き継がれます。
車両入替をしなかったらどうなる?
車両入替をしなかった場合、新しい車で事故を起こしても基本的に補償は受けられません。
ただ自動車保険に「被保険自動車の入替における自動補償特約」が付いている場合があります。この特約が付いていると、うっかり車両入替を忘れてしまった場合などでも短期間(30日前後が多い)であれば補償されます。ただし以前所有していた車を譲渡・廃車などにしているなどの条件があるので注意が必要です。
買い替えによって保険料が高くなる場合、安くなる場合
自動車保険の保険料は、「被保険自動車のリスク度合い」によって決まります。つまり「事故を起こしやすい車」の保険料は高くなるわけです。
そのため、一般的なファミリーカーからスポーツカーに乗り換えると保険料がアップします。一方最新の車のように先進の安全装備が付いている場合は、「事故を未然に防いでくれる」わけですから、保険料が安くなります。
また車両保険を付けている場合は、車両本体価格が高額になればそれを補償するために保険料も上がります。
買い替え手続きができる条件
新しい車を購入したからといって、どんな場合でも買い替え手続きができるわけではありません。以下のような条件が必要となります。
入換前の車を譲渡・廃車・リース返還などの理由で手放していること
ひとつの自動車保険契約で登録できる車は1台だけです。現在所有している車を保持しながら新しい車を購入する場合は、別途新しい自動車保険契約が必要です。
そのため、買い替えて続きをして車両入替をするためには、入替前の車を「自分のものでない状態」にしておかなくてはなりません。具体的には、車を譲渡して他人名義にする、廃車にする、リース期間終了などによりリース会社に返還する、などの手続きが必要です。
契約者の名義に変更がないこと
買い替え手続きを行うには契約者の名義に変更がないことが必要です。これは等級や事故履歴などが引き継がれる関係上、「他人」に引き継がせるわけにはいかないためです。具体的には、新たに取得する車の所有者または使用者が以下に該当する必要があります。
・変更前の車両所有者(使用者)と同一
・入換前の記名被保険者本人
・入換前の記名被保険者の配偶者
・入換前の記名被保険者またはその配偶者の同居の親族
記名被保険者の別居の親族は車両入替不可なので注意が必要です。
新たに取得する車が自家用8種に含まれていること
業務用の車などは別の保険契約が必要なので、新しい車はいわゆる「自家用8種」である必要があります。自家用8種とは以下の車種を指します。
1. 自家用普通乗用車
2. 自家用小型乗用車
3. 自家用軽四輪乗用車
4. 自家用軽四輪貨物車
5. 自家用小型貨物車
6. 自家用普通貨物車(最大積載量0.5トン以下)
7. 自家用普通貨物車(最大積載量0.5トン超2トン以下)
8. 特種用途自動車(キャンピングカーなど)
買い替え手続きの方法・必要書類等
新しい車の納車日より前に保険会社に連絡する
スムーズに買い替え手続きを行うためには、新しい車の納車日より前に保険会社に連絡することが重要です。
あらかじめ連絡して納車の日時(時間の指定も大切です)を保険会社に伝えておけば、それに合わせて自動車保険を切り替えてもらえます。
保険会社への連絡後準備しておくもの
●新しい車の車検証
保険会社は型式や車名で車のグレードを判断し、補償内容を決定します。また車台番号(車1台1台に付いている識別番号)で被保険自動車を特定するので、それらが記載されている車検証を用意しておきます。
ただ登録などがギリギリで車検証が納車時まで手元にない場合は、以下の項目をディーラーなどに聞いて調べておきましょう。
①型式
②車名
③初年度登録年月
④登録番号
⑤車台番号
⑥所有者
⑦使用者
●新しい車の注文書または売買契約書
車両保険の補償額を決める際に車の購入価格などが必要となります。そのため金額のわかる注文書などを用意しておきます。
●現在利用している車の積算距離計(オドメーター)の距離のメモ
年間の走行距離によって割引が受けられるタイプの自動車保険の場合、買い替え手続きの時点での走行距離を申告する必要があります。その場合は今まで乗っていた車を下取りや売却する前に、必ず走行距離をメモしておきます。
●返金がある場合は契約者名義の返金口座
上記のようにリスクの高い車に買い替えたり、車のグレードが上がって車両本体価格が上がった場合などは、それまで乗っていた車に比べて保険料が上がるので、差額を請求されます。一方、安全装備などで保険料が安くなった場合は差額が返還されるので、契約者名義の返金口座を用意しておきます。
中古車の場合は?
中古車の場合は名義変更が終わっていない場合があるので、必ず名義変更後の内容で買い替え手続きをします。
ただし、あまりに古い車だと車両保険を付られない場合があります。クラシックカーなどプレミアが付いていて高額になっている車でも、扱いとしては「古い車」なのです。車両保険による車の修理代金は「時価」で支払われるため、10年以上経った古い車には安い修理代金しか支払うことができません。
そのため支払いを巡ってトラブルになることが多く、保険会社はあらかじめ車両保険自体を受けないことが多くなっています。
買い替え手続きの注意点
新しい車に買い替えたら、無保険期間を作らないためにも早めに買い替え手続きを行うことが大切です。「被保険自動車の入替における自動補償特約」がいていることを考慮しても、新しい車を「取得した日」の翌日から数えて30日以内に手続きをする必要があります。
ここで大切なのは、車が「納車された日」ではなく、「取得した日」からカウントするということです。取得した日とは新車であれば車を契約者名義で新車登録した日、中古車であれば契約者名義に名義変更した日となります。
いずれも納車日よりは前の日付なので、のんびりしていると期限が過ぎてしまうので注意が必要です。
車の買い替えは、自動車保険見直しのチャンス
内閣府の消費動向調査によると、2018年度現在、車の平均的買い替えサイクルは9.3年となっています(※1)。9年前と比べると車自体の安全性能や装備も格段の進歩を遂げており、それを対象にした自動車保険の保険料の割引も行われています。
9年も経てば子どもが生まれたり、逆に子どもが結婚して自宅を出て夫婦2人きりになったりと、家族構成が変わることもあるでしょう。そんなときの車の買い替えは、毎年なんとなく更新している自動車保険を見直すチャンス。保険料が大幅に安くなることもあります。これを機に見直しの検討をしてみてはいかがでしょうか。
プロフィール
杉浦 直樹
AFP FP2級
元歌舞伎役者のファイナンシャルプランナー。以前ソニー生命に勤務していたため保険商品に強い。
JSA認定ソムリエの資格も持つ
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