
軽自動車の自動車保険は安い!?維持費をもっと安くする3つの方法
国内の新車販売の4割近くを占める軽自動車。その人気の秘密はなんといっても「維持費の安さ」です。軽自動車税や重量税といった税金、ガソリン代、車検代金、メンテナンス費用……どれをとっても普通自動車に比べて安くなっています。国民の日常の足という役割のある軽自動車は、国の政策的に維持費を安くする必要があり、その恩恵を存分に受けているのです。では自動車保険はどうなっているのでしょうか? 民間の損害保険会社が販売する任意の自動車保険の保険料は、自動車の維持費の中でもかなりのウエイトを占める金額です。そこで今回は、軽自動車と普通自動車の保険料の違い、軽自動車の保険料をさらに安くするテクニックなどについて解説していきます。お得な軽自動車をさらにお得に乗るための情報です。
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軽自動車の保険は普通自動車の保険に比べて安い
強制保険である自賠責保険が安い
すべての自動車は法律によって、自動車損害賠償責任保険(通称・自賠責保険)への加入が義務付けられています。軽自動車の場合、まずこの自賠責保険が普通自動車に比べ安くなっています。
2017年4月以降、自賠責保険料が全車種において値下げされたので、金額差は縮まっていますが、軽自動車の自賠責保険料は政策的に安く抑えられています。
任意保険は普通車の7~8割くらいになる
それでは任意保険はどうなっているのでしょうか。普通自動車と軽自動車の見積もりをしてみました。
今回のケースでは、軽自動車が普通車の約7割くらいの金額になりました。他の車種でも見積もってみても、おおよそ7~8割程度になります。
軽自動車の方が自動車保険が安い理由
軽自動車には普通車のような車両料率クラスがない
普通車の場合は車両料率クラスというものが決まっていて、そのクラスによって保険料が変わります。しかし、軽自動車の場合は車両料率クラスがありません。
車両料率クラスとは
車両料率クラスとは、車の型式ごとに事故が起こりやすいリスクや、保険会社の支払額が高くなるリスクを1~9の数字で数値化したものです。1が最もリスクの低いクラスで、9が一番リスクの高いクラスです。自動車保険の主な4つの分野のそれぞれにクラスが決まっています。
・対人賠償保険
・対物賠償保険
・傷害保険(搭乗者障害・人身傷害)
・車両保険
例えば高級スポーツカーだと、
高い速度域で走行することが多いので、対人・対物のリスクは高くなります。また車両本体価格が高額になるので、車両保険は最高の9クラスになるのです。
一方2人乗りのことも多く、また最先端の安全装備がついていることも多いので、傷害部分はクラスが低くなっています。
軽自動車は事故リスクが低く、車両価格も安いため保険料も安くなる
軽自動車の場合高速道路等より街乗りが中心となり、日常の速度域が低く、対人・対物の事故リスクは低くなります。また軽自動車の場合最大定員が4名であることから傷害のリスクも低く、更に車両価格がやすいので、車両保険部分もリスクが低くなるのです。
このように全てのリスクが普通車より低いので、特に車両料率クラスを設けず、普通車で最も安い料率クラスより更に安くなるように設定されています。
軽自動車は車種によって保険料の差がほとんどない!
軽自動車の場合車両料率クラスがないので、車種によって保険料の差がほとんどありません。若干の差が出てくるのは車両本体価格の違いで車両保険の金額が変わってくる場合です。実際に試算してみましょう。
このようにメーカー、車種が変わっても、保険料はほとんど変わりません。
軽自動車の自動車保険を更に安くするためには?
車両保険をエコノミータイプに
軽自動車は規格によってエンジンの排気量660cc以下、全長3.4m以下、全幅1.48m以下、全高2.0m以下と決められています。そのため前述したように、車種によって自動車保険の保険料を安くすることが難しくなっています。
そこで唯一保険料が大幅に変わってくる車両保険をエコノミータイプに変更します。
エコノミータイプとは?
車両保険のエコノミータイプとは、一般タイプの車両保険より補償される範囲を限定し、保険料を安く抑えたものです。他の車との衝突や接触、落書きや盗難などはもちろん補償されますが、
・単独事故(電柱やガードレールにぶつかった等)
・当て逃げ
・自転車との接触
などは補償されません(※一般タイプは上記もすべて補償されます)。先程の見積もりを、車両保険をエコノミータイプ(車対車+限定A)にして比較してみましょう。
このように半額近くの保険料になっています。「他の車とぶつかったときだけの補償で構わない」と割り切れるのであれば、おすすめの方法です。
車両保険の免責額を変更する
車両保険の免責額を変更するのもおすすめの方法です。
免責額とは、事故の時補償される修理費用から引かれる金額のことで、契約者側から見れば自己負担額、保険会社からすれば免責額となります。
通常「0―10」という表示がされています。これは、「契約期間中(自動車保険の場合は通常1年)の初めての事故の時は自己負担ゼロで全額保険会社が修理費用を出します。ただし契約期間中の2回目の事故の時は10万円自己負担してください」ということを示しています。
自己負担額が多ければ、保険会社としては実質的な支出が減るということもありますし、契約者が自己負担額を出したくないので注意して運転するという効果も狙えます。そのため保険料が安くなるのです。
先程の例で再度シミュレーションしてみましょう。
このように、初回の自己負担額を5万円にすると、年間の保険料を約1万円安くすることができました。
セカンドカー割引を利用する
自動車保険にはノンフリート等級という割引制度があり、新規で自動車保険に申し込むと6等級から始まり、無事故で過ごせば毎年1等級ずつ上がっていきます。最高は20等級で、60%以上の割引を受けることが可能です。
セカンドカー割引は、既に自動車保険に加入している車が他にあれば、自動車保険を申し込む際6等級ではなく、1つ上の「7等級」から始められる割引サービスです。保険会社によって条件は多少違いますが、
・1台目の車が11等級以上であること(他の保険会社で契約していてもOK)
・2台目の車(今回契約する車)が今回はじめて自動車保険を契約する車であること
・2台目の車の記名被保険者(保険の主な補償対象となる人)が1台目の車の記名被保険者、またはその配偶者、または記名被保険者か配偶者の同居の親族であること
などを条件として、この条件に当てはまればセカンドカー割引が適用されます。セカンドカーとして購入されることの多い軽自動車なので、この割引はぜひ覚えておきたいものです。
維持費が安いという軽自動車のメリットを更に伸ばそう
税金などはこれ以上安くはできませんが、自動車保険なら工夫次第でさらに保険料を下げることができます。
今回ご紹介したテクニックで自動車保険のムダをなくし、維持費が安いという軽自動車のメリットを最大限に活かしましょう。
プロフィール
杉浦 直樹
AFP FP2級
元歌舞伎役者のファイナンシャルプランナー。以前ソニー生命に勤務していたため保険商品に強い。
JSA認定ソムリエの資格も持つ
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