自動車保険は6等級からスタート!等級制度のメカニズムをわかりやすく解説

自動車保険には等級というものがあり、事故歴や保険料と深い関係があります。等級が高くなったり低くなったりすると、支払う保険料は割引されたり割増されたりするのです。
初めて自動車保険に加入する方は知らないかもしれませんが、等級は6等級からスタートします。いきなり6等級と言われても、等級制度の仕組みを知らなければ理解するのは難しいでしょう。そこで今回は、なぜ自動車保険は6等級からスタートするのか、等級制度のメカニズムについて解説していきます。

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自動車保険における等級の基本

自動車保険における等級の基本について、わかりやすく説明していきます。

①自動車保険における等級とは?

自動車保険はフリート契約とノンフリート契約の2種類に分類されます。フリート契約とは10台以上の車の所有者を対象とする契約であり、ノンフリート契約とは9台以下の車の所有者を対象とする契約です。自動車保険に加入する個人の方が10台以上の車を所有していることはまれなので、ここではノンフリート契約を前提とする等級について説明します。

自動車保険は事故歴により等級が決定され、保険料が割増になったり割引になったりする仕組みです。自動車保険の等級は1~20段階に分かれていて、等級が大きくなるのに比例して割引率がアップします。

②なぜ6等級からスタートするのか?

等級制度では事故歴によって割増率や割引率が決まってきますが、新規に自動車保険を契約する人は6等級からスタートするのが原則です。6等級が最初の等級として設定されているため、まず1年間は6等級の保険料を払います。

若い人は事故を起こす確率が高く、保険金が支払われることが多い、というのが過去のデータから導き出されています。そのため、新規契約の1年間は同じ6等級でも若年層のドライバーの方が保険料が高くなっています。

等級制度のメカニズムについて

等級は一定のルールに従って変動しますが、以下では等級が上下する場合について説明します。

①無事故による等級の変動

自動車保険は1年間無事故で過ごすと、次年度の等級は1つアップして保険料の割引があるのが原則です。ただし、事故を起こした場合でも、保険を使わないで賠償すれば、等級はアップします。

②事故による等級の変動

事故を起こすと、以下の3パターンの中から次年度の等級が決定されます。

【1等級下がるパターン】
以下のような相手がいなくて契約者が無過失であった事故で、車両保険を使うと翌年は1等級下がります。

・盗難
・いたずらや落書き
・台風、洪水
・火災、爆発
・飛び石、落下物

【3等級下がるパターン】
契約者に賠償責任が発生する事故で、自動車保険を使うと翌年は3等級下がります。使う自動車保険は、対人賠償責任保険、対物賠償責任保険、車両保険などです。賠償責任が発生するような事故で自己負担することはほとんどないため、事故を起こすと3等級ダウンすることになります。

【等級が変動しない事故】
すべての自動車事故で等級がダウンするわけではなく、保険を使っても保険会社が事故としてカウントしないケースがあります。ノーカウントとして扱われるのは、以下のような保険や特約を使った場合です。

・人身傷害保険
・搭乗者傷害保険
・無保険車傷害保険
・弁護士費用特約
・ファミリーバイク特約
・搭乗者傷害特約
・個人賠償責任特約

なお、他に事故がなく保険を使わなければ、翌年度は1等級上がります。

③事故後の等級変動

事故を起こすと等級がダウンしますが、同時に事故有の等級になります。例えば、同じ7等級でも事故無と事故有では、保険料の割引率は事故無の方が高いのです。ダウンした等級は、1等級ダウンで2年、3等級ダウンで4年、無事故で過ごすと元の等級に戻ります。

【3等級ダウンの事故を起こした後、3年間無事故だった場合の等級変動】
・1年目……事故発生 15等級
・2年目……12等級(翌年3等級ダウン)
・3年目……13等級(無事故により1等級アップ)
・4年目……14等級(無事故により1等級アップ)
・5年目……15等級(無事故により1等級アップ)

注意すべき等級制度の事例

注意したい等級制度の事例として、以下の2つの事例を紹介します。

①満期直前の等級変化

自動車保険を更新して高い等級を引き継ぐと、保険料の大幅な割引が受けられますが、他の保険会社へ乗り換える場合は契約時期に注意しないと等級がダウンしてしまうことがあります。既存の保険が満期になって、新規の保険の契約までに時間的な間隔があると、高い等級がリセットされてしまうのです。その結果、乗り換えた保険会社との新規の自動車保険は6等級からのスタートになります。

このように満期のタイミングで既存の保険から新規の保険へスムーズに移行できないと、等級がリセットされてしまうことがあるのです。それだけでなく、保険の空白期間ができてしまうため、事故を起こしても補償されないリスクもあります。

複数の自動車保険を重複して契約することはできないので、自動車保険を乗り換える場合は早めに新規契約の申し込みをしておきましょう。そうすれば、満期に余裕をもって自動車保険を切り替えることができます。

②自動車保険を乗り換えても等級は変わらない

事故を起こして自動車保険を使うと等級が下がって保険料が割増になりますが、そんなときは保険会社を乗り換えて保険料を安くできないかと考えるかもしれません。ところが、保険会社を乗り換えても等級はリセットされず、下がった等級はそのまま引き継がれます。反対に、上がった等級も引き継がれるので、より良い保険会社へ乗り換えるということは可能です。

どこの保険会社へ乗り換えても、等級は引き継がれるということを知っておきましょう。

保険料と等級制度の関係をきちんと理解しておこう!

自動車保険の初心者は等級について学ぶ機会がないので、正しく理解している人はあまりいないでしょう。とはいえ、等級は保険料の割引・割増と深い関係があり、知らなくてもいいことではありません。

等級のことを気にせずに保険会社の乗り換えをして、契約の空白期間ができてしまうと等級がリセットされることもあります。保険料を安くして無駄に払わないためにも、等級制度についてしっかりと理解しておきましょう。

プロフィール

宮迫修三
FP3級。独立系FPとして資産運用を中心にコンサルティング活動。ウェブメディアで保険関係の記事を多数執筆。

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