生命保険の一括払いは可能!支払方法の種類、一時払い終身保険のメリットとは

生命保険に加入すると保険料を支払うようになります。保険料を月払いにしている方は多いと思いますが、支払い方法によって保険料の総額が変わってくることをご存知でしょうか。一般的には、生命保険を月払いするよりも一括払いする方がお得になります。一括払いをはじめとする保険料支払い方法の種類と、それぞれのメリット・デメリットについて解説します。また、活用範囲の広い「一時払い終身保険」の活用方法についてもご説明していきます。

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生命保険の一括払いは可能?

生命保険の保険料は月払いしている人が多いと思いますが、一括払いにすることも可能です。生命保険の支払い方法は、以下のような種類があります。どれを選択できるかは、加入する生命保険によって異なります。

・月払い:毎月支払う方法
・半年払い:半年に1回支払う方法
・年払い:年に1回支払う方法
・一括払い(一時払い):契約時に保険料をすべて支払う方法
・前納払い:半年払いや年払いの保険料を数回分まとめて支払う方法
・全期前納払い:将来の保険料をまとめて支払う方法

一括払い、全期前納払い、月払いのメリット・デメリット

上記の支払い方法の中でもよく選択されるのが、一括払い、全期前納払い、月払いの3種類です。まず、それぞれの支払い方法の特徴やメリット・デメリットについて解説します。

①生命保険の一括払いの特徴・メリット・デメリット

一括払いは、契約時に保険料をすべて支払う方法のことです。支払い回数が「1回」であるため、「一時払い」ともいいます。

一括払いのメリットは、総支払金額を最も抑えられることです。特に、月払いと比較すると相当な差があります。保険料をなるべく抑えたい方、現時点で自己資金が多い方は、一括払いを選択すると良いでしょう。

一括払いのデメリットは、一度に支払う金額が大きくなることです。一時払い終身保険などは保険料が1,000万円程度になる商品もあります。預貯金に余裕がある方におすすめできる支払い方法です。

また一括払いは、被保険者が死亡した場合や途中解約時に、基本的には支払った保険料は返還されません。そのため、場合によっては損をしてしまうこともあります。

②生命保険の全期前納払いの特徴・メリット・デメリット

全期前納払いは、将来の保険料をまとめて支払う方法のことです。支払い回数が1回である点は一括払いと同じですが、実は大きな違いがあります。

全期前納払いは一括払いと違い、「月払いの保険料をまとめて一度に支払っている」状態です。つまり、「すべての月払い保険料を保険会社に預けている」という状態になります。毎月の支払い期日になると、生命保険会社は支払われたお金の中から、その月の分だけ保険料を徴収しているのです。

全期前納払いにするメリットは、被保険者が死亡した場合や途中解約した際に、預けたお金が戻ってくることです。ここが一括払いと大きく異なる点です。万が一の際にはお金が返ってくるので安心できるでしょう。

対して全期前納払いのデメリットは、一括払いよりも高額になることです。そのため、一回で大きな金額を用意しなければならず、資金力のない方には不向きな支払い方法となります。

③生命保険の月払いの特徴・メリット・デメリット

月払いとは、保険料を毎月支払う方法のことです。月払いで支払っている方は多いと思います。

月払いのメリットは、一回に出ていくお金を少額に抑えられることです。月々の給与が安定している人は、計画的に支払うことができるので月払いに向いているでしょう。また、解約したいときには最短期間で解約でき、無駄な保険料を支払わずに済むのもメリットのひとつです。

対して月払いのデメリットは、総支払い保険料が一番高額になることです。月払いを続ければ続けるほど、保険料がかさんでいくことになります。長期的に保険に加入すると決めている場合は、一括払いなどを選択した方がお得になるでしょう。

どの方法がお得? 生命保険の支払額の比較

どの支払い方法がお得になるのか、一覧すると以下の通りです。

【高額】 月払い>半年払い>年払い>前納払い>全期前納払い>一括払い 【お得】

保険料の支払額で比較すると、一番お得になるのは一括払いです。もっとも保険料を抑えることができます。対して、結果的に一番お金がかかるのは月払いです。総保険料を軽減したい場合は、支払い方法を変更すべきでしょう。

生命保険を月払いから一括払いに変更する方法

加入した生命保険の支払い方法を、月払いから一括払いに変更することはできるのでしょうか。調べたところ、月払いを前納払いや年払いに変更することは可能ですが、保険期間の途中から一括払いに変更することは難易度が高いようです。

保険商品によっても扱いが異なりますので、詳しくは加入している保険商品の担当者に確認しましょう。

一時払い終身保険の多様なメリットとは

保険商品の中に「一時払い終身保険」という種類があります。保険料を一括で支払うことで一生涯保証を得られる商品です。一時払いによって保険料を抑えることができ、他の保険商品と比較しても加入条件が極めて優しいのが特長です。

この一時払い終身保険は、資産運用や相続対策にも利用できます。その理由について解説します。

一時払い終身保険の活用方法①資産運用

一時払い終身保険が資産運用に利用される理由は、一定期間生きた場合にもらえる解約返戻金を金利に置き換えて計算したときに、10年定期預金など長期的な預金と比較しても高い利率が見込めるからです。この低金利時代に、定期預金以外を利用して資金を増やすのは大切なことでしょう。

一時払い終身保険の活用方法②相続・相続税対策

一時払い終身保険が相続対策に利用される理由は2つあります。

1つ目は、受取人を指定できるからです。終身保険は、契約者が死亡した際に死亡保険金を受け取る人をあらかじめ指定する必要があります。指定できる人の範囲は配偶者や子など一定の制限がありますが、希望する人にスムーズに遺産を渡すことが可能です。

2つ目は、相続税の軽減効果があるからです。終身保険に加入している場合、終身保険に払い込んだ金額は、死亡した被相続人の資産から省かれます。相続税は、被相続人の総資産を元に計算されるため、総資産金額を少なくすることで結果的に相続税を軽減することができるのです。

以前は、相続税の基礎控除は「5,000万円+法定相続人の人数×1,000万円」でしたが、平成27年の改正より「3,000万円+法定相続人の人数×600万円」と少なくなりました。相続税がかかる方は以前よりも増えているため、ご自分やご家族の相続税対策として、一時払い終身保険を活用する人は増加しています。

保険料の一括払いや一時払い終身保険を活用しよう

生命保険は万が一の際に大切な人に資産を残せる便利な商品です。保険料を抑えたい方は、月払いではなく一括払いや全期前納払いを検討しましょう。また、一時払い終身保険は、資産運用や相続対策にも使用することができます。生命保険をうまく活用して、あなたや家族の資産を守っていきましょう。

プロフィール

金指 歩
法学部政治学科出身・元信託銀行勤務のフリーライター・ブックライター。神奈川県出身。FP3級を大学在学時に取得。金融系全般、女性のライフスタイルをテーマとした記事を中心に執筆している。

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