2台持ちするときの自動車保険！お得な割引制度や等級引き継ぎ

2台目以降の自動車保険の割引制度について

自動車保険の割引率が決まるノンフリート等級

自動車保険では、所有している車が9台以下の場合の契約のことを「ノンフリート契約」、その等級のことを「ノンフリート等級」と呼びます。法人などで所有する車が10台以上になると「フリート契約」となり、割引や割増などについてノンフリート契約とはまったく違うシステムとなります。

ノンフリート等級は1等級から20等級まで分けられており、1等級だと保険料が割増されるので一番高く、割引率が最も高くなる20等級だと保険料は一番安くなります。

新しく自動車保険を契約するときは普通「6等級」からスタートし、1年間保険を使わなければ翌年は1つ等級が上がります。逆に一般的な事故を起こして保険を使うと3等級ダウンとなり、保険料は高くなります。車両盗難や災害などで保険を使った場合は1等級ダウンとなり、弁護士特約や代車費用特約などで保険を使った場合は「ノーカウント事故」で等級に影響はありません。

ノンフリート等級の基本的な考え方自体はどこの保険会社でも同じですが、等級ごとの割引・割増率は保険会社によって若干異なります。

セカンドカー割引とは？

セカンドカー割引は、2台目以降の車に使える割引制度です。普通、新しい自動車保険の契約ではノンフリート等級は「6等級」からスタートとなりますが、すでに1台目の車の自動車保険を契約していれば、2台目は「7等級」からのスタートです。1等級分上からになり、保険料の割引が受けられるのです。

セカンドカー割引が使える条件は？

セカンドカー割引を使うには下の4つの条件を満たしている必要があります。

●1台目の車が11等級以上
●契約する車の用途車種が自家用8車種
●それぞれの車の所有者が同じまたはその配偶者か同居の親族
●それぞれの車の記名被保険者が同じまたは配偶者か同居の親族

なお、1台目の車と2台目以降の車で別の保険会社でも構いません。2台目以降の車を買うときには、家族の車の自動車保険の等級を確認してみましょう。

自動車保険の等級入れ替えはできる？　2台持ちの自動車保険

自動車保険では、同居の家族間で等級が引き継げます。ですから、2台目の車を購入するときには、

●1台目の車の等級をそのままにして2台目を新規契約する
●1台目の等級を2台目に引き継ぎ、1台目の車を新規契約する

という2種類の方法が考えられます。

等級入れ替えすると保険料がお得になるケース

自動車保険では、等級以外にも「年齢」によって保険料が大きく変わってきます。若い人ほど自動車事故を起こしやすいので、年齢が上がっていくにつれて保険料の割引が受けられるような仕組みになっているのです。年齢区分は下記のように区分されています。

●全年齢
●21歳以上
●26歳以上
●30歳以上
●35歳以上

記名被保険者・配偶者・同居の親族や使用人に年齢条件が適用されます。

例えば50代の親の車がすでに自動車保険に入っており、同居の20歳の子が新しく車を購入して自動車保険に加入するときのことを考えてみましょう。

親は35歳以上なので年齢条件でかなり割引率が高い保険料です。子供が新しく保険に入ると「6等級」もしくは「7等級」でスタートすることになります。年齢は「全年齢」になるので、保険料はかなり高額です。もし親の保険が6等級か7等級よりも高い等級なら、親の保険にその等級を適用させるよりも、子に高い等級を引き継ぎして、親が新たに6か7等級から始めた方が家族トータルでの保険料は安くなります。

もし同居のご家族が新たに車を購入されるときは、1台1台の保険料ではなく、トータルでの保険料でお得になるように等級の引き継ぎも検討してみてください。

2台目以降の自動車保険に加入するときの注意点

2台目以降の自動車保険に加入するときは、特約や補償の重複に気をつけましょう。重複に注意したい特約や補償を紹介しますので、ぜひチェックしてみてください。

人身傷害補償特約

「人身傷害補償特約」とは、自動車事故で死傷または後遺障害を負ったときの逸失利益や治療費などを補償してくれる特約です。逸失利益とは働く能力が低下したために得られなくなった将来的な収入などのことをいいます。

人身傷害補償特約は被保険自動車に乗っていない間の自動車事故についても補償してくれるタイプがあります。1台目と2台目もそのタイプだと、その2台以外の自動車に乗っているときや歩行中の自動車事故への補償が重複してしまうので、どちらか片方は「契約自動車搭乗中のみ補償」にしましょう。

ファミリーバイク特約や自転車事故補償特約

「ファミリーバイク特約」と「自転車事故補償特約」は記名被保険者やその家族がそれぞれ125cc以下のバイクに乗るとき、自転車に乗るときの損害賠償責任やケガなどの損害を補償してくれる特約です。家族の自動車保険にそれぞれつけていると補償が重複しますので、家族の中で1台分だけにつけましょう。

弁護士特約

「弁護士特約」は交通事故を起こして弁護士に示談交渉を依頼するときの費用を保険会社が負担してくれる特約です。弁護士特約が使えるのは、

●被保険者
●被保険者の配偶者
●被保険者か配偶者の同居の親族
●被保険者か配偶者の別居の未婚の子
●契約自動車に乗車していた人
●契約自動車の保有者

の場合です。また弁護士費用特約は契約車両以外の自動車の搭乗中や自転車、歩行中の交通事故でも使うことができます。ですので、ご家族で1台分の自動車保険にこの特約をつけていれば大丈夫です。

個人賠償責任特約

「個人賠償責任特約」は、日常生活で起きた偶然の事故で他人にケガをさせたり他人のものを壊したときの損害賠償責任を補償してくれる特約です。交通事故以外の事故について補償されます。

例えば自転車で他人に衝突してケガをさせてしまったり、お店の商品を誤って落として壊してしまったりといったときなど幅広く使えます。個人賠償責任特約が使えるのは、

●被保険者
●被保険者の配偶者
●被保険者か配偶者の同居の親族
●被保険者か配偶者の別居の未婚の子

などの場合です。この特約もご家族で1台分の自動車保険についていれば大丈夫なので、重複していないか確認してみましょう。

2台持ちするときの自動車保険は、無駄がないように注意しよう

2台目以降の車を購入して任意の自動車保険の加入を検討するときには、セカンドカー割引や等級の引き継ぎはもちろんのこと、各保険で補償や特約が重複しないように考えてできるだけ支払う保険料を安く抑えましょう。ご自身の車だけでなく、ご家族の自動車保険についても確認されることで、家族トータルでかなり保険料を節約できるかもしれませんよ。

プロフィール

清水みちよ
学生時代にアジア滞在中、現地で感染症を患い生死をさまよう。奇跡的に生還するも保険の大切さを痛感し、卒業後は保険の代理店窓口等で働く。趣味は懲りずにアジアの発展途上国を訪れて刺激をもらうこと。犬好きのアラフォー女子。