
生命保険を担保にしてお金を借りる方法は?契約者貸付制度の使い方と注意点
貯金に余裕がなくて急にまとまったお金が必要になったとき、あなたはどのような方法を考えますか? 借金をするという方もいると思いますし、もし生命保険を契約していれば、その解約を考える方もいらっしゃることでしょう。
生命保険は、元はといえば亡くなったときに残された家族にお金を残すためや、教育費のため、病気にかかってしまったときのためにお金に困らないように保険で準備していたことと思います。解約してしまえば、解約返戻金は受け取れますが、後に何かあったときが心配ですよね。
そんなときには、生命保険を担保にお金を借りる「契約者貸付制度」を使うことを検討してみてはいかがでしょうか。生命保険を担保にすると、審査なしで低い金利で、すぐにお金を借りることができます。
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生命保険は担保になる? 契約者貸付制度とは
1. 担保とは?
金融機関などでローンを組んでお金を借りるときには、担保を求められることがあるのは周知の事実ですよね。「担保」とは、お金を借りている「債務者」が何らかの理由で借金を返すことができなくなったときに、お金を貸している「債権者」が損をしないために受けとっておく保証のことです。担保には人的担保と物的担保の2種類があります。
●人的担保:保証人などをつけておくこと。債務者による借金返済ができなくなったときには保証人に支払いを請求できる。
●物的担保:不動産などの財産を借金の担保とすること。返済不能となったときに金融機関はその不動産を売るなどしてお金を回収することができる。
この借金の担保になるものの一つとして生命保険があります。
2. 生命保険が担保になる!契約者貸付制度とは?
生命保険を担保にする場合、「契約者貸付制度」というしくみを利用します。「契約者貸付制度」では、「解約返戻金」を担保にして保険会社から借金することになります。保険会社によって違いますが、借りられるのはだいたい解約返戻金の約8〜9割までというのが一般的です。もちろん借金ですので当然に利息はかかりますが、だいたい年利2〜6%程度と、消費者金融やカードローンなどに比べるとはるかに低金利ですむのが一つの特徴です。借りる際の審査も特に厳しいというわけではなく、ネットや電話、窓口などで申し込むことができます。
ただし、すべての生命保険が担保にできるわけではありません。次項では、どのような生命保険であれば担保になるのか解説していきたいと思います。
担保にできる生命保険の種類と保険の失効
1. どのようなタイプの生命保険ならば担保になるのか
契約者貸付制度を使えるのは、「解約返戻金が設定されていて貯蓄性のある生命保険」に限ります。例えば、以下のような保険では、契約者貸付制度を使えることが多いです。
●終身保険:死亡保証が一生つづき、途中で解約すると返戻金がもらえる
●養老保険:一定期間の死亡保障がつき、満期時に死亡保険金と同額の満期保険金が支払われる
●学資保険:子どもの成長に合わせて進学準備金や満期学資金が支払われる
反対に、掛け捨ての保険は貯蓄性がないため、担保にすることができないので注意が必要です。
2. 保険は失効してしまうのか?
生命保険を担保にしたときに、保険の契約はどうなるのか気になるところですよね。結論から言うと、契約者貸付制度を使っても契約は失効しません。借りている間の保証も、将来の保証もそのまま継続されますので、安心なのが何よりです。反対に、お金が必要になったときにもっている保険を解約してしまうと、将来の保証がなくなってしまうことになります。余裕ができたときに他の保険に入ろうと思っても、今入っている保険よりは高額になることが多いのです。せっかく積み立ててきた保険ですので、すぐに解約してしまわないようにしましょう。
生命保険を担保にする際に契約者貸付制度を使うときの注意点
1. 元利金が限度額を超えないようにする
契約者貸付制度を使用しても、その保険の契約は今まで通り続きますが、「元利金」が貸付限度額を超えないように気をつけることが必要になってきます。元利金とは、あなたが借りたお金と、今まで発生した利子の合計のことを意味します。中でも注意しておきたいのが利子で、元々借りたお金が限度額以内であっても、返済が滞っているとどんどん利子が増えていきます。そうすると、気づかないうちに限度額を超えてしまうことがあるのです。元利金が限度額を超えると、保険会社から入金を要求する通知が届き、期日までに入金できなければ保険が失効してしまいます。
2. 利子が「複利」で計算される
契約者貸付制度の利子は一般的に複利を使われます。「単利」であれば元本のみに利子がかかるのですが、「複利」の場合は元本とこれまでに発生した利子を合わせた金額に対して利子がかかってきます。
例えば100万円を年利5%で借りた場合、単利だと1年目の返済額は105万円、2年目は110万円、3年目は115万円となります。複利の場合、1年目の返済額は105万円、2年目は110.25万円、3年目は115.76万円と年数を重ねるごとに加速度的に返済額が増えていきます。できるだけ早くに返済し、せめて利子の分だけでもきちんと返していくようにしたいものですよね。
3. 保険金が返済にまわされることがある
契約中に保険金が給付されたり、お祝い金や生存給付金などが発生するプランも少なくありません。契約者貸付制度を使っていると、もらえる保険金やお祝い金などが返済にまわされることがあるという点は、覚えておいて損はないでしょう。たとえば、100万円を借りていて300万円の給付金があると、300万円のうち100万円は借金の返済にまわされ、残りの200万円があなたの手元に入ってきます。医療費や教育費としてあてにしていたお金が返済にまわされると困ってしまいますよね。必要な保証が必要なときに受けられるように、契約者貸付制度はよく考えて申し込みましょう。
生命保険を担保にしてお金を借りることは可能
●「契約者貸付制度」を使えば保険を担保に生命保険会社からお金を借りられる
●一般的に、解約返戻金の8〜9割の限度額を、年利2〜6%で借りられる
●保険契約は維持されるが、限度額を超えると契約失効になる
●利子は低いが、「複利」である
●保険金などが返済にまわされることがある
生命保険を担保にしてお金を借りる「契約者貸付制度」について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。金利が低く、審査もなくお金を借りることができる便利な制度ですが、保険を失効してしまったり、保険金が受け取れなくないなどのリスクもありますので、よく考えて利用してくださいね。
プロフィール
清水みちよ
学生時代にアジア滞在中、現地で感染症を患い生死をさまよう。奇跡的に生還するも保険の大切さを痛感し、卒業後は保険の代理店窓口等で働く。趣味は懲りずにアジアの発展途上国を訪れて刺激をもらうこと。犬好きのアラフォー女子。
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