生命保険は中絶しても対象になる?手術後の保険への加入は可能?
中絶手術は、できればやりたくないけれど、女性ならばいつでも受ける可能性のあるものです。中絶は、心と体、そして経済的な負担が大きい手術です。もし中絶手術を受けた場合、すでに加入していた生命保険の対象になるのでしょうか。
また、中絶手術をしたあとでも、生命保険には問題なく入れるのでしょうか。女性にとって気になる中絶手術と生命保険の関係性について解説していきます。
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中絶手術に生命保険は適用されるのか?
中絶手術をした場合に生命保険が適用されるかどうかは、中絶した理由によります。適用される場合とされない場合について説明していきます。
中絶手術が生命保険が適用される場合
中絶手術に生命保険が適用されるのは、治療行為として、医師の判断で中絶する場合です。妊娠を継続すると妊婦の命に関わる場合、流産、胎児死亡などのケースがあります。この場合には、生命保険の手術給付金や、入院給付金などが受け取れます。
中絶には、妊娠初期(妊娠6週〜12週)での中絶と、妊娠中期(妊娠12週〜22週ごろ)での中絶の2種類があります。妊娠初期での手術には10万円程度、妊娠中期での手術には40万円程度の費用がかかります。
ただ、妊娠中期での中絶手術で、医師の判断による治療行為に当たる場合は、出産と同じように、出産育児助成金の42万円が給付されます。そのため「妊娠中期まで中絶するのはやめておこう」と考える人もいるかもしれません。
しかしその考えは危険です! 中絶手術は、胎児が大きくなればなるほど母体に負担がかかるものです。妊娠初期ならば1日で終わった手術も、妊娠中期になると入院する必要も出てきます。さらに、妊娠中期での中絶は、胎児の死産届を提出し、胎児の埋葬をする義務があり、その費用も10万円ほどかかります。精神的ダメージも計り知れません。
遅くなればなるほど様々な負担が増えていきますので、中絶が必要ならば早期に手術することをおすすめします。
中絶手術が生命保険が適用されない場合
中絶手術に生命保険が適用されないケースは、自己都合で中絶手術を選択した場合です。経済的な理由で子どもを育てられない、産み分けに失敗した、望まない妊娠をした、などが当てはまります。この場合は、生命保険の給付金などを受け取ることはできず、全額自費でまかなうことになります。
なぜ自己都合だと生命保険が適用されないのでしょうか? それは、保険金が下りることを当てにした安易な中絶手術が増えることを防ぐためです。「望まない妊娠をしたら中絶すればいいや」ではなく、産める条件を整えた上で妊娠することが大切です。
ただ、この「自己都合」には、性的暴行が原因の中絶手術も含まれます。女性が被害者になりやすい性犯罪が自己都合に含まれてしまうのは、さすがに不条理に思えます。
これを解決するために、警視庁では「犯罪被害者に対する公費支出制度」を設けており、診断書料や診察料、人工妊娠中絶費用、カウンセリング費用などの全額もしくは一部を公費でまかなってもらうことができます(※)。もし被害にあった場合は、早期に警察まで相談しましょう。
中絶手術後に生命保険に加入することはできるのか?
過去に中絶手術をしていた場合、生命保険には問題なく加入できるのでしょうか。一般的には、手術後完治していれば、問題なく加入できると言われています。
●加入することは可能! ただし告知が必要な場合も
生命保険には、現在や過去の健康状態を申告する「告知」が必要なものが多いです。加入したい生命保険の告知欄をチェックしてみてください。もし告知内容に中絶手術が該当する場合は、告知が必要です。告知欄には、以下の内容が含まれています。
・過去の傷病歴(傷病名・治療期間等)
・現在の健康状態
・身体の障がい状態
・職業等
例えば、4年前に中絶手術を行ない、その後問題なく完治したとします。もし告知欄に、「過去5年以内に、病気やケガで手術を受けたことがありますか」という項目があった場合は、中絶手術したことを告知しないといけません。しかし、「過去2年以内に病気やケガで手術を受けたこと、または7日以上の入院をしたことがありますか?」という項目であれば、告知する必要はなくなります。
●なぜ告知する必要があるの?
生命保険は、加入者同士がお互いを助け合う「相互扶助」の精神で成り立っています。そしてこのしくみを支える重要な条件は、「公平性があること」です。
例えば、健康な人と、重度の病気を抱える人が同時にまったく同じ条件で生命保険に加入したとします。おそらく、早期に保険金を受け取る可能性が高いのは、後者の方でしょう。この場合、この生命保険は公平とは言いがたいです。
告知とは、この公平性の原則を保つために非常に重要なことです。告知したからと言って、告知した全員が保険に入れないわけではありません。特に中絶手術の場合は、比較的問題なく生命保険に加入できる確率が高いので、しっかりと正しく告知しましょう。
女性におすすめの生命保険を選ぶ3つのポイント
中絶手術を受けていてもその後生命保険に入れる可能性は高いことがわかりました。最後に、女性にとっておすすめの保険を選ぶポイントが3つありますので、ご紹介していきます。
①女性がかかりやすい疾病に対して手厚い保障がある保険
女性が当たり前にバリバリと働くようになった現代、その心身へのストレスが増加しているため、乳がんや卵巣がん、子宮筋腫や卵巣嚢腫など、女性特有のがんや疾病にかかる確率が増加しています。
また、国立がんセンターの調査によると、40代〜60代の女性がかかったがんは、乳がんが一番多いという結果も出ています(※)。
女性と男性では、かかりやすい病気が違います。そのため、女性特有のがんや疾病に対しての保障が手厚い生命保険を選ぶことをおすすめします。
②定期的に給付金が受け取れる保険
女性向けの生命保険や医療保険の中には、掛け捨てではなく、定期的に10〜15万円程度の生存給付金が下りる保険があります。
女性の生計は男性に比べて、結婚や出産・親の介護などのライフイベントに左右されがちです。その影響で収入が激減してしまったり、無収入になってしまうこともあります。そのため、定期的に給付金が下りる保険に加入していると、家計が苦しい場合に強力な助けとなります。もし家計が順調であれば、給付金を自分へのごほうびにすることもできますね。
自分の家計を安定させるためのしくみをいくつか用意しておくと、万が一のときに役立つのでおすすめです。
③健康診断結果の提出が必要な生命保険への加入
手厚い保障を受けられる保険ほど、本人による告知だけでなく、健康診断結果の添付や医師の診断書が必要になります。実は、過去に手術をしたり病気にかかった方ほど、こういった審査資料の多い保険に申し込むのがおすすめです。
意外にも、告知が簡単な保険ほど、手術や病気をした経歴があるだけで、加入できなかったり、加入条件を悪くされるケースが多いです。
健康診断の受診や医師の診断書をもらうことは少し手間ではありますが、現在健康であることをきちんと証明して、手厚い保障のある保険に入るのが良いでしょう。
中絶経験があっても大丈夫! 生命保険を味方につけよう
医師の判断による中絶手術が生命保険の対象になること、中絶経験があっても正しい告知をすれば生命保険への加入が可能であることをお伝えしました。生命保険は万が一のときの頼もしい味方になりますので、心強いパートナーを今のうちに見つけておくといいかもしれませんね。
プロフィール
金指 歩
法学部政治学科出身・元信託銀行勤務のフリーライター。神奈川県出身。FP3級を大学在学時に取得。金融系全般、女性のライフスタイルをテーマとした記事を中心に執筆している。
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