生命保険は不妊治療をしても加入できる?不妊治療と保険のしくみを解説
治療費が高額な上、精神的負担も大きい不妊治療。受ける人は年々増えていますが、何度も病院に通わなければいけないため仕事との両立が難しく、不妊治療のために仕事をやめる人や雇用形態を変える人も少なくありません。
不妊治療は、平均で1回につき約30万円の費用がかかるそうです。病院によっては約80万円かかるところもあり、治療が長引くと100万円を超えることもあります。この負担の大きさは家計にとってかなりの打撃といえるでしょう。
しかし、そんな高額な不妊治療も保障する生命保険が発売されました。まだまだ認知されていない不妊治療の生命保険についてご紹介していきます。
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生命保険の加入時に不妊治療の報告は必要?
保険に加入するには、現在はもちろんのこと、過去の病気についても告知をしなければいけません。しかし不妊治療は医療保険の対象にならないことが多く、病気とは異なるため告知しなくてもいいだろうと自分で判断しがちです。
ところがこれは大きな間違いです。不妊治療であっても告知義務があります。加入する保険が不妊治療を対象としていなくても、保険会社に正確に申告しましょう。
●もし申告しなかった場合はどうなるの?
告知義務があるのにも関わらず申告しなかった場合、告知義務違反になる恐れがあります。告知義務違反と判断されると、契約した生命保険を解除されてしまったり、保険金や給付金が受け取れなくなってしまう可能性があります。
なかには、告知義務が必要な場合とそうでないものがあるので難しいところですが、自分自身で判断せず「風邪をひいた」など、どんなに些細なことでもすべて細かく申告するようにしましょう。「知らなかった」では通用しませんので、注意が必要です。もし知らずに申告漏れをしてしまったことに気付いたら、すぐに保険会社に連絡を入れましょう。
不妊治療で保険金をもらうのに条件はあるの?
不妊治療となると、入院や手術が必要になることもあります。高額な不妊治療ですから、少しでも保険金などで負担を減らしたいですよね。医療保険で手術費や入院費をまかないたいと考えているときは、もし加入していなければ必ず治療前に加入することをオススメします。
保険加入前に不妊治療をしてしまうと、入れる保険がほとんどなくなってしまいます。これは、不妊治療していることで病気にかかっていると見なされてしまうためです。保険の加入を断られてしまったり、一部保障されないケースもあるそうです。もし不妊治療をする予定がある方は、先に医療保険に加入しておきましょう。
既に不妊治療をしているという方も、あきらめることはありません。不妊治療中に加入できる保険もありますので、そちらもご紹介していきます。
不妊治療中だと生命保険に加入できなくなってしまうの?
生命保険に入りたいとき、不妊治療にも告知義務があるとなると「加入を拒否されるかも? 審査に不利になるかも?」と不安になりますよね。確かに一般の保険会社には、不妊治療中だと保険に加入できないケースもあります。
しかし現在、わずかではありますが不妊治療中でも加入できる保険が出てきました。不妊治療中でも利用できる保険は、〔アイアル〕の《子宝エール》と〔エイ・ワン〕の《エブリワン》。これらは、不妊治療中の女性が手術や入院したときに保険金を受け取ることができます。
ただし、不妊治療以外は健康であることなどの加入条件があったり、保険会社によって保証内容が異なりますので、確認することが必要です。
不妊治療の保障が充実している保険は?
不妊治療の医療費は、最初に述べた通りかなり高額です。その中でも、特に費用の負担が大きい治療が「特定不妊治療」とよばれる体外授精と「顕微授精」です。
これらの高額な費用の負担を支援するために、日本生命保険相互株式会社が不妊治療でも給付金がでる保険を発売しました。
その保険商品は《ニッセイ 出産サポート給付金付3大疾病保障保険 ChouChou!(シュシュ)》。この保険は、がん・脳卒中・急性心筋梗塞の3大疾病の保険ですが、それに加えて特定不妊治療・出産給付金・死亡の保障がついてきます。またこれは不妊治療中でも加入できる保険です。
《ChouChou!》にはどのような保険内容があるのか、見ていきましょう。
【加入条件】
・加入対象者:16歳〜40歳の女性
・保険期間:10年・15年・20年
・契約年齢範囲:
保険期間10年…16歳〜40歳
保険期間15年…16歳〜35歳
保険期間20年…16歳〜30歳
保険期間があるので、一生涯の保険ではありません。年齢によって契約期間の長さも決められています。
【給付金を受け取れるケース】
・死亡保険金、3大疾病保険金…300万(どちらか一方の支払い)
・出産給付金:
1人目…10万
2人目…30万
3人目…50万
4人目…70万
5人目以降…1回につき100万
・特定不妊治療給付金:
1〜6回…1回につき5万円
7〜12回…1回につき10万円
・満期一時金:最大200万(期間によって異なります)
保険期間10年…100万円+(給付支払金)ー給付金合計額
保険期間15年…150万円+(給付支払金)ー給付金合計額
保険期間20年…200万円+(給付支払金)ー給付金合計額
【月々の保険料】
1万円前後
死亡時やがんになったときに給付されて、さらに特定不妊治療時や出産時にも給付金がもらえる魅力的な保険です。
一方で、注意しておくべきこともあります。確認してみましょう。
・不妊治療保険のみの加入はできない。
・保険の加入から2年間の待機期間がある。つまりその間は不妊治療費の保障を受け取ることができない。
・加入して1年以内の出産には、出産給付金を受け取ることができない。
・特定不妊治療給付金の給付は12回までと回数制限がある。
・加入できる年齢が40歳までと制限されている。さらに年齢によって、加入できる保険期間が異なる。
不妊治療中でも生命保険を検討しよう
たとえ不妊治療中のために保険会社に加入を拒否されてしまっても、諦める必要はありません。ご紹介したように、保障内容の充実している保険もでてきています。現在不妊治療中だったり、これから不妊治療をこれから検討している方は、一度検討してみてはいかがでしょうか。
プロフィール
川添典子
元ハウスメーカーの営業職として、5年間勤務。前職の経験を活かして、暮らしやお金、不動産に関するライターとして役立つ知識をお届けしています。得意分野は、不動産・住宅ローン・税金・住宅に関することです。ファイナンシャルプランナー2級と住宅ローンアドバイザーの資格を保有。
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