インスタ映え間違いなし!プロカメラマンに聞く、スマホで本格的な写真を撮影するコツとは?

レストランに行ったときや、旅行に出かけたとき、イベントに出かけたときや、何気なく歩いているときなど、サッとスマホを構えて撮影することも多くなりましたよね。スマホのカメラはここ数年でグンと進化を遂げて素人でもすてきな写真が撮れるようになりました。誰でも“それなり”な写真を撮れるスマホカメラですが、プロならきっと私たちが知らない撮影方法を知っているはず!? そこで今回は、プロのカメラマンにスマホ撮影のポイントを聞いてきました。スマホの撮影が上手くなりたい方、要チェックです!

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撮影の前に、スマホ撮影の基本的な心得を知ろう

今回ご指南をいただいたのはハリウッドスターや数々のタレントの撮影をこなすプロカメラマン・YOU ISHIIさんです。使用するスマホはこちら、筆者が愛用する〔SONY〕の《Xperia XZ1》になります。

――ISHIIさん、よろしくお願いします。さっそくですが、まず撮影の基本を教えていただいてよろしいですか?

ISHIIさん:はい、よろしくお願いします。撮影をする前に、ポイントがいくつかあります。

●スマホ撮影の心得①:撮影前にレンズを拭く
スマホをカバンやポケットに入れている方が多いので、レンズが汚れています。撮影前はレンズクロスやメガネ拭きで汚れをとりましょう。これだけで写真の撮れ方が変わります。

●スマホ撮影の心得②:デジタルズームはなるべく使わない
デジタルズームは大抵のスマホに搭載していますが、ズームをすると、光学ズームではないので、画像が荒くなってしましまうのでおすすめはしません。ただ、最近のスマホは光学ズームを搭載している場合もあります。

●スマホ撮影の心得③:両手でしっかり持つ
雰囲気でブレるのはいいけれど、基本的に撮影するときはブレを抑えるために両手でしっかりと固定しましょう。

●スマホ撮影の心得④:スマホには限界がある
スマホのカメラの技術は年々向上していますが、まだまだ一眼には及びません。その点を意識して一眼カメラに負けない撮影を目指すのではなく、スマホというカメラで撮影する、ということを覚えておきましょう。

――なるほど。勉強になります……!

インスタ映えの必須科目「食べ物」を撮影するポイント

まずはスマホ撮影の定番、料理や飲み物の撮影です。これは一番気になるところです。レストランで撮影をご指南いただくことになりました。

ISHIIさん:では記者さん、まずはサラダプレートをいつも通り撮影してみてください。

撮影:筆者

――いかがでしょうか。

ISHIIさん:悪くないとは思います。オーソドックスに真正面から撮影するのもいいと思います。僕なら、まず周りのいらないものをどかします。コップの水、食器入れ、気になるようなら、盛り付けも少しアレンジしてみましょう。撮影しますね。

ISHIIさん:こんな感じですかね~。

撮影:YOU ISHII

――おおお~!かっこいい!

ISHIIさん:被写体全てを入れなくてもいいんです。ちょっと切るだけで写真に作家性が生まれて、他と違う雰囲気が演出できます。撮影するときはその場所の光の当たり具合によって変わってくるので、「ここかなここかな」と何枚も撮影してみましょう。縦でも横でも、いろいろと試してみましょう。

――撮影するときは被写体からどれくらいの距離をとればよいのでしょうか?

撮影:YOU ISHII

ISHIIさん:距離は近ければシズル感、モノの質感がでてきます。離れれば雰囲気が伝えられます、自分がどうしたいか考えてから撮影してみるといいですよ。こちらのサラダプレートも近づけば豪華に見えて、引けば全体を演出できます。

――なるほど。ではこちらのカフェラテはいかがでしょうか。

撮影:YOU ISHII

ISHIIさん:写真にニュアンスを加えたいなら、カメラを片手で持って手を添えてみてもいいと思います。こういった被写体には、何かモノを添えてみる映えます。ただ、片手で撮影するとその分、ブレるので注意が必要です。被写体には正面というものがあるから、それを意識しましょう。全体を撮影しても納得できない場合は、寄って撮影してみたり、被写体以外のモノが前後にあると迫力というか、雰囲気が撮れやすいのでおすすめです。

――たしかに指を添えるだけでグッと雰囲気がでますよね。

ISHIIさん:次は風景を撮影してみましょう。

一目置かれる!「風景」を撮影するポイント

ISHIIさん:ではあのクレーンを撮影してもらってもいいですか?

――わかりました。

撮影:筆者

――いかがですか?

ISHIIさん:ちょっと建物が切れてますね……。

――しまった……! 先生、お願いします。

撮影:YOU ISHII

――空とクレーンだけなんですね!

ISHIIさん:はい、天にのびるクレーンにドラマ性が出て雰囲気がでますね。写真の作家性を出したいなら、例えば白黒にするとさらに雰囲気を演出できます。

撮影:YOU ISHII

――おお! かっこいい!

ISHIIさん:モノクロにしてみました。作家性がグンとアップしますね。モノクロの場合はコントラストをあげると濃淡がはっきりと出ますのでおすすめです。あ、あそこも撮影してみましょうか。

撮影:YOU ISHII

ISHIIさん:こちらは白い壁なので、引いて撮影することで空間を見せると「寂しさ」が生まれます。光が当たらないところに生えている植物、白い壁、情報がなにもないので、逆に見る人が考えるようなドラマ性を演出できるんです。

――なるほど。本当に勉強になります。

家族の写真もセンスよく♪「人物」を撮影するポイント

上から4段目、グリッド線をONにしましょう。ほぼどのスマホにも搭載している機能です。

ISHIIさん:人物の撮影は、顔のアップを撮る際もデジタルズームは使わずに自分で寄りましょう。撮影のときはグリッド線をうまく使うとバランスがとりやすくなります。人物を端に置きすぎるのも要注意です。ただ、真ん中で撮影するのもありですけど、やや右、やや左、など空間をみせて人物をみると背景も活かすことができます。

逆光はふわっとさせることもできますが、被写体の正面に光源があるのが基本です。横からの光だと、顔の半分を明るく、もう半分を暗めにできるので雰囲気がでます。あとは、話しかけて自然な笑顔を引き出して、ありきたりなピースサインの写真から一歩踏み出してみましょう。

こんな方法で!?とびきりの表情を引き出す「ペット」の撮影のポイント

ISHIIさん:ペットは、もともとかわいいので、寄っても引いてもかわいく撮影できます。表情を出したいならペットの鼻の上に水を垂らすと拭おうとするので、その瞬間に連続で撮影したり、おやつをあげてみたりしてみてもよいかもしれません。飼い主との信頼関係があればそんなに難しいものではないのですが、いいショットが撮れるまでは待つことも必要ですね。

ここまでくれば上級者!?暗い場所、夜景の撮影のポイント

ISHIIさん:暗い場所で撮影するときはシャッター速度が遅くなり、ブレることが多くなるので何枚も撮りましょう。また、夜は照明が上から当たっていることが多いので、自分の影が入らないように注意が必要です。また、どうしても影が入りそうなときはデジタルズームを使いましょう。ただ、デジタルズームはブレに注意です。1枚1枚チェックしながら何枚も撮影しましょう。

筆者撮影

ISHIIさん:スマホで夜景を撮るには限界があるので、本気で撮りたい場合はスマホ用のスタンドを使いましょう。それでも、暗い場所はシャッター速度が遅くなるので、いくら肘で固定してもブレるときはブレます。

これであなたもスマホカメラマン!

いかがでしたでしょうか。プロのカメラマンならではの視点で、目からウロコなスマホの撮影ポイントがたくさんでしたね! ISHIIさんは、どんなものを撮影するときも「トライ&エラー」で失敗を恐れず、型にとらわれず、自分の方法をみつけてみることをすすめられていました。また、好きな写真家さんの写真をマネをしても、同じのものはできないので逆にオリジナリティがでるのでおすすめ、とのことでした。私はこの取材でスマホ撮影がまた一つ楽しくなった気がします。ぜひみなさんも実践してみてくださいね♪

●取材協力:プロカメラマン・YOU ISHII

プロカメラマン・YOU ISHIIさん

【撮影実績一例】
夏木マリ/深津絵里/菅田将暉/神木隆之介/斎藤工/吉沢亮/浜辺美波/二階堂ふみ/桐谷美玲/堺雅人/北村匠海

ウィル・スミス/マッツ・ミケルセン/アダム・ドライバー/ノオミ・ラパス/トム・ホランド/クリス・プラット/ゾーイ・サルダナ他多数

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