
【LIMIA歳時記】2月は「如月」。春の訪れを喜びましょう
俳句の歳時記や季語なんて私には関係ない、と思う方もいらっしゃるかもしれません。でも、歳時記には、日本人が長い時間をかけて季節をあらわすために紡いできた素敵な言葉がたくさん。「LIMIA歳時記」では季語とそれにまつわるストーリーを月に1回ご紹介しています。2月の季語はこちら。
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「立春」は、暦の上での新しい季節の始まり
2月4日は立春でしたね。実は、暦の上ではこの日からが新年なのです。こんなに寒いのに春なんて! と、実感しにくいと思いますが、寒さの中の「光の変化」が春の訪れを告げているといえばなんとなく感じていただけるでしょうか。1987年に発表された歌人の天野花江の歌集に「北風の中に光の粒子舞ひ立春近きことを知らさる」とあります。詩人は昔から、光の変化に春を感じてきたのですね。
また、アメリカには、バレンタインデーの2月14日に小鳥がつがいとなる相手を探す、ということわざもあります。春は動物たちにとって恋の季節の始まり、というわけです。
この日以降もまだまだしばらくは寒い日が続きますが、春になってから寒さがぶり返すことを「冴返(さえかえ)る」「寒(の)戻り」、その寒さを「余寒(よかん)」「春寒(はるさむ)」などといって、冬の寒さとは区別しています。1日の平均気温と前日の平均気温が4度以上違うと、一か月の差があることになるといいますが、その頻度が一番高いのが春なのだそうです。
寒暖の差が大きい季節。まだまだ寒さは続いていきますが、少しずつ毎日の光を感じながら過ごしていくと、春が来ているのだなあ、と実感できるかもしれませんね。でも、くれぐれも体調管理には気をつけて。
【今月の一句】
立春の米砥ぎ青きもの茹でて 鈴木真砂女
●如月サラ
エディター、俳人。(株)マガジンハウスで『anan』『Hanako』などの編集者を経て独立。現在、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科修士課程にて女性のエンパワーメントについて研究中。
●イラスト アネタイヨシコ
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