新規事業の創出を体現したオフィスレイアウト。
TBWA HAKUHODOでオープンイノベーションを手掛ける部門、TBWA HAKUHODO QUANTUM。こちらのオフィスは、「大企業とスタートアップ、異業種同士の組織を“重ね合わせる”ことにより、創造的破壊を生み出す」という部署の目的を体現したデザインとなっている。
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インスタレーションの様な入口
エレベーターを9階で降りると、目の前に広がるのは、多くのペンダントライト(エジソンランプ)。左手の壁にはクモの巣状にワイヤーが張り巡らされた丸窓があり、ペンダントライトとのコンビネーションにより、あたかもインスタレーションの様なデザインになっている。
丸窓に施されたワイヤーのデザインとペンダントライトの配置は、「TBWA HAKUHODOのカルチャー、DISRUPTION(R) ※を象徴する」 というバックスラッシュを表した意匠。
※創造的破壊の意。
TBWA HAKUHODOにおいては、「既成概念に縛られず、常識を壊し、新しいヴィジョンを見いだすこと。新しい視点を武器にブランドを進化させるアイデアを生み出すこと。」とされている。
まったく新しいビジネスを生み出すためのデザイン
QUANTUMのオフィススペース全室に共通するのはコンクリート剥き出しの壁と、元の内装を剥がした天井。
これらは、「Appleなど有名な企業も最初はガレージのようなところからスタートしたということから、そのハングリー精神や自由な発想に倣い、世界を変えていきたいという思いを込めた」デザインとのこと。
ちなみに天井の梁の一部が欠けているのは、意図したデザインではなく、元の内装を取り除いた姿そのものだそう。
検討ステップを表したレイアウト
他社にない最大の特徴は、各部屋のレイアウト。新規事業の創出のプロセスに則り、アイデアの発想からプランの検討、プロトタイプの作成、最終的なプレゼンまで、各ステップごとに、その用途に応じた部屋が用意されている。
また柱や壁などには、各部屋の機能をイメージしたマークが記されている。
アイデアをカタチに落とし込むための「工房」
QUANTUMには広告会社としては珍しく、3Dプリンターや大型レーザーカッター、3Dモデリングツールなどが設置された、「工房」と呼ばれるプロトタイプ作成用の部屋が設けられている。
この部屋の特徴は、同フロアで唯一壁の一部が黒板と有孔ボードにされている点。黒板は業者の手を借りず、社員の方が手塗して作られたそう。また有孔ボードはプロトタイプの作成に必要な機材を掛けておけるという実用面だけでなく、工房らしいインテリアとしてポイントとなっている。
部署ごとの機能を考慮したオフィスデザインは目にしますが、検討ステップに合せた設計は珍しいのではないでしょうか。ジョイントベンチャーなど、外部企業とプロジェクト形式でビジネスを行う企業には、適したレイアウトとなっていました。
●物件概要
所在地 :東京都港区芝浦1-13-10 第3東運ビル
築年数 :1974年
形態 :リノベーション
施工時期 :2014年
Photo :株式会社TBWA HAKUHODO 提供、及び小久保直宣(LIMIA編集部)
Text :小川大智(LIMIA編集部)
●取材協力
株式会社TBWA HAKUHODO
http://www.tbwahakuhodo.co.jp/
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