陸屋根(屋上)から雨漏りする原因は?防水工事の種類やメリット・デメリットを紹介
陸屋根(屋上)から雨漏りしたらどうすればいい?今回は、陸屋根(屋上)の雨漏りの原因や修理に関して紹介します。修理方法や費用相場、陸屋根のメリット・デメリットなどを解説していくので、陸屋根の家を検討している方もぜひ参考にしてみてください!
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陸屋根は雨漏りしやすい?メリット・デメリット
陸屋根とは「陸」のような平らな屋根のことを言います。屋根というと三角だったり傾斜のある屋根のことを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
三角屋根や傾斜のある屋根は雨などが降っても流れていくため雨水は溜まりにくいのですが、平らな陸屋根は雨水にさらされている時間が長いため、雨漏りがしやすいと言われています。
これから陸屋根を検討している方も後悔がないようにするために、陸屋根のメリットやデメリットを把握し、雨漏りが起こらないように定期的なメンテナンスを心がけましょう。
陸屋根のメリット
- 太陽光発電や庭などとしてスペースを活用できる
- 掃除、メンテナンスがしやすい
- 天井が平面になり空間を広く使える
●太陽光発電や庭などとしてスペースを活用できる
平らな陸屋根(屋上)は、太陽光発電システムを置いたり、洗濯ものを干したり、家庭菜園を楽しんだりとさまざまな用途に活用できるスペースになります。
●掃除やメンテナンスがしやすい
平らな陸屋根(屋上)は歩行可能なため、足場をかけなくても自身で掃除や定期的なメンテナンスがしやすい構造です。綺麗な状態を保つことは建物の劣化を遅らせることに繋がります。
●天井が平面になり空間を広く使える
勾配がない陸屋根は屋根裏がないため天井高を上げることができます。天井高が低いと圧迫感を感じやすいため、天井高を上げることで居住空間が広くなり開放感を得ることができます。
陸屋根のデメリット
- 水はけが良くない
- 定期的なメンテナンスが必要
- 日射熱の影響が出やすく、最上階の温度管理が難しい
●水はけが良くない
傾斜のある屋根に比べて陸屋根は水はけが悪く、長時間雨水に触れています。そのため防水処理をしっかりと行わなければなりません。
●防水加工の耐用年数が短い
陸屋根の防水加工は他の屋根よりも耐用年数が短いため、メンテナンスの頻度が多くなります。
●日射熱の影響が出やすく、最上階の温度管理が難しい
断熱層の役割をする屋根裏が陸屋根にはありません。そのため、屋上に照りつける日射熱や外気の影響が伝わりやすく、最上階の部屋の温度管理が難しくなります。
陸屋根が雨漏りしやすい理由
三角屋根など屋根には通常、瓦やスレートなどの屋根材で覆われており、その屋根材が防水の役割をします。
しかし、陸屋根表面は屋根材では覆われておらず、防水加工をして防水層をつくり雨水などから建物を守ります。
また、平らな陸屋根は緩やかな勾配があることで排水をおこなっていますが、傾斜のある屋根に比べて水はけが悪く雨水に触れている時間が長くなります。
そのため劣化しやすく、雨水の影響により雨漏りしやすいと言われています。
陸屋根の雨漏りの原因3つ
陸屋根(屋上)はシートや塗装で防水処理を行い、防水層をつくります。その防水層に何らかの問題が起こると雨漏りします。
次に、雨漏りの原因について説明していきます。
【1】防水層の異常や不具合
雨水や紫外線、飛来物による防水層の亀裂や膨らみ、シート剥がれなどがあると、そこから雨水が入り込みやすくなり雨漏りの原因となります。
【2】排水口のつまり
排水口にゴミや落ち葉、泥などが詰まってしまうと雨水などが排水されずに、外壁内部や室内に流れ込み雨漏りをおこす可能性があります。
また、水が常に溜まっている状態になり、屋上の防水層の劣化を早めてしまいます。
【3】防水層以外のパラペットや笠木などの劣化
陸屋根の周りを囲む立ち上がりの部分のことをパラペットと呼び、パラペットの上に蓋のように付ける部材を笠木と呼びます。
防水層とパラペットのつなぎ目には雨水が入らないようにシーリングや水切り金具で防水処理が施されています。また、パラペットと笠木は固定をするためにビスを打ち、穴の隙間をシーリング材で塞いでいます。
パラペットも笠木も経年劣化によりシーリングがひび割れや剥がれてしまったり、ビスが腐食したりするとそこから雨水が入り雨漏りの原因になります。
防水層には問題がない場合は、パラペットや笠木などに不具合がないか確認が必要です。
陸屋根の防水工事は4種類
陸屋根(屋上)の防水工事は主に4種類の防水工事があり、それぞれについてメリットやデメリット耐用年数を説明します。
ウレタン防水
- 耐用年数:10年~13年程度
- 費用相場:4,000円~12,000円/㎡
ウレタン防水は「塗装防水」であり、ウレタン樹脂の塗料を塗布して塗膜を作ることで防水します。費用は防水材のグレードにより大きく変動しますが、比較的安価で施工することができます。
また、ウレタン防水は段差がある複雑な陸屋根など屋根の形状に関係なく施工ができることがメリットです。伸縮性の高い塗料は広い面積の陸屋根に好適。
デメリットとしては工期が長いことです。ウレタン防水は3回以上塗布をくり返し、その都度乾燥をさせるために時間を要します。
メリット | デメリット |
比較的、安価で施工可能 | 乾燥のため工期が長い |
複雑な形状の屋根でも施工可能 | ムラがある塗り方では防水効果を得られず、施工者の技術や経験が必要 |
塗料の伸縮性が高く面積が広い屋根に適切 | 5年に1度トップコートの塗り替えが必要 |
FRP防水
- 耐用年数:10年~20年程度
- 費用相場:5,000円~10,000円/㎡
FRPは浴槽やプールなどで使われている素材で繊維強化プラスチックという強いプラスチックになります。
「塗装防水」のひとつで液体の防水材を塗布し防水層を作ります。衝撃に強く耐久性があり、耐熱性にも優れています。また、軽量で建物への負担が少ないこともメリットとしてあげられます。
デメリットは伸縮性がないことで、地震などの建物の揺れで塗装がひび割れしてしまう場合があります。
メリット | デメリット |
軽量で建物への負担が少ない | 施工価格が高価 |
耐久性や耐熱性に優れている | 衝撃によるひび割れを起こしやすい |
つなぎ目がなくシームレスな防水層が作れる | 5年に1度トップコートの塗り替えが必要 |
工期が短い | 伸縮性が低い |
耐用年数が長い | ー |
シート防水
- 耐用年数:10年~20年程度
- 費用相場:8,000円~15,000円/㎡
シート防水は、塩化ビニールやゴム製の防水シートを貼り付けて防水します。平らな陸屋根で多く採用されており、工期が短くある程度耐用年数があることで経済的に施工できるメリットがあります。
塩ビシートは紫外線や熱に高い耐久性がありますが、一方でゴムシートは熱や温度には強いが紫外線に弱いといった性質になります。
シートを重ねて施工するシート防水は、シートの重ね目や端の部分が弱点となります。寒暖で収縮したり、年数が経つにつれて接着力が弱まったりするために剥がれる場合があります。シート自体に防水力があっても、そういったところから漏水してしまうこともあります。
メリット | デメリット |
工期が短く、経済的 | 複雑な形状の屋根には不向き |
比較的耐用年数が長い | 施工に技術力が必要 |
アスファルト防水
- 耐用年数:15年~20年程度
- 費用相場:10,000円~20,000円/㎡
アスファルト防水は耐久性や防水性に優れています。シート状や液状のアスファルトの防水材で防水層をつくる工法で、長年日本で使われてきました。
アスファルト原料なため、腐食や飛来物などの衝撃にも強いのもメリットのひとつです。
デメリットとしては施工価格が高価になることと、屋根が重たくなることで建物への負担が大きくなることです。築年数が古い住宅へは不向きになります。
アスファルト防水の工法は「熱工法」「トーチ工法」「常温工法」の3つあります。
メリット | デメリット |
耐用年数が長い | 施工価格が高価 |
防水性、耐久性が高い | 防水材が重たく建物に負担がかかる |
陸屋根(屋上)の雨漏り修理方法
陸屋根の防水層に傷や劣化の症状が表れた際の修理方法を紹介します。
被害箇所が一か所だけならば部分修理を施し、耐用年数を経過している場合の症状であれば防水工事を新たに行うことを検討してみましょう。
塗装防水の場合
塗装防水のひとつであるFRP防水は、例として一か所だけ浮きや破れなどの症状が出た場合は、被害の周辺箇所まで防水層を切り、防水塗装を新たに塗布して補修を行います。
シート防水の場合
シート防水で一か所破れの症状が出た場合は、パッチ処理をして傷をカバーします。また、シートの結合部分の一部剥がれには熱溶着で再接着を行います。
陸屋根にこんな症状があったら補修のタイミング
陸屋根(屋上)の劣化症状やメンテナンスが必要な状態とはどのようなときでしょうか。陸屋根に次の症状が現れていたら、早急に対策をしましょう。
- 小さなキズや浮いたような状態
- 表面にザラつきや色褪せがある
飛来物で防水層がキズついたり、鳥がつついたりして浮きが出来てしまったりします。部分的なキズや浮きは一部の補修で済む場合があるため放置せず素早い対策が必要です。
また、防水層の表面がザラついたり色褪せている場合はトップコートの劣化が原因です。防水層には、トップコートが塗布されており紫外線や雨風から防水層を守る役割をします。
トップコート自体に防水効果はありませんが、トップコートに不具合があると防水層に直接紫外線などの影響が出てしまいます。そのため、陸屋根のメンテナンスは防水層とトップコート両方とも行う必要があります。
陸屋根(屋上)の雨漏り修理に保険はきく?
陸屋根の雨漏りは保険を使い修理をすることができれば費用を抑えることができます。保険を使うには条件があるため参考にしてみましょう。
- 台風や落雷など自然災害による被害
- 被害から3年以内
- 経年劣化による場合は保険対象外
まずは加入している火災保険の契約内容を確認しましょう。補償対象になっている場合には保険会社に相談してみます。
素人では保険の判断は難しいので、被害を受けた際は早めに保険会社へ連絡するようにしましょう。
陸屋根(屋上)からの雨漏り、自分でできる応急処置
陸屋根(屋上)から雨漏りした場合の応急処置方法を紹介します。あくまでも応急処置となるので、DIYでは根本的な修理は難しいと考えておきましょう。
防水テープを貼る
雨漏りしている箇所がわかるようであれば、防水テープを貼ることで応急処置ができます。貼る箇所は汚れをしっかりと落として乾燥させ、密着性を高めるようにします。
防水テープは無暗に貼ることは避け、雨漏り箇所が特定されている場合のみ使用しましょう。
ビニールシートをかぶせる
雨漏りを起こしている箇所を覆うようにビニールシートをかぶせて留めます。雨漏り箇所が特定できない場合は、広めにビニールシートをかぶせておきます。
ビニールシートをかぶせっぱなしにすると湿気がこもりカビなどの原因になるため、晴れたら外すようにしましょう。
陸屋根の雨漏りの原因が構造にあったら
建物の構造自体に雨漏りの原因があった場合は、防水層やパラペットなどに不具合がなくても雨漏りを引き起こすリスクが高くなります。また、陸屋根は定期的を行わなければなりません。そういった手間を軽くする方法を紹介します。
陸屋根にゆるやかな勾配をつける
施工不良による勾配不足や陸屋根に設置した機械などの影響が勾配を邪魔する場合があります。
そうなると、防水層がいくら良くても水はけが悪く、長時間雨水にさらされることになり防水層の劣化を早めてしまいます。
こういった場合はモルタルなどを塗って勾配の調整を行います。そのあと防水処理を行います。
陸屋根に屋根を作る方法
トップコートの塗り替えなど定期的なメンテナンスの手間を楽にするために、陸屋根に屋根を作るリフォーム方法があります。
屋根をつくることで雨水や紫外線などから防水層を守ることができ、劣化を抑えることができます。そのため、数年に一度行うトップコートの塗り替えや防水工事の頻度を減らすことができます。
困ったら「雨漏り修理110番」に相談!
陸屋根(屋上)の雨漏りに困っているという人は、「雨漏り修理110番」の利用がおすすめです。
雨漏り修理費用は27,500円(税込)〜で、壊れた箇所だけ修理することができ、どんな屋根の種類でも対応可能です。屋根の修理から防水工事まで行っているので、屋根の不具合でお困りの人にはオススメです。
電話でのご相談は24時間365日受付中のため、まずは気軽に事前見積もりのご相談をしてみてはいかがでしょうか。
陸屋根の雨漏りに関するQ&A
Q1. 陸屋根の修理費用はどのくらい?
A. 陸屋根の修理費用の目安は20万~100万円程になります。
陸屋根の雨漏り修理の費用目安は、雨漏りの修理と防水工事の費用があり、2つ合せて大体20万~100万円程になります。防水工事の種類「FRP防水、ウレタン防水、シート防水」は6,000円~15,000円/㎡が相場で、「アスファルト防水」になると10,000円~20,000円/㎡ほどです。
Q2. 陸屋根の雨漏りは保険で修理できる?
A. 条件が合えば保険で修理可能な場合があります。
保険の条件は「被害が自然災害であること」「被害に合ってから3年以内であること」があげられます。ただし補償対象になるか、素人では判断が難しいため保険の契約内容を確認した後、補償対象ならば早めに相談をするようにしましょう。
Q3. 陸屋根、なぜ水たまりになる?
A. 陸屋根の勾配不足や防水シートの盛り上がりの可能性があります。
陸屋根に水たまりができるということは、雨水に長い間触れることになるため防水層の劣化を早める恐れがあります。水たまりができる原因としては勾配の調整不具合や、防水シートの重なり部分が微妙に盛り上がってしまうなどが考えられます。陸屋根に水たまりの症状がある場合は業者に相談することをおすすめします。
雨漏りに関するその他の記事もチェック
※記事内の情報は、LIMIA編集部の調査結果(2023年7月)に基づいたものです。
※画像の一部はイメージです。
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