雨漏りの原因は?雨漏り箇所の見つけ方や修理費用、予防策まで分かりやすく解説
雨漏りの原因が分からない……。雨漏りを放置していると状況はどんどん深刻化し、最悪の場合家全体に影響を与えてしまうことも。解消するためにはまず、どこから・なぜ雨漏りが発生しているのかを知ることが大切です。そこで今回は、雨漏りの原因の調べ方や必要となる修理費用、あらかじめできる予防策などについて解説。本記事を参考にして悩ましい雨漏りを撃退しましょう。
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雨漏りはなぜ発生する?
雨漏りは外で降った雨が建物内部に侵入することで発生します。
建物には本来、雨水が内部に侵入しない設計及び施工が施されていますが、経年劣化や衝撃による損傷、台風・地震などの自然災害によりヒビ割れや浮きなどの不具合を起こし、「隙間」が生まれることで雨漏りが生じます。
また、雨水の侵入場所と雨漏り箇所が必ずしも同じとは限らず、原因を特定するのが難しいのも事実です。
雨漏りの原因と修理費用
雨漏りの原因 | 修理費用(目安) |
屋根板金の破損 | 3~20万円(税込) |
屋根材の破損 | 1~200万円(税込) |
窓枠(サッシ)の劣化・ヒビ割れ | 3~50万円(税込) |
ベランダ床の防水層の不具合 | 10~20万円(税込) |
ベランダの排水口の詰まり | ー |
外壁材のヒビ割れ | 5~300万円(税込) |
天窓の劣化 | 5~90万円(税込) |
雨樋の詰まり・破損 | 1~10万円(税込) |
雨漏りの主な原因とそれぞれにかかる修理費用の目安は上記の通り。以降、発生箇所別の雨漏りを防ぐコツも交えて深掘りします。
『屋根板金の破損』が原因の雨漏り
屋根の頂上にある棟板金・棟瓦、谷板金・破風板などは経年劣化で浮きやビスのゆるみ、剥がれてしまうことがあり、雨水の侵入口となりやすいです。主に2階の天井の染み、天井クロスの浮き・剥がれなどはこれらに原因がある傾向にあります。
▼修理費用
屋根板金の交換にかかる費用は3~20万円(税込)程度が一般的。大掛かりな作業になれば倍以上かかることもありますが、自分で屋根に登って修理をするのは危険なため、専門業者に依頼するのが賢明です。
『屋根材の破損』が原因の雨漏り
屋根材が剥がれたり割れたりズレたりしても雨漏りの原因になり得ます。なお、屋根材が破損しても下に防水シートが設置されていますが、シートのつなぎ目などから雨水が侵入することもあります。
▼修理費用
破損した屋根材を交換するだけなど簡単な部分修理のみなら1~5万円(税込)程度と修理費用はそこまで高額になりません。ただし、状況が深刻化していると葺き替え作業が必要になることもあり、そうなれば最大200万円(税込)前後かかってしまうこともあります。
『窓枠(サッシ)の劣化・ヒビ割れ』が原因の雨漏り
窓枠(サッシ)と外壁の隙間を埋めるために用いられるコーキング材。経年劣化などでこのコーキング材にヒビ割れなどが生じると雨水が侵入しやすくなります。また、窓の開け閉めによる衝撃が重なることもヒビ割れの原因に。窓枠から水が落ちてくる、窓下の壁紙が剥がれるなどの症状が見られたら、直ちに調査して適切な補修をする必要があります。
▼修理費用
コーキング材の打ち替えのみで済めば3~25万円(税込)程度が一般的ですが、場合によっては壁紙の張り替えや窓枠(サッシ)自体の交換も必要となり、そうなると修理費用も50万円(税込)近くと高額になります。
『ベランダ床の防水層の不具合』が原因の雨漏り
ベランダの床に施工されている防水層も紫外線や人が歩くことによる経年劣化で不具合が生じ、雨漏りを起こしやすいです。また、外壁と笠木や窓枠(サッシ)と防水層の立ち上がり、手すり部分も雨水の侵入口になりやすく、複数箇所の補修が必要になることも多いのがベランダの雨漏りの特徴です。
▼修理費用
防水層を新しくする際の修理費用はおおよそ10~20万円(税込)程度。ただし、+aの補修・交換作業などが必要になればより出費はかさみます。
『ベランダの排水口の詰まり』が原因の雨漏り
ベランダの排水口は雨水が集中的に流れ込む場所。落ち葉やゴミなどで排水口が詰まっていると雨水がどんどんベランダに溜まり、雨漏りを起こしやすくなります。
▼修理費用
ベランダの排水口の詰まりは自分で直せることが多いです。業者に依頼することもできますが、まずはこまめに掃除するなどして様子を見てみてもよいでしょう。
『外壁のヒビ割れ・コーキングの劣化』が原因の雨漏り
外壁のヒビ割れや欠け、外壁目地のコーキングの劣化なども雨漏りの原因として多いです。懸念点として、外壁からの雨漏りは断熱材や防水シートなどに雨水が染み込んで症状を確認しにくいこと。雨染みができるころには被害が大きくなっていることもあるため早めの対策が賢明です。
▼修理費用
ヒビ割れやコーキングの部分補修なら修理費用は5~10万円(税込)程度、さらに壁の張り替えや重ね張りが必要になれば300万円(税込)近くかかってしまう可能性もあります。
『天窓の劣化』が原因の雨漏り
天窓も雨漏りの原因になりやすい箇所。天窓のガラスと窓枠(サッシ)の継ぎ目や充填されたコーキングの劣化、ビスが浮いてくることなどにより雨水が侵入しやすくなります。
▼修理費用
軽度であれば修理費用の目安は5万円(税込)~、ただし、天窓を交換・撤去することになれば20~90万円(税込)程度は見ておく必要がありそうです。
『雨樋の詰まり・破損』が原因の雨漏り
雨漏りの原因として、雨樋になんらかの異常があることも考えられます。雨樋から雨水が溢れているなど本来の役割を果たしていない状況であれば、直ちに点検してもらいましょう。
▼修理費用
雨樋の詰まりが原因であれば、修理費用は1万円(税込)~とそこまで高額にはなりません。ただし、雨樋が物理的に破損していれば交換作業が必要となり、全交換で10万円(税込)前後かかることもあります。
一戸建てで雨漏りする主な原因は<屋根>
一戸建てで起こる雨漏りの原因として多いのが屋根の不具合。屋根は屋根材の下にルーフィングシート(防水シート)、その下に野地板という下地を敷いています。経年劣化や自然災害により露出している屋根材が割れたりズレたりするとそこに隙間が生まれ、雨漏りの原因になります。
また、屋根の頂上に取り付けられている棟板金・棟瓦の破損やこれらを固定しているビスの緩みで隙間が生まれ、雨水の侵入を許してしまうことや、瓦屋根の場合、施工されている漆喰の劣化より雨漏りが起こるケースも少なくありません。雨水が野地板まで染み込んでしまうと腐食やカビの原因にもなるため、定期的なメンテナンスが必須になります。
雨漏りしやすい屋根の形状
複雑な形をした屋根は接合部分が多く、雨水の侵入口となる隙間を生じるリスクが高いです。また、屋根の勾配が穏やかなほど水はけが悪く、とくに陸屋根は雨水が屋根と接する時間が長いことなどから劣化による雨漏りが発生しやすい傾向に。加えて、軒がない屋根も雨水がダイレクトに外壁に当たり、雨漏りしやすくなります。
瓦屋根は雨漏りしにくい?
瓦屋根は耐水性・耐久性に長けていることから雨漏りに強い傾向にありますが、瓦のズレ・ヒビ割れ・歪み、漆喰の劣化、屋根材の破損や下地に発生する不良、施工不良などによって雨漏りする可能性はあります。瓦屋根だから安心! ということはないため、きちんとメンテナンスをしておく必要があります。
雨漏りが原因でない可能性もある
雨漏りと間違えやすい現象で「漏水」や「結露」による内装への染みの発生があります。雨漏りとは対処法も異なるので、ここでチェックしておきましょう。
漏水
漏水とは、水道管や排水管の劣化により水が漏れてしまうこと。水を使用していないのに水道メーターが回っていたら漏水している可能性大! この場合は、水道業者に点検・修理を依頼しましょう。
結露
結露とは、外気と室内の温度差で空気中の水分が水滴になる現象。とくに冬場など気密性の高い住宅などでは、雨漏りではなく結露によって水が溜まっている可能性があります。まずはこまめに換気して湿気が溜まらないようにし、それでも解消しないようなら修理業者に依頼しましょう。
修理業者が行う雨漏りの調べ方
雨漏りは原因の特定が第一。発生箇所が分からない場合は修理業者に現地調査を依頼しましょう。主に以下4つの手法を使うケースが多いです。
目視調査
目視調査は目で見て状況を確認する方法。屋根のズレや外壁のヒビ割れなど目視できる範囲で雨水の侵入口を探します。なお、基本的に調査費用は無料、かかっても3万円(税込)程度と比較的安価ですが、目視調査だけで原因箇所を完全に特定するのは難しいことが多いです。
散水調査
雨水の侵入口と推察される箇所にホースで散水し、実際に雨漏りが発生するかを再現する調査。主に雨漏りの原因と雨漏り箇所が近いと想定できる場合に行われ、調査費用はおおよそ3~20万円(税込)程度になります。
発光液調査
紫外線を当てると光る専用の発光液を雨水の侵入口と考えられる箇所に流し込み、屋根裏などから紫外線を当てて光を見つけ、原因究明する調査。複数箇所で同時に雨漏りしているときなどに向いており、調査費用は5~25万円(税込)程度必要になる傾向にあります。
赤外線サーモグラフィー調査
温度差を確認できるサーモグラフィーを使った調査。建物への負担がかかりにくいほか、雨漏りの原因を高確率で特定できるのがメリットですが、調査費用は5~30万円(税込)程度と高額になる懸念点もあります。
《応急処置》雨漏りが発生したらやること
雨水で床や壁が濡れたままにしておくと腐食やカビの発生などにも繋がるため早めの対策が吉。以下の応急処置を施しましょう。
浸水を防止する
まずは漏れている雨水を受け止めておくことが先決。天井から雨漏りしているときは、雨漏り箇所の下にブルーシート・新聞紙・タオルなどを敷き、その上にバケツや桶をおいて水滴を受け止めます。また、窓枠(サッシ)に雨染みがある場合は、雑巾やタオルに雨水を含ませて対応しましょう。
畳・カーペット・家電・家具などを避難させる
雨漏りで濡れる可能性がある畳・カーペット・家電・家具などは故障や腐食を防ぐために別の場所に避難させましょう。なお、家電は感電や漏電の恐れもあるため念のためコンセントも抜いておくと安心です。
優良な修理業者を見極めるコツ2つ
雨漏りをなるべく早く確実に解消するためにも、悪徳業者に掴まって損害を被らないためにも、修理業者を選ぶ際は以下2つのポイントに注目しましょう。
【1】専門資格を取得している
修理業者を選ぶ際は「建築板金基幹技能者」や「雨漏り診断士」が在籍しているか否かで見極めるのもおすすめ。「建築板金基幹技能者」とは屋根や外装についてのスペシャリストを指し、「雨漏り診断士」は雨漏りに特化した資格で、雨仕舞い・防水・塗装などについての基礎知識をもっている証でもあります。
このように専門的な知識や経験が豊かな作業員さんにお任せすることで、雨漏りの適切な特定・修理をしてもらえる可能性が高まります。
【2】見積書が細かく記載されている
雨漏り修理はさまざまな作業を要するうえに、部分修理や全体修理など作業のスケールにも差があります。依頼したい内容や想定していた修理費用などにズレが生じないためにも、見積書はどのような作業をどの範囲やるのかなど項目別に詳しく記載してくれる修理業者にお願いしましょう。
雨漏りのことなら「雨漏り修理110番」にお任せ
雨漏り修理をご検討中の方には、「雨漏り修理110番」の利用がおすすめです。
雨漏り修理費用は27,500円(税込)〜で、壊れた箇所だけ修理することができ、どんな屋根の種類でも対応可能です。屋根の修理から防水工事まで行っているので、屋根の不具合でお困りの方にはオススメです。
電話でのご相談は24時間365日受付中のため、まずは気軽に事前見積もりのご相談をしてみてはいかがでしょうか。
雨漏りの原因に関するQ&A
Q1. 雨漏りがするときとしないときがある原因は?
A. 外壁にヒビ割れやズレなどなんらかの不具合がある可能性があります。
台風や強風を伴う大雨のときだけ雨漏りが発生する場合、外壁に原因がある可能性があります。これは、通常風を伴わない雨の場合、屋根で受けた雨は雨樋から地上に排出されるため外壁への影響はないものの、横殴りの雨になった途端外壁にも衝撃が加わります。このとき外壁に隙間が生じていると雨漏りが発生するのです。(天候に関係なく雨樋に不具合がある場合も漏れた雨水が外壁にかかることがあります)よって、同様の症状がみられる場合は一度外壁を調査してもらうとよいかもしれません。
Q2. 屋根はどこから雨漏りする?
A. 屋根材・棟板金・棟瓦・防水シートなどに原因があることが多いです。
経年劣化などにより、屋根材や棟板金・棟瓦、防水シートなどが不具合を起こすとその隙間から雨水が侵入し、雨漏りする場合があります。とくに屋根形状が複雑なほど雨漏りのリスクも高い傾向にあり、屋根本体より谷樋や軒先など雨水が集中的に流れる場所から発生することが多いようです。
Q3.1階の雨漏りの原因は?
A. 外壁・窓枠(サッシ)・ベランダなどに原因があるかもしれません。
外壁がヒビ割れしていたり外壁同士を継ぐコーキング材が劣化していると、その隙間から雨水が侵入して1階であっても雨漏りが起こります。また、窓枠(サッシ)やベランダの床部分に不具合がある、ベランダの排水口が詰まるなどして雨水が1階に漏れてくることもあります。
Q4. 雨漏りを放置するとどうなる?
A. 二次被害が発生して住まいの寿命を縮めてしまう恐れがあります。
雨漏りを放置していると家の中の湿度が高まり、カビ・シミ・シロアリの発生に繋がります。また、木材や金属部分が腐食して住まいの寿命を縮めるほか、雨水によって漏電が起こる危険性も。そのままにしていて自然によくなることはないので、雨漏りを発見したら早急に修繕することが大切です。
Q5. 雨漏りを防ぐコツは?
A. 定期的なメンテナンスを心掛けましょう。
屋根・外壁・窓枠(サッシ)などすべてのものに寿命があります。そのため、不具合が生じる前に定期的にメンテナンスしておくことが重要。本記事内で雨漏りが起こりやすい箇所ごとにやっておくといい対策を記載しているので、合わせて参考にしてみてください。
雨漏りの原因に関するその他の記事
※記事内の情報は、LIMIA編集部の調査結果(2023年6月)に基づいたものです。
※画像の一部はイメージです。
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