反射光がトラブルの原因に?ソーラーパネルを設置するときに注意したいこと

太陽光発電システムを導入する際に気を付けたいことはいくつかありますが、近隣とのトラブルになりやすいのがソーラーパネルによる反射光です。近所同士の話し合いでは解決できずに、裁判となったケースもあります。そこで今回の記事ではソーラーパネルの反射光と、反射光によるトラブルを防ぐための対策について紹介します。

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そもそもソーラーパネルの反射光ってなに?

反射光とは、一定の方向から鏡などに入射し、別の方向に向かう光のことです。入射角と同じ角度で反射することを「反射の法則」といい、太陽光発電の場合はソーラーパネルに太陽光が当たることで反射光が発生します。

この反射光により、近所トラブルに発展して撤去を余儀なくされた例もあります。反射光が窓から入ってしまったために、隣家の人が快適な生活を送れなくなってしまうのです。

通常、ソーラーパネルは反射防止コーティングや低反射ガラスなどを施して発電効率を上げていますが、それでも吸収されずに太陽光は反射してしまいます。
また隣家だけではなく、近くの道路を走る自動車の運転席に反射光が入り運転の妨害をしたり、歩いている人や自転車に乗っている人の目に反射光が当たったりすることもあります。これらも反射光害となるため、ソーラーパネルを設置する際には反射光によるトラブルをいかに防ぐかが重要です。

反射公害の発生はソーラーパネルをどこに設置するかで決まる

ソーラーパネルによる反射光害にはいくつかの発生条件がありますが、主にソーラーパネルの設置場所が原因です。具体的な例を見てみましょう。

【北側の屋根は設置NG】
代表的なのは、北側の屋根にソーラーパネルを設置しているケースです。これは太陽光がソーラーパネルに入射する角度が低いことが原因とされています。北側にソーラーパネルが設置されている場合は、太陽光がソーラーパネルに当たる角度が限られてしまうため、ソーラーパネルに当たる角度が低くなり、結果隣家に反射光が当たってしまうのです。

逆にソーラーパネルが南向きに設置してあれば、反射した太陽光は上空に向きます。そのためソーラーパネルは南側の屋根に設置するのが一般的です。

ただし影や日照量の影響などで北側に付けなければならない場合もあるでしょう。こうした場合には、隣家の窓に反射光が入らないかを十分に検討しながら設置しなければなりません。また北側だけではなく、北西側や北東側でも反射光害が発生しやすくなることも覚えておきましょう。

【隣家の窓が屋根より上にある場合】
ソーラーパネルを設置する屋根より隣家の窓が上にある場合も注意が必要です。太陽光は上から差し込むため、反射光を上方に反射させるのが通常です。しかし、隣家の窓がソーラーパネルより上にあると、通常なら上空に向かうはずの反射光が隣家に当たってしまうこともあります。これは住宅の屋根の他、カーポートの屋根にソーラーパネルを設置する場合も懸念されることのため注意しましょう。

【角度が急な屋根に設置する場合】
角度が急な屋根にソーラーパネルを設置するケースでも、反射光の向きに注意しましょう。ソーラーパネルの設置角度によって反射光が上空に抜けず、隣家に光が当たってしまうことがあります。こうした場合、ソーラーパネルを設置する屋根の向きに関係なく反射光害が発生する可能性があるため、十分注意が必要です。

これらは代表的な例ですが、季節による太陽の動き、隣家の窓の位置や距離など、複雑な要素が絡み合って、想定していなかった反射光害が起きる可能性もあります。

【シミュレーション後も様子見が必要】
反射光がどう動くかは、ソーラーパネルを設置する際に設置業者がシミュレーションをしてくれるケースがあります。しかしシミュレーションで大丈夫だからといって、実際に稼働させたときにトラブルが発生しないとは限りません。そのため、設置後1年間は反射光害が発生しないか注意深く確認する必要があります。隣家に反射光が差し込んでいないか、それとなく伺ってみるのも良いでしょう。

反射光によるトラブルを防ぐためにはどんな対策がある?

反射光によるトラブルを防ぐには、事前の調査を忘れないことです。特に屋根の北側はもちろん、北東や北西に向いている屋根に設置するケースでは、どの方向にどの強さで反射するのかをシミュレーションしておきましょう。もちろん設置業者がおこなってくれますが、自分で気付いたことも提案してみましょう。

万が一、反射光が窓から入るというクレームが隣家から来た場合には、設置角度を変えるように設置業者に依頼しましょう。設置角度は通常、太陽の光を最大限受けるように調整していますが、トラブルに発展するのであれば発電効率を落とした方が良いでしょう。

もし発電効率を落としたくないのであれば、隣家の窓に遮光フィルムを付けることを提案してみる方法もあります。ガラスの飛散防止になり、防災や災害時に強くなることをアピールすれば受け入れてくれるかも知れません。もちろん費用はソーラーパネルの設置者で持つようにします。

また特殊な加工をおこなったソーラーパネルも販売されています。反射が少ないように特殊加工をしたもので、反射光をある程度抑えてくれます。導入費用は高くなりますが、隣家の協力を得られない場合などには検討してみましょう。裁判に発展した際のデメリットを考えると事前にこうした対策をおこなった方が効率的です。

まとめ

太陽光発電システムは10年間、20年間と長期間にわたり設置するため、近所との関係も大切です。反射光害が起きないようにソーラーパネルを設置するのはもちろんですが、発生した際の対応も重要です。太陽光発電システムの導入を決めた場合、近所への挨拶の際にその旨を伝えておき、近所との関係を良好に保っておきましょう。

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