あの物質がネックレスに？化学の「うつくしさ」を教えてくれるアクセサリー

難しかった化学も、よく見るとうつくしい形！

〔化学屋〕のアクセサリーに用いられる「構造式」とは、まさに上の写真のような化学式を指します。シンプルな線と数字・アルファベットで描かれつつも、入り組んだ六角形な構造。〔化学屋〕のオーナーである苅田譲さんは、高校2年生の頃にその「様式美」に魅了され、化学の世界へ足を踏み入れたのだそうです。

そんな「構造式」がそのまま落とし込まれている〔化学屋〕のアクセサリーですが、デザインには「非対称」な構造式が多く用いられています。そのためか、〔化学屋〕のアクセサリーは身に着ける位置や角度によって、違った表情を見せることもあるのですよ。

日常でよく見るあれも、化学式にすると全然ちがう！

〔化学屋〕のアクセサリーに使用されている化学式は、私たちにもなじみ深い物質のものも少なくありません。たとえばこちらは《インディゴ》の化学式。ジーンズの染料として有名ですね。ぜひとも、ジーンズコーディネートの日に身に着けたいアクセサリーです。

こちらはゴマなどに多く含まれる物質、《セサミン》です。健康食品のパッケージやCMなどで聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。そんなセサミンのアクセサリー、小さな環が連なった華奢な形が、なんだか近未来的でかわいらしい！

どんなファッションにも、ぴったりマッチしてくれそうです。

ネックレスやブレスレットだけでなく、リングもあります。こちらは《メチルグリオキサール》という、マヌカハニーなどに含まれる物質です。通常のリングではなかなか見ることのできない、細長いデザインが特徴的。指をきれいに見せてくれそうです。

なじみ深い物質たちも、アクセサリーになればユニークな個性をそれぞれ発揮しています。はじめてアクセサリーを見た人に、「これ、何の物質かわかる？」とクイズを出したくなってしまいます。

聞いたことない物質だけど……

化学をかじった人じゃないと、なじみのない構造式もたくさんあります。こちらは《コリン》。ビタミンに関係する形です。左右対称に見えますが、よく観察すると少し歪んでいることがわかります。奇をてらいたくないけれど、印象に残るアクセサリーが欲しいというときにオススメです。ちなみにこの《コリン》は、苅田さんイチオシのアクセサリーなのだとか。

この《ヘルナンドゥルシン》は、砂糖の30倍ほど甘いと言われている物質です。こちらのリングはシンプルながらも、目立つデザインが印象的です。片側についている環の位置を変えるだけで、まるで異なるアクセサリーを身に着けるような気分を味わえます。そのときどきの気分によって、上下を逆にして、もしくは左右に少し回して使えるんですね。

ちなみに〔化学屋〕のリングに使用されている金属は柔らかく、すべての指にフィットするよう調整できます。そのため、指の太さによっても、また違った雰囲気になります。

化学を知らない人にこそ、つけてほしい！

一見「小難しい」化学の構造式。しかしオーナーの苅田さんは、「化学を知らない人にこそ身に着けてほしい」とのことです。

構造式とは、いろいろな分子が最適な形で結びついた様子を式にあらわしたもの。誰かが意図的に組み立てたわけではない、まさに自然が生んだアートとも呼べる存在です。その構造式の入り組んだ様子は「上空からの都心の風景、もしくは工場夜景」のような美しさを孕んでいるとの気づきから、アクセサリーになりました。そんな構造式の美に触れるのに、化学の成績は関係ないですよね。

〔化学屋〕公式サイトには、それぞれの物質ごとに簡単な解説、および豆知識などが記載されています。どれもユーモアあふれる文章で、子どもでも楽しく読み進めることができますよ。こちらもぜひチェックしてみてくださいね。