【ル・クルーゼ】料理がもっと好きになる!商品開発者に聞いた、おいしさの秘密と意外な人気アイテム
置いてあるだけでキッチンがパッと華やぎ、料理へのモチベーションを上げてくれるアイテムといえば、なんといってもル・クルーゼ。どんな料理もおいしく仕上げてくれると、フレンチのシェフから料理ビギナーまでの幅広いユーザーを魅了するお鍋の魅力や、イチオシのアイテムについて、ル・クルーゼ ジャポン株式会社の小林ケイコさんにうかがいました。
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グルメ大国、日本で〔ル・クルーゼ〕が愛されるワケ
――ル・クルーゼの歴史について教えてください。
小林ケイコさん(以下、小林さん):北フランスの小さな村で〔ル・クルーゼ〕が誕生したのは1925年のことです。〔ル・クルーゼ〕と聞けば、鮮やかに輝く赤やオレンジのお鍋を思い浮かべる方が多いと思いますが、当時のフランスでのオレンジの鍋は斬新で、暗い色ばかりだった鋳物(いもの)鍋に新風を吹き込んだとして話題を集めました。オレンジは今でも〔ル・クルーゼ〕のシンボリックカラーとして親しまれています。
――日本で展開を始めたのはいつからですか?
小林さん:〔ル・クルーゼ ジャポン〕ができたのは1991年です。その前からも、フランスで修業していたシェフや料理家の愛用品として雑誌などで紹介され、“知る人ぞ知る”鍋ではあったのですが、日本で展開を始めたときは「やっと日本で買える!」と多くの方に喜んでいただきました。現在、70を超える国々に愛されている〔ル・クルーゼ〕ですが、日本の市場はなんと世界2位。1位は意外にもフランスではなくアメリカで、不動の1位と安定の2位はここ何年も変わっていません。
――日本から世界へ発信する製品もあるそうですね。
小林さん:日本はグルメ大国と言われるだけあって、食のトレンドがめまぐるしいサイクルで展開していきます。それと同時に伝統的な食文化も大切にしていて、食の多様化は世界でも指折りです。市場もしっかりしていますし、日本の食スタイルにあわせたアイテムをどんどん提案していくべきと、日本発のアイテムを開発する権限をフランス本社から与えられています。日本でしか売られていない商品を、わざわざ海外から買いに来る方もいらっしゃるんですよ。
フタの薄さに、おいしさの秘密があった!?
――日本で一番人気のお鍋はどれですか?
小林さん:《ココット・ロンド》という鍋で、赤とオレンジが一番人気です。サイズは〔ル・クルーゼ〕を初めて使うという方には、炊飯や煮込みに便利な20cmか22cmをおすすめします。「この大きさなら、カレーが何人分できますよ」とお伝えするとわかりやすいようです。なかには何十個も使い分けている方もいます。ご結婚やご出産といった“料理”が身近になる節目をきっかけに〔ル・クルーゼ〕に出会い、ひとつずつ買い足していらっしゃる方が多いようです。「祖母から母へと受け継いだ鍋を、いま私が使っているんですよ」というお客様がいらして感激しました。思い出を味とともに伝えていく……、それができるのが〔ル・クルーゼ〕の鍋です。
――素敵なお話ですね。それだけ丈夫ということですね。
小林さん:〔ル・クルーゼ〕の最大の特徴が、鋳物に施されるエナメルコーティング技術です。エナメルはガラス加工なので、技術がよくないと割れたりヒビが入ったりしてしまいます。〔ル・クルーゼ〕の鍋は衝撃や温度差にも強く、汚れがつきにくいのも特長です。加工技術は誕生から90年以上ずっと進化を続けているんですよ。
――料理をおいしく仕上げてくれる理由はどこに?
小林さん:鋳物の最大の特徴は、優れた熱伝導と蓄熱性です。ゆっくりとムラなく素材に熱が入り、甘みや旨みを引き出します。あとは、「スチームコントロール」という技術も特長です。〔ル・クルーゼ〕の鍋はあえて密閉性を持たせていません。ゆっくりと均一に蒸気が抜けるので素材の雑味が抜け、あえて蒸気を逃すことで吹きこぼれを防ぎ、安心して料理することができます。
――フタが軽いなって前から思っていました。
小林さん:よく気づいてくださいました。鋳物は重いことも特徴のひとつですが、〔ル・クルーゼ〕は“フタ”の薄さと軽さにはこだわっています。料理中、鍋は火にかけたままでいいですが、フタが重ければ何度も開閉するのもひと苦労。フタを軽くすることで作業がしやすくなりますし、軽くすることで蒸気も逃げやすくなります。フタをドーム型にしたのは、熱と蒸気が食材を包み込むように対流しやすくなるからです。
――いろんな工夫がされているんですね。
小林さん:昨年リリースした《シグニチャー》というラインのお鍋は、最新のエナメル加工を採用しています。ハンドルは重さを感じにくくする設計にして、つまみにはふくらみをつけて持ちやすくしました。フタ表面の3本のラインやロゴも際立たせ、より使いやすくなったとご好評をいただいています。
――もっとも人気のある《ココット・ロンド》が実力を発揮するのはどんな料理でしょう?
小林さん:鋳物は煮込み料理が得意というイメージが強いですが、意外と何にでも使えるんです。たとえば、お米は炊飯器より簡単においしく炊けると私は思っています。それから揚げ物もカラッとおいしく仕上がりますよ。
――揚げ物!? 煮込みのイメージが強かったのでトライしたことがありませんでした。
小林さん:もっと驚かれるのは、鍋でパンが焼けること。発酵させて焼くまでのすべての工程が1時間でできるレシピもあるんです。内側がマットブラックの鍋だけは“スモーク調理”もおすすめしています。ホームページにはいろんなレシピが載っていますので、ぜひ作っていただきたいです。
〔ル・クルーゼ〕のプロが選ぶイチオシアイテムは
――小林さんがお気に入りのアイテムはどれですか?
小林さん:〔ル・クルーゼ〕でフライパンを作っていることはあまり知られていないのですが、これは本当におすすめです。友人にも「使ってみて、もし良くなかったら私のお財布から全額返金するから!」というぐらい太鼓判を押しています(笑)。丁寧にフッ素加工されているので、こびりつかず、焼きムラもできません。コーティングが丈夫なのできれいなまま長く使うことができます。
――マニア心をくすぐるアイテムはどれですか?
小林さん:〔ル・クルーゼ〕では、年に2度のコレクションを発表し、バレンタインやイースターといった季節ごとのプロモーションでも新作を期間限定で販売しています。今年の秋冬コレクションでは、1980年代にフランスで発売されていたデザインを復刻させた《Peacock Palette(ピーコックパレット)》を紹介しましたが、レトロな懐かしい雰囲気が人気です。
いろんなシーンで人の幸せを作る〔ル・クルーゼ〕
――ストーンウェアも充実していますね。
小林さん:私は2011年に入社してすぐ、ストーンウェアの開発に携わったのでとくに思い入れがあります。〔ル・クルーゼ〕のストーンウェアは、260度の耐熱性があるのですべてオーブンでお使いいただけます。美しい色合いが特長ですが、鍋同様、この色を出すのがとても難しく、何度も試作して「これで大丈夫!」と思っても、本社からNGが出ることもしばしば。それだけ色づくりにはこだわっています。
――なにか使いやすいアイテムをひとつ挙げるなら?
小林さん:おすすめを聞かれるといつも困ってしまうのですが、やはり《マルチ オーバル プレート》でしょうか。だ円形のお皿で”仕切り“がある製品です。煮込みハンバーグのソースやたっぷりのドレッシングが隣に移らないように、仕切りの高さにはこだわりました。小さいほうのスペースは、ストーンウェアのラムカンや小ぶりなディッシュなどのアイテムが組み合わせられるようにしています。スタッキングができて、オーバルなので省スペースになり、収納のしやすさにもこだわりました。料理をワンプレートにすると見栄えがしますし、何をどう乗せようか考えるのもすごく楽しいですよ。
――出産祝いやブライダルにも人気なんですね。
小林さん:ピンクやブルーがかわいらしい《ル・クルーゼ ベビー》は日本発のブランドです。出産祝いなどのギフトに人気で、現在は全売り上げの約10%を占めるまでに成長しました。子ども用の食器やグッズほか、〔今治タオル〕とコラボして、ストーンウェアとタオルやスタイをセットにしたものも人気です。お子さまは色に敏感ですし、口当たりもいいので「牛乳が苦手な子どもが、〔ル・クルーゼ〕のカップなら飲むんです」というお声もよく聞かれます。小さな頃からいいものにふれさせるのも教育で、大切にして大人になっても使ってほしいとギフトにする方が多いようです。
――最後に、〔ル・クルーゼ〕のお鍋をどんな方に使ってほしいですか?
小林さん:お料理好きな方は、きっと〔ル・クルーゼ〕の良さをご理解いただいているはずです。むしろ、料理をあまりしない、もしくは苦手だという方にぜひ一度使ってみていただきたいです。私自身、〔ル・クルーゼ〕の鍋のおかげで料理の楽しみを知りました。何よりも手軽に何でもおいしく仕上げてくれるので、外食をほとんどしなくなりました。料理が好きになると、器やテーブルコーディネートにも興味を持って楽しみが広がります。誰かにおいしいものを作ってあげたいという気持ちも高まります。〔ル・クルーゼ〕の鍋を通じて、暮らしを豊かにしていただけたらうれしいですね。
【小林ケイコ(こばやしけいこ)】
ル・クルーゼ ジャポン マーケティング部 商品開発シニアマネージャー。2011年に入社し、ストーンウエアの商品開発を経て、現職に。商品の企画開発から品質管理に至るまで、製品に関わるさまざまな業務を行っている。趣味はご主人と愛犬とともに楽しむアウトドア。〔ル・クルーゼ〕の鍋でいかに無駄なくおいしいアウトドア料理をできるかを考えているときが、一番のリラクゼーションタイム。
●書き手 大森りえ
●カメラ 土佐麻理子
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